感染、発病、そしてワクチン(1)

月一、ブログを担当している西だ。

 

 

 

 

 

 

 

  
7月に入ったので、今月も、疑問が残る情報をお伝えしたい。

最近は、風疹の流行が話題になっている。
そして、秋の定期接種に向けてワクチンの在庫を確保せねばならず、現在、ワクチンが不足している状況にあるようだ。

だが、風疹の予防としてワクチン摂取は呼びかけられているが、ワクチン接種により何が得ららるのか、何が得られないのか、についての情報はあまり出ていない。
特に、一般の人は、今のワクチン接種の報道を見ると、ワクチンを摂取すれば必ず風疹は予防できる、とイメージしやすいが、実際のところはいくつかの問題点も指摘されている。

まず、風疹のワクチンとはどのように作られているか知っているだろうか?

風疹ワクチンは「生ワクチン」である。この生ワクチンは、風疹を発症する病原性の風疹ウィルスの毒性が弱まった弱毒性風疹ウィルスが主成分となっている。
広く風疹のワクチンとして用いられている「乾燥弱毒性風疹ワクチン」は、元は、1967年に富山県で発生した風疹の患者から見つかった弱毒性風疹ウィルスから作られている。
このとき見つかった弱毒性風疹ウィルスは、病原性風疹ウィルスが、突然変異したもので、このワクチンを摂取しても風疹の症状をほとんど起こさず、また摂取した人から排泄されたウィルスが人に感染しない、という理由で「弱毒性」と判断された経緯があるようだ。

このように、風疹のワクチンは、実際の風疹ウィルスが突然変異して病原性が弱まったものを使用しているのだが、ワクチンの有効性は現在、マスコミを通して大きく喧伝されているので、ここでは各所から指摘されている問題点について書いておきたい。

                                             

1.有効性の問題

現在、使用されているワクチンは、上記のように病原性風疹ウィルスが突然変異した「弱毒化風疹ウィルス」を用いた生ワクチンである。
つまり、厳密に言えば「病原性風疹ウィルス」と「弱毒化風疹ウィルス」は、遺伝子レベルでみると共通した部分はあっても、全く同一ではない、ということである。
ヒトが作る抗体は、基本的に同じ種類のウィルスであっても、構造が違うと、効力が落ちることがある。
つまり、現在のワクチンにより得られる免疫は「弱毒性風疹ウィルス」に対するものであって、厳密に言えば「病原性風疹ウィルス」に対するものではない、ということだ。
もちろん、弱毒性風疹ウィルスと病原性風疹ウィルスは「親子」の関係にあるから、そこで有効性が認められる、と判断されているわけだ。
小さい頃(大人になってからでも良いのだが)、自然感染で風疹に罹った場合に得られる抗体は「弱毒性風疹ウィルス」に対する抗体ではなく、「病原性風疹ウィルス」に対する抗体になる。
したがって、厳密に考えると、自然感染・発病した方が得られた抗体と、ワクチン接種により得られた抗体とは、同一のものではない、ということだ。
今は、弱毒性風疹ウィルスの抗体が病原性風疹ウィルスにも効果を発揮しているようだから良いかもしれないが、弱毒性風疹ウィルスが突然変異でできたウィルスであるのと同様に、今後、病原性ウィルスが他の変異を起こした場合、弱毒性風疹ウィルスから構造が遠ざかった変異だと、ワクチン接種により得られた抗体では効力が発揮できない可能性はある。
つまり、ワクチン摂取は、将来にわたる感染リスクがないことを「保障」しているわけではない、ということだ。
実際、現在のワクチン摂取でも抗体がつくられない人は、摂取者の5%程度いる、といわれている。
小さい頃に、ワクチンの摂取を受けた女性が、妊娠前に検査をしたところ、抗体がすでに無かった、という報告もあり、自然獲得した免疫と比べると、ワクチン接種による免疫は「寿命」が短いのも気になるところではある。

次に、風疹が抱える問題点について考えてみたいが、長くなるので、続きは明日にしたい。

                                    
おまけ★★★★博士のつぶやき

ワクチンの添付文章を読むと、「風疹のワクチンを摂取することで約20%の被接種者の咽頭拭い液からウィルスが認められた」と書いてある。
もちろん2割のワクチンを受けた人が、喉からウィルスを排出している状況にあるとしても、他者への感染はウィルスの量が一定量以上ないと起こらないわけじゃし、そもそもそこで万が一に感染したとしても病原性の風疹ウィルスではなく、弱毒性の風疹ウィルスが感染するわけじゃから、深刻な問題とはならんじゃろう。
ただ、極端なことで考えると、接種により感染した弱毒性風疹ウィルスが、元の病原性風疹ウィルスに、再び「突然変異」を起こすこともあり得る。
ワクチンを接種することは、わずかじゃが、リスクを抱えておることも知っておいた方がよいじゃろう。