子どものアトピー性皮膚炎が減少?

月一、ブログを担当している西だ。

 

 

 

 

 

 

               
アトピー性皮膚炎の患者数は、増加している傾向にあると言われているが、文部科学省が発表した平成25年度の学校保健統計調査によると、改善の傾向が見られるという記事が出ていた。
         
            
●全国的には子供「スリム化」 アトピー性皮膚炎は改善も
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/131213/cpd1312132341011-n1.htm
          
文部科学省が発表した平成25年度学校保健統計調査速報で、福島県の子供たちの肥満傾向が相変わらず高いことが分かったが、全国的には子供たちの“スリム化”が定着しているといえそうだ。全国の肥満傾向の割合は幼稚園から高校の全学年で1割以下となり、文科省では「肥満がさまざまな病気につながるという認識が家庭に浸透してきたのでは」としている。
            
肥満傾向の子供の出現率を18年度と25年度で比較すると、高1は2・4ポイント減の9・6%、中3も2・4ポイント減の7・9%になるなど、全学年がここ数年で、低下または横ばいとなっている。
都道府県別でみると、中3で25年度の肥満傾向が多かったのは(1)青森県12・4%(2)福島12・0%(3)岩手11・1%-の順。少なかったのは(1)石川4・9%(2)兵庫5・7%(3)島根5・7%-の順で、冬の低温や積雪で車での移動が多い東北地方を中心に、肥満の子供が多くなる傾向が見られた。
男女別では、幼稚園をのぞいて女子より男子のほうが肥満傾向が多かった。とくに高1は女子が8・1%だったのに男子は11・1%と約3ポイントも広がるなど、高学年ほど格差が目立った。
          
文科省は今回の調査と併せて、病気などの健康状態調査も実施した。
それによると、アトピー性皮膚炎の割合は幼稚園が2・4%、小学校が3・1%で、調査を始めた18年度以来過去最低となった。中学、高校でも減少傾向にあり、文科省は「アレルギーへの理解が学校現場で広がり、症状が悪化する前に治療が進む傾向にあるのではないか」と分析している。
一方、裸眼視力では、1・0未満の高校生が65・8%と過去最悪となり、小学校でも30・5%、中学校も52・8%と高い割合を占めた。文科省担当者は「パソコン、ゲームを含めさまざまな要因が考えられるが、スマートフォンの使用も目にいい状況とはいえず、原因の一つになっている可能性がある」と話している。
             
               
記事にあるように、幼稚園から高校までの全学年で減少傾向にあるようだ。
今回の調査は、厚生労働省の調査ではなく、文部科学省の学校での父兄への聞き取りを中心とした調査のため、実際の患者数を正確に現わしているものではないが、少なくとも前年比で見た場合に、「減少傾向にある」ということは確かなことといえるだろう。

だが、成人のアトピー性皮膚炎は、他の調査では増加傾向が見られ、また花粉症など他のアレルギー性疾患も同様に増加傾向があることを考えると、なぜ小児のアトピー性皮膚炎が減少したのかは考える必要があるだろう。
記事では、「アレルギーへの理解が学校現場で広がり、症状が悪化する前に治療が進む傾向にあるのではないか」とある。確かに、アトピー性皮膚炎の病態を考えた場合、特にアレルギー的な要因が皮膚機能の要因よりも強く見られやすい小児の場合、免疫抑制系の薬剤による一時的な抑制効果は現れやすいとも考えられる。
しかし、短期の薬剤使用で症状が見られなくなったのであれば良いが、もし「薬剤で症状を抑えている」状況が長く続いている場合にはリスクもあり得るだろう。

花粉症の方で、花粉の季節以外は症状が現れていない場合、そうした症状が現れていない季節は「花粉症が治った」状態と考えがちだが、実際には、「花粉症」という病気の状態はつづいていて、単に、症状を現わす要因(悪化要因=花粉)がないだけ、とういことは以前のブログでも書いたが、アトピー性皮膚炎も同様に、多岐にわたる要因(症状の発症、悪化要因として)が一時的に解消されていることで(薬剤による抑制も含めて)、症状が現れていない、という状況ならば、病気として考えると潜在した状況に過ぎない、ということもある。

受験のストレスや、成人になってから職場でのストレス、あるいは生活環境の悪化などが将来、見られれば、潜在的にアトピー性皮膚炎の病気として「残っていた」場合、そうした生活内の要因が悪化要因、あるいは症状の発症要因となる場合もあるだろう。
いずれにしても、他の調査を含めて、アトピー性皮膚炎の傾向は、注視していきたい。

                      
おまけ★★★★西のつぶやき

今回の調査結果で一つだけ気になるとすれば、最近の感染症の増加傾向の問題だろう。
本来、アトピー性皮膚炎に関わる免疫機能のバランス上から考えると、ヘルパーT細胞2型の免疫(アレルギーに関わる免疫)が低下する場合には、ヘルパーT細胞1型(感染症など外敵に対する免疫)の免疫は高まる傾向がある。
しかし、最近の状況は、アトピー性皮膚炎も感染症も両方の免疫が「低下」している状況も考えられ、それを心配する医師たちもいる。
そうした医師の中には、放射性物質の低量性被曝による免疫そのものの低下傾向を気にしている方もいる。
実際のところ、感染症の減少とアトピー性皮膚炎の減少に相関関係があるのかは、今後、疫学的に長い調査が必要になるのだろうが、放射性物質の関連は別にしても、「免疫力そのものが低下している状態」が何らかの要因で見られるのであれば、毎日の生活の中での注意(睡眠をしっかりとる、栄養バランスに気をつける、など)は必要になるだろう。