ワクチン点鼻でアトピー改善?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                    
先日、アトピー性皮膚炎の新たな研究記事が出ていましたので、紹介したいと思います。
                 
               
●ワクチン点鼻投与でアトピー改善 三重大、マウスで効果確認
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2501D_V20C13A8CR8000/
               
三重大大学院医学系研究科の水谷仁教授(皮膚科学)と河野光雄講師(感染症制御医学)の研究チームは、病原性の低いウイルスに免疫機能を調整する遺伝子を組み込んだワクチンを点鼻投与することでアトピー性皮膚炎の症状が改善することをマウスを使った実験で突き止め、25日までに米科学誌(電子版)に発表した。
        
免疫が過剰反応して起こるアトピーは、免疫機能を抑えるステロイド剤を塗る治療が一般的だが、対症療法に近く、長期投与で色素沈着するなど副作用もある。
チームによると、ワクチンを鼻の粘膜から取り込むこの方法は、ストレスや副作用が少なく、体質そのものの改善にもつながるという。
チームは、アトピーの抗原を塗り、人為的にアトピー性皮膚炎を発症させたマウスを用意。免疫調整作用のある遺伝子を組み込んだワクチンを作製し、点鼻したところ、疾患部に注射で投与したマウスよりも症状の回復が見られたという。
このウイルスは自己増殖しないため安全性が高く、呼吸器に作用する性質があり、点鼻で使うと効果が高いという。将来的に、組み込める遺伝子の幅が広がれば、様々な病気に対する免疫療法にも応用可能だという。〔共同〕
          
          
感染症のように、ウィルスや細菌など、外敵によりもたらされる疾患に対しては、これまでワクチン療法は普遍的に行われていましたが、アレルギー疾患のように、自己に対する免疫の異常に対するワクチンでの療法は、かなり珍しいのではないでしょうか?
ワクチンのベースは、無毒化したウィルスなどを用いているのでしょうが、確かに、ヘルパーT細胞とサイトカインのバランスから考えると、ヘルパーT細胞のⅠ型をワクチンで刺激することで、アレルギーなどヘルパーT細胞Ⅱ型を抑制する、という考え方は、過去に風邪を引くと風邪が治るまでの間、アトピー性皮膚炎が軽減した例などが実際にありましたから、有効性は考えられるのでしょう。
もっとも、ワクチンを用いる以上、生体への主作用があれば副作用も生じますから、安全性の研究はしっかり行って欲しいところです。

いずれにしろ、今までとは違う視点での研究が始まったことは、期待したいところです。

                           
おまけ★★★★博士のつぶやき

この方法だと、生体を一定の感染した状態に保たないと、サイトカインのバランスは元に戻ってしまうことになるかもしれんから、効果時間がどれくらいかが気になるところじゃ。
まだ、マウス段階だから、ヒトへの応用はかなり先かもしれんが、間接的に免疫機能を調整させることで、アトピー性皮膚炎の影響を及ぼそうとさせるのは、少し前に、寄生虫に感染させることでIgEの働きを寄生虫に向けさせようとしたのと似ているかもしれんの。
今後の経過を見ていきたいものじゃ。