伝えられる情報、伝えられない情報(2)

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 
今日は、昨日の続きを書きたいと思う。

昨日は、福島県の食品関係の出荷停止情報などが、あまり消費者に伝えられておらず、それに接した消費者が不信を抱く状況になっていること、そして、こうしたことは、アトピー性皮膚炎の場合もあることを述べた。

では、アトピー性皮膚炎の場合、具体的にはどのような情報が「伝えられない」でいるのだろうか?

基本的には、こうした情報を「治療する側が伝えたい情報」「治療する側が伝えたくない情報」の二つに分けると、当然、後者の情報になるだろう。

例えば、国内ではほとんど報告されないが、プロトピック軟膏の発ガンに対する研究や報告は海外で幾例も出ている。
国内でも、数年前に発ガンの事例が出て、小さくニュースになったが、その後、厚生労働省から医療機関に通達された「発ガンのリスクを患者に処方する際に伝えること」というのは、全く守られていないし、そうした行政から通達があったことを、患者側が広く知ることができる機会はない状態にある。
また、ステロイド剤の使用によるIgEの増加=アトピー性皮膚炎の悪化、という研究なども報告されているが、ステロイド剤による「治療効果」は、皮膚科学会もガイドラインを作成して、しきりに喧伝しても、生じる可能性があるリスクについては、事実上、黙殺しているような状況だ。
その黙殺している理由も、海外の論文で日本のことではない、論文の内容そのものを検証していない、などを挙げているようだが、逆に、ステロイド剤治療に有利な論文については、海外だろうと自らが検証していなくても、取り上げることは「通常」に行われている。

もっとも、こうしたことはアトピー性皮膚炎に限ったことではなく、自分たちに有利な情報を集めて喧伝して治療すること、そして、その結果、被害の実例が生じたことは、他の治療においても多々、あったことだ。
最近でいえば、子宮けいガンのワクチンなどが良い例だろう。

確かに、効果と副作用を検証した際、副作用の実例が少なければ、効果をとること自体は自然であり当然もあるだろう。
だが、それはあくまで「治療側の視線」によるものだ。
「治療を受ける側」は、万一、副作用が現れた場合には、多対1ではなく、当事者としてその後の全ての影響を被ることになる。
まして、その治療を受けた際の効果が、「治療を受けなかった場合のリスク」と比較して大差なかった場合、多くは治療を受けたことを後悔することになる。

ステロイド剤なども、今でも専門医の指導のもと治療を受けることで、副作用が現れることはない、と話す医師は多いが、実際に、専門医に長期間治療を受け、その結果、副作用が現れた患者は数多くいる。
だが、そうした患者は、専門医はステロイド剤の副作用ではなく、元々あった「アトピー性皮膚炎が悪化したから」と説明することが多い。
もちろん、そうしたアトピー性皮膚炎そのものの悪化もあるだろうが、その後、ステロイド剤の治療を中断することで回復するケースも多く、ステロイド剤の影響が明らかに考えられる場合もあるのは確かだ。

患者は、「当事者」である。
「当事者」である以上、起こりうる可能性の中で、「選択する権利」はあるはずだ。
そうならば、ベネフィットのみ強調して「治療を患者に受けさせる」だけではなく、リスクも鑑みた上で、選択できるだけの「情報」を、治療を行う側は、伝えるべきだろう。
ただ、リスクの情報は、ある意味、治療を行う側にとっては「不利益な情報」のため、それが患者側に伝えられることは、事実上、困難といっても良い。

それだけに、Webが発達した現在、多くの情報に接することも可能な状況にあるからこそ、「伝えられない情報」に目を向けるようにしていくことも大切になっていくのではないだろうか?

                                          
おまけ★★★★西のつぶやき

最後に、Webで情報を得やすい環境にあることを述べたが、残念ながらWebで得られた情報が「どれだけ正しい」かを判断することは、情報に接した方に委ねられている。
そのため、単独の情報だけではなく、その情報に反対意見の情報にも接した上で、自分がどちらの情報をとるかは、判断していくことが大切だろう。
Webの発達は便利になったが、その便利さに盲目的に従うことは避けた方が良いだろう。