ステロイドの知られていなかった副作用?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                    
直接、アトピー性皮膚炎の話題ではありませんが、同じアレルギー疾患である喘息の治療に使われる吸入のステロイド剤に対して、今まで想定されていなかった副作用が生じる可能性があることが記事で出ていましたので紹介したいと思います。
             
          
●子どもの吸入ステロイド薬、慎重に 身長伸び抑える恐れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140227-00000007-asahi-ent
            
日本小児アレルギー学会は、子どもの気管支ぜんそくの治療で広く使われている吸入ステロイド薬を、より慎重に使うよう注意喚起する声明を出した。副作用で子どもの身長の伸びを抑える可能性が、海外で報告されたためだ。ただ、治療の効果は大きいため、病状をこまめに調べて、使うのは必要最少量にすることを求めている。
          
15歳以下の小児ぜんそくは、20人に1人程度いるとされている。発症するのは0~1歳の乳幼児が多い。ダニなどへのアレルギー反応で気管支に炎症が起こるのが原因だ。発作が治まった後も炎症が続くため、発作の防止には治療を長期間続ける必要がある。
よく使われるのが吸入タイプのステロイド薬。しかし、子どもの身長の伸びが抑制され、その影響は成人した後も続くという報告が、3年ほど前から米国で相次いだ。患者約950人の調査では、5~13歳から吸入ステロイド治療を4~6年間受けた患者は、この薬を使わなかった患者と比べて、成人後の身長が平均1・2センチ低かったという。
こうした報告を踏まえ、同学会は25日に見解を示した。見解では、身長の伸びに最も影響を受けやすいとされる乳幼児は、軽症ならばステロイド以外の薬を最初に使うと指摘。のどが週1回以上ゼーゼーするなど中等症以上の場合は、年齢にかかわらず吸入ステロイドを最初に使うことが適切とした。体格に応じた使用量の基準がないため、少量から始めて効果を見極めていくことを勧めている。
ステロイドの大量使用には、骨の成長を阻害するなどの副作用があることはわかっていた。これまでは、吸入タイプは気道や肺など限られた部分にしか薬が届かないことなどから、副作用は少ないと考えられてきた。また、身長の伸びが一時的に抑えられても、成人になれば差はなくなると考えられてきた。
見解をまとめた同学会の浜崎雄平・ガイドライン委員会長(佐賀大教授)は「吸入ステロイドは小児ぜんそく治療の根幹をなす薬。患者や保護者は自己判断で減量や中止をせず、担当の医師と相談してほしい」と話す。(大岩ゆり)
             
               
記事の中で気になる部分は、「ステロイドの大量使用には、骨の成長を阻害するなどの副作用があることはわかっていた。これまでは、吸入タイプは気道や肺など限られた部分にしか薬が届かないことなどから、副作用は少ないと考えられてきた。また、身長の伸びが一時的に抑えられても、成人になれば差はなくなると考えられてきた。」という箇所です。

アトピー性皮膚炎の治療でも外用や内服のステロイド剤が用いられますが、例えば、今の皮膚科学会の見解では、外用のステロイド剤は内服とは違うため、内服を長期連用することで生じる重篤な副作用は生じない、としています。
しかし、実際には外用(塗布)のステロイド剤の長期連用により、皮膚へのダメージや、身体のさまざま異常状態が確認されていることは事実であり、これまで、それらの異常状態(リバウンド状態を含めて)はアトピー性皮膚炎の悪化により生じている、という今の皮膚科学会の見解にも疑問を感じる患者は多いでしょう。

もちろん、ステロイド剤外用を中断したことによる症状の悪化が、全て、ステロイド剤の副作用を起因とする、わけではないことは確かでしょう。
しかし、現在の皮膚科学会の見解では、こうした症状の悪化のほとんどは、薬剤使用による副作用ではない(逆に使用を中断したことによる、アトピー性皮膚炎の症状が悪化しただけであり、速やかにステロイド剤の治療を再開することが大切)、と考えていること自体が、実態と合っていない部分でもあり、エビデンスを示せる研究をぜひ行って欲しいと思います。

                    
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の治療を議論する際、医師が治療を「行いやすくするために」行うものでないことは確かだと思います。
治療が目的とするところの前提はあくまで「患者のために」ではないでしょうか?
患者にとっての「利益」を考えた研究が行われることを望みたいところです。