携帯電話の基地局と子どもの健康に関する研究

北です。

 

 

 

 

 

 

 

                              
今月の9日~11日、国立京都国際会館で開催された日本アレルギー学会の春季臨床大会に参加してきましたが、そこで興味深い発表がありましたので、紹介したいと思います。
               
               
●無線通信などの環境要因が未就学児の健康に及ぼす影響
―4歳~6歳児の身体症状と携帯基地局から自宅の距離との関係―
             
【目的】
子どもの健康・発達に対する高周波電磁波の影響を探ることを目的として、保育園児の保護者にアンケート調査を実施した。今回は携帯基地局と自宅との距離と、園児の健康状況との関連について分析を行う。
             
【対象と方法】
2013年11月に宮崎県および鹿児島県内の7つの保育園・幼稚園において保護者による園児の健康・発達に関する記入式調査票を配布し、349票の回答を得た。調査票は、子どもの成長にあわせて、年齢ごとに、乳幼児健診、SDQ(発達障害)、各種子どもの健康調査票等を参考に作成した。目的変数として、受診歴の有無、身体上の症状と行動の状態に関する5段階の設問等を設定し、説明変数として、保育園と自宅の環境状況、関連機器・消費財の使用状況、母親の病気・体質、妊娠期の行動等を5段階で設定した。これらのデータ分析は緒についたばかりであり、今回は、4歳児クラスと5歳児クラスの158名の回答(有効回答148)について、受診歴と身体症状を目的変数(有無に転換)とし、自宅と携帯基地局との距離に関する回答を説明変数とした分析結果のみを報告する。基地局からの距離が300m未満(n=82)と以上(n=66)に分類した。有症率の相違の分析にはSPSS ver.21、ロジスティック回帰分析にはSTATA Ver.12.1を用いて性、季節調整オッズ比(OR)とその95%信頼区間を算出した。両側検定でのP<0.05を統計学的有意とした。本研究は九州大学実験倫理委員会の承認を受けている。
            
【結果】
「ふらふらする」、「胸が苦しいという」および「肩などを痛がる」の有症率は300m未満で有意に高値であった。基地局からの距離が300m以上と「肩などを痛がる」リスクの間には有意な関連(OR=6.2)、「夜中に目を覚ます」との間にも関連性が示唆された(OR=3.0)。
          
【考察】
携帯基地局のアンテナの高さを20mとした場合200m付近の電磁波が最も強く、基地局に対する自宅からの距離の近さは電磁波の強さとパラレルではないことが知られている。大人を対象とした内外の疫学調査では300m未満と300m以上で有症率に差があるという報告があり、今回、未就学児(4歳~6歳児)の調査においても300m未満と以上で有症率およびオッズ比に有意な結果が得られたことは、高周波電磁波の被曝の影響が考えられ、さらなる分析が必要とされる。さらに今回、統計的に有意でなくても有症率が300m未満で高い症状が多くあったため、今後、他の保育園・幼稚園においてもアンケート実施し、標本数を増やしていくことが必要である。
            
             
高圧電線の近くで健康被害が生じやすくなる、という研究は昔からありますが、携帯電話の基地局が、人体に影響を与える可能性がある、という研究は非常に興味深いと言えます。
携帯電話の普及とともに、基地局の数も増えています。
携帯電話会社、そして周波数ごとに基地局は点在していますが、NTTドコモ、au、ソフトバンク、WiMax、Eモバイルなどを合わせた合計数は、450,000以上あるとされています。
今では、市街地はほぼ全域がカバーされ、ちょっとした山奥でも通じる場所は多くなりました。地下鉄や地下街などでも携帯電話が通じるところは、どこかに拠点となる基地局が必ずあります。
それぐらい身近になっているということは、その数が増えれば、基地局ととの距離も縮まることが考えられます。
こういった影響は全員に見られるわけではありませんが、一定の割合で影響が現れることも考えられ、記事にあったような変調を感じる方は注意が必要かもしれませんね。

                   
おまけ★★★★東のつぶやき

電磁波と健康の影響については、海外の方が研究がさかんなようです。
周波数や距離によっても異なりますから、一概に言えない部分がありますが、研究され報告されている論文を見ると、少なくとも影響が皆無とは思えませんから、体に変調をきたしている人で、その原因が掴み切れていない場合には、こうした電磁波も疑ってみると良いかもしれませんね。