アトピー体質がなくてもアレルギー性鼻炎に?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                
今日は、兵庫医大のアレルギーに関する研究発表を紹介します。

                           

                     
●アトピー体質でなくてもアレルギー性鼻炎発症 兵庫医大メカニズム解明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140821-00000071-san-l28

アトピー体質でなくても、鼻粘膜に花粉が付くことによって発症する「局所性アレルギー性鼻炎」のメカニズムを、兵庫医科大学(西宮市)の善本知広教授らの研究グループが突き止め、20日、発表した。アレルギー性鼻炎はアトピー体質の人がなるケースが多いが、アトピー体質ではなくても、花粉などアレルギー原因物質にさらされ続けると局所性アレルギー性鼻炎になるという。
局所性アレルギー性鼻炎は放置すると進行し、全身のアトピー疾患やぜんそくなどと重症化するといい、善本教授は「早期に発見し、原因となる免疫細胞の働きを抑えることで、進行は食い止められる」と話している。
善本教授によると、これまでアトピー体質でなかった大人が突然、鼻炎を発症するケースは多いという。
アレルギー性鼻炎は、鼻水やくしゃみなどの原因となる化学伝達物質を誘導する免疫物質「IgE抗体」が血清中で増加する「アトピー型」が多いが、約10年前から、鼻の粘膜だけにIgE抗体が増加する局所性アレルギー性鼻炎の存在が確認されていた。
研究グループは、健康なマウスに7日間、毎日1ミリグラムの花粉を点鼻したところ、マウスのくしゃみの回数は日ごとに増えたが、血清中のIgE抗体は増加しなかった。しかし、鼻粘膜のみで花粉症の原因物質を誘導する免疫細胞「Th2」が増加。それに伴いIgE抗体も増え、局所性アレルギー性鼻炎の症状がみられた。
また、局所性アレルギー性鼻炎になったマウスに続けて花粉を点鼻すると、鼻粘膜だけでなく血清中のIgE抗体も増加し、アトピー型アレルギー性鼻炎を発症することも判明したという。

                          

                 
アレルギー性疾患は、アレルギー体質(アトピー体質)を強く持っている人が発症しやすいだけ、ということは過去の研究でも発表がありました。
実際、アレルギー体質自体は、程度の差はあれ、誰しもが持った「働き」の一つと言えます。
例えば、睡眠不足で目の下にクマができる、傷んだ食べ物を食べると下痢をする、当たり前の体の反応ですが、これらはいずれもアレルギー症状です。
このようにアレルギー症状は、本来、誰しもが引き起こす力は持っているのですが、広義の意味でみると、それを出しやすい人がアレルギー体質、と呼ばれていたと考えてよいでしょう。
今回の発表は、こうした体質の強弱とは関係なく、抗原に対する反復継続により生体の反応として、IgE抗体が関与する症状といえる「局所性アレルギー性鼻炎」が現れる、というものです。
注目したいのは、最後に書かれていた「また、局所性アレルギー性鼻炎になったマウスに続けて花粉を点鼻すると、鼻粘膜だけでなく血清中のIgE抗体も増加し、アトピー型アレルギー性鼻炎を発症することも判明したという」という部分でしょう。
ヒトに置き換えてみると、花粉症の人が、多量の花粉に一時的に曝露されると、血中のIgEも増加し、鼻炎の症状も局所的な炎症症状から、連鎖的に反応を生じるアトピー型の症状に変化する可能性がある、ということです。
この場合、「多量の抗原」がどれくらいの量になるのかが不明ですが、花粉症からアトピー性皮膚炎、あるいはぜん息に症状が変化する可能性も否定できない、ということでしょう。
実際、現状の臨床症状で考えると、こうした成人に花粉症が現れた人が、その後、アトピー性皮膚炎やぜんそくに移行した、というケースは少なくありません。
こうした情報は覚えておくとよいでしょう。

                             
おまけ★★★★博士のつぶやき

こうして考えると、実際の臨床症状として、アトピー性皮膚炎だけで見ても、原因や結果(症状の形態)が異なるケースは多いわけじゃが、その理由として、さまざまな身体症状がいろいろな変化を経て、アトピー性皮膚炎に「たどり着く」ということも影響しているのかもしれん。
複数の原因が複数の結果を生むのであれば、その過程を治療する方法も複数あってしかるべきじゃ。
こうしたさまざまな研究が連携してその複雑な過程を証明してくれるようになるとよいの。