界面活性剤の問題点を考える(2)。

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、昨日の続きです。

洗濯洗剤が、アトピー性皮膚炎に影響を与える問題点とは、合成かどうかが問題なのではなく、「界面活性剤」であることが問題となること、そのため、石けん洗剤も、アトピー性皮膚炎に対する影響で見れば、合成界面活性剤が持つ一部の問題はクリアしていても、界面活性剤そのものが抱える問題点は、同じように生じていることは昨日、述べた通りです。

そして、この界面活性剤が抱える問題点は、洗濯洗剤だけでなく、私たちの身の回りにいろいろと存在しています。
基本的に、界面活性剤=泡立つもの、と考えてよいので、洗浄剤で泡立つものが該当します。
シャンプー、ボディソープ、石けん、食器用洗剤、お風呂用の洗剤など「洗う」のに使用するものはほとんどが界面活性剤です。

なお、マヨネーズにも界面活性剤が使われています。混じり合わない油と酢を「つなげている」のが卵黄に含まれる「レシチン」という界面活性剤の成分です。
ではマヨネーズも界面活性剤なのか、というと、マヨネーズの場合、レシチンは油と酢を乳化させるのに使われてしまっているのでマヨネーズそのものは「界面活性剤」ではありません。
界面活性剤は、水とつながる「親水基」、そして油とつながる「親油基」の両方を持っているため、本来、混じり合わない水と油を「つなげる」ことができ、マヨネーズに使われる卵黄に含まれるレシチンは、片方の手で酢を、そしてもう片方の手で油をつかまえているため(乳化作用)、両手がふさがった状態なので、界面活性作用(油と水とつなげる作用)は失った状態と考えてよいでしょう。
スキンケアアイテムでも、クリームなどは油分と水分が乳化剤により混じり合っていますが、同様に「両手がふさがった状態」です。
それに対して、洗浄剤の場合、界面活性剤は乳化しておらず、両手が「開いた状態」で、界面活性作用を残しているため、水と汚れ(基本的に油性の汚れが落ち辛いので界面活性剤が必要になる)を「乳化(つなぎ合わせて)」させ衣類や髪、お肌、食器などから「はがして」、水で洗い流せるようにしている、ということです。

昨日の記事にあったように、界面活性剤の原料によっては、刺激性などの問題を抱えていることもあります。
そうした問題は、原料が異なる(石油から天然の原料に代わる)ことで解消されることもあるでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎への影響で考えた場合、昨日書いたように、刺激性の問題よりも、「皮脂に与える影響」の方がよい深刻な影響と言えます。
シャンプーやソープの場合には、必ず「洗い流す」ため、皮膚への残留による影響は、それほど大きいものではありません。
しかし、「洗う」ことが同時に「皮脂を取り去る」ことにつながっているため、お風呂上がりはお肌が乾燥している、と感じやすくなります。

主婦性の手湿疹も、台所での水仕事が原因になっていることが多いのですが、これも食器を「洗う」ときに食器洗剤を使うことで、食器の汚れを落としながら手の皮脂も取り去ってしまうことが影響していると言われています。

こうした界面活性剤による影響を研究している医師もおられ、実際、界面活性剤を生活の中から一切、排除するという方法でアトピー性皮膚炎の治療を行っている医師もおられます。
もっとも、アトピー性皮膚炎の原因は、皮膚機能のみが問題なのではなく、免疫機能の異常状態が関わることも多いため、また、生活内の要因が関わっている場合、界面活性剤を使わないことが睡眠不足の解消や運動不足の解消にはつながりませんので、全てのアトピー性皮膚炎の症状に有効、ということにはなりません。
しかし、界面活性剤の影響を受けている人は意外に多く、界面活性剤を生活の中から排除するだけで、大きく症状が改善した、という報告は多くあります。
実際、あとぴナビでも、衣類の洗濯洗剤、体を洗う洗剤いずれも界面活性剤ではないものを取り扱っていますが、それら界面活性剤でない洗浄剤に変えることで、症状が改善した例はよく見受けます。

昔は製造方法の問題もあり、「洗剤」の問題は合成洗剤の刺激や毒性が関わっている部分は多くありました。
しかし、アトピー性皮膚炎だけでなく、一般的な「乾燥肌」の方が増えてきている要因の一つには、「界面活性剤」である洗浄剤を使用していることが関わっているのは確かだと思います。
お肌のバリア機能が低下している方や、乾燥しやすい方は、こうした界面活性剤による洗浄を見直してみるのも必要でしょう。

                         
おまけ★★★★中田のつぶやき

あとぴナビでは、以前は某メーカーの純石鹸で作られた石けん洗剤を洗濯洗剤として取り扱っていましたが、今は、界面活性剤が全く含まれていない重曹洗剤に切り替えています。
その重曹洗剤に切り替える際に、メーカーから示していただいたデータに面白いものがありました。
昔、聞いたことがある方もいるかもしれませんが、合成洗剤と石けん洗剤の安全性の比較として、メダカで実験すると、合成洗剤の中にメダカを入れると全数が死亡、石けん洗剤に入れてもメダカは死なず、毒性がなく安全とするものでした。
ところが、この実験には実は「からくり」があり、実際の洗濯槽における濃度を20倍ほどに薄めたもので実験していたため、死ななかった、ということでした。
実際の洗濯槽での濃度で実験すると、メダカは24時間で石けん洗剤でも全数が死亡するそうです。
実は、界面活性剤がえら呼吸に影響を与えるために起きる現象のようで、もちろん、薄めても死亡させてしまう合成洗剤の問題点、というのはありますが、界面活性剤が及ぼす影響自体に変わりはない、と言えるでしょう。
ちなみに、重曹洗剤についてはメーカーの試験で洗濯槽と同じ濃度での実験で数日経過しても全数が生存していました(メーカーの方の話では薄い塩水程度だから大丈夫、とのことでした)。
こうした実験の「報告」には何らかの「理由」があることがあるので注意しましょう。