ワクチンは万能ではない

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                          
今年も、インフルエンザの季節が始まります。
今年、どこまで流行するからは分かりませんが、この時期になると増えるご相談が、予防接種を受けて良いのか?という内容です。

予防接種を受けると、風邪にかからない、というイメージを抱く方がいますが、予防接種が効果を発揮するためには、

                       
・受けた予防接種のワクチンが対象となる風邪の抗体を作ってくていること
・またその抗体が十分な量であること

                       
の二つが必要になります。
比較的、感染と発病を同一視する傾向が多いように思いますが、風邪のウィルスは一定量に曝露されないと発病しないケースも多くあります。
つまり、風邪のウィルスが体内に1個でも入れば、発病するのではなく、ほとんどの場合、体内に侵入したウィルスは、マクロファージなどの防衛線で食い止められることになります。
その防衛線を越えて体内に侵入、そして増殖を始めた場合が「発病」と言えるでしょう。
「感染」=「発病」ではなく、「感染」した場合の一部が「発病」につながってくると、いうことです。
こうして、発病してしまった場合、増殖をどんどん行っているウィルスに対して対抗するためには、Bリンパ球の働きによる免疫力が必要です。
しかし、予防接種のワクチンの場合、予防接種によりその対象の病気を発病してるのではダメですから、弱毒化したり、無毒化する処理を行っています。
そのため、体内で十分な抗体を作りきれないことがあります。

また、インフルエンザの場合、ウィルスのためしょっちゅう変異が行われていて、毎年流行するのも、A型だったりB型だったり、さまざまなタイプに分かれます。
このタイプが違うだけで、ワクチンも異なりますから、今、ワクチンの接種を受けても、それは「流行を予想したタイプ」でなければ意味がなくなることになります。

また、最近は、高齢者の方が、ワクチンが効きづらい、という報道もあるようです。
             
                 
●インフルワクチン、高齢者には効かない? 感染研が調査
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/TKY201311210469.html
              
高齢者はインフルエンザのワクチンを打っても注意が必要――。昨季のインフルで流行の8割を占めたH3N2型は、免疫力の低い場合はワクチンがほとんど効かなかった可能性のあることが、国立感染症研究所などの研究でわかった。ワクチン作製の過程で起きるウイルスの抗原の変化が特に大きかったため。今季は昨季に比べ改善されたが、変化の度合いは依然大きい。「ワクチンを打ったからと楽観するのは危険」と専門家は言う。
インフルワクチンは鶏の卵の中でウイルスを培養して作るが、その過程で抗原が変化する。一般的にその変化が元のウイルスに対し8倍以上になると、効きが悪くなる傾向がみられ、32倍を超すとほとんど効かないとされる。H3N2型はここ数年、ワクチンが実際の流行株との反応性の低い状態が続いている。
感染研が昨季のワクチンをフェレットに打ち抗体を作り、流行株との反応性を調べたところ、全て8倍以上の変化で、うち74%は32倍以上。海外の高齢者を対象にした研究では、予防効果は10%未満だった。今季のワクチンも93%が8倍以上変化したが、32倍以上は1%にとどまったという。
            
               
高齢者の場合、免疫機能そのものが加齢による低下の影響を受けていることも関係しているのかもしれません。
ただ、いずれにしろ、「ワクチンにより期待できる効果」とは、そのワクチンを生かして免疫を「作り出す力」が備わっていなければならないことは知っておいた方が良いでしょう。
特に、ステロイド剤やプロトピック軟膏で免疫を抑制した治療を行っている方の場合、軟膏であれば体内の免疫活動には大きな影響がなくても、皮膚表面における免疫力を低下させていれば、皮膚の感染症には罹りやすくなってしまいます。

ワクチンは周囲への流行を防ぐための「防波堤」的な要因も確かにありますので、全く否定してはいけないでしょうが、少なくともその効果が得られづらいときや副反応が強く出るような場合には、受けた場合のメリットと、受けなかった場合のメリット、そして両者のリスクを考えた方が良いかもしれません。

                     
おまけ★★★★博士のつぶやき

インフルエンザに対するワクチンの効果は、肯定意見もあれば否定意見もある。
どちらを優先して考えるかは、いろいろな情報を調べて判断して欲しいと思うが、一つだけいえることは、ワクチンによる効果は「自分の免疫力」があってこそ生かせる、ということじゃ。
いくらワクチンを使用しても、そのワクチンに「応える力」つまり、抗体を作り出す力がないと、意味がないことになる。
免疫力は、基本的に自律神経と内分泌の影響下にあるわけじゃから、こうした観点からも、毎日の生活習慣を重視することに意味が大きいことがわかるじゃろう。