食物アレルギーの問題について(1)

今日は、特にお子さまに多い、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係について考えてみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

まず、食物アレルギーとは、食品中に含まれるたんぱく質などを摂取した際、体の免疫機能が(主にIgE)それらをアレルゲンと認識して攻撃し、ヒスタミンによる炎症反応により、かゆみやせきなど、さまざまなアレルギー症状を引き起こすものじゃ。
昔は、食物アレルギーの三大アレルゲンは、「卵」「牛乳」「大豆」といわれておったが、最近では、米や小麦など、さまざな食品がアレルゲンとして反応を示す傾向がみられておる。
また、そばやサバなど、強い即時性のアレルギー反応(アナフィラキシー)を生じることもあるが、アナフィラキシーは炎症反応過程が短期に拡大して引き起こされるため、呼吸器の障害を生じたりして、生命に危険が及ぶこともあるから注意が必要じゃ。

当然、アトピー性皮膚炎に対しても、症状(炎症、かゆみ)を引き起こす、あるいは悪化させる要因の一つとして認識されておる。
アトピー性皮膚炎の場合、その反応は、必ずしも「即時型(Ⅰ型)」の反応として現れるわけではなく、「遅延型(Ⅳ型)」のアレルギー反応を示すこともあり、原因の特定が難しいこともある。
検査は、個々のアレルゲンに対するスコアを血液検査で行うことが一般的じゃが、精度の問題から、パッチテストによる皮内検査の方が有効だとする説もあるが、保険点数が労力(検査に時間がかかるため)と合っていない(血液検査と比較して)ということで、採用しておる先生は少ないようじゃ。

食物アレルギーは、一般的に子どもに多いと言われておる。
実際、行政機関による調査でも、生後間もなくから増え始める食物アレルギーは、3才頃をピークに減少傾向がみられることが分かっておる。
これは、消化吸収機能や免疫機能も、身長や体重と同様に「成長」する機能であるため、未熟な段階では、こうしたアレルギー反応を示しておったのが、成長と同時に、自らアレルギーを引き起こす免疫機能を「抑える力」も成長することで、こうしたアレルギー反応を自らの体の機能で抑えられるようになり、それが一般的には3才頃、ということなのじゃろう。

こうした食物アレルギーに対する対応としては、一般的に「食事制限」が行われることが多い。
つまり、反応を示す食品を摂取しないようにする、という方法じゃ。
しかし、こうしたアレルギー反応を示す食品を摂取しない(過剰に)ことが「リスク」を生じることを、日本小児学会が発表した。
            
                 

●<食物アレルギー>子供の過剰制限は逆効果 栄養障害誘因も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000011-mai-sctch

食物アレルギーを起こしやすい卵や乳製品などを子供が食べるのを過剰に制限した結果、アレルギーの悪化や栄養障害を起こす事例が出ていることが、複数の調査で分かった。保護者らがアレルギーの発症を過剰に恐れている実態があるようだ。19日から横浜市で開かれる日本小児アレルギー学会で発表される。

東京都立小児総合医療センターでは、食物制限後にO脚などを発症した子供が、過去5年間に5人受診。うち4人に、栄養障害で骨が変形する「くる病」の症状を確認した。5人とも湿疹やアトピー性皮膚炎を治すために卵と乳製品を除去しており、魚も取らせていない例もあった。3人は保護者が自己判断しており、こうした食事の結果、ビタミンDが不足したとみられる。
調査した清水麻由医師は「不必要だった食物除去で、逆に病気を生んでしまったが、親は『子供のため』と思っていた」と語る。
東京都八王子市の松本勉医師の調査でも、アトピー性皮膚炎などを改善するため食物除去をしていた147人のうち、逆にアレルギー反応が強まった子が複数あり、うち2人は強いアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー反応を起こしていた。明らかに皮膚炎が改善したのは10人だけだった。

国立成育医療研究センターの大矢幸弘・アレルギー科医長は「最近は、こうした食物の摂取を遅らせる方がアレルギーを起こしやすくなるとの研究もある。食物除去は必要最低限にすべきだ」と訴えている。
                 
                      
記事にあるような「食事制限による成長障害」は、昔から報告されておる。
特にアレルゲンとなる食品は、栄養価が高かったり主食となるようなものが多く(卵、牛乳、大豆、米、小麦、肉、魚など)、そうした食材を制限することは、成長期にある子どもにとって大きな負荷となっておることは確かじゃろう。
食事制限を行う際には、専門家の指導のもとに行うことが基本になる、ということじゃ。

今回、考えたいのはもう一つ載っておる「食事制限がアレルギーを起こしやすくなる」という部分についてじゃ。
なぜならば、食事制限を行わないとかゆみや炎症が生じるわけじゃが、食事制限を行うとアレルギーを引き起こすとなると、患者はどうすれば良いのか、大きく迷うことになるからじゃ。

では、食物アレルギーに対しては、制限した方が良いのか、制限しない方が良いのか、どちらが正しいのじゃろうか?
長くなりそうなので、続きは明日じゃ。

                                  

おまけ★★★★南のつぶやき

子どもの食事制限による成長障害の報告は、かなり昔から話を聞きます。よほどアレルゲンの種類が多ければ話は別ですが、代替食品がしっかり準備できれば、成長障害の問題は少なくなります。ただ、栄養素のバランスが悪くなりやすい傾向はありますので、専門医にまずは相談するようにしましょう。