ヒトは90%が細菌?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

    
アレルギーの原因の一つに「公衆衛生」の発達による「清潔すぎる環境」が関わっていることは知られています。
ヒトの細胞は約10兆個ですが、実際にヒトに生息している細菌は100兆個で、極端な言い方をすればヒトの90%は「細菌でできている」といってもよいようです。

                                                             
●体にすんでいる細菌のマッピング
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130617-00010008-wired-sci

医療生態学は、わたしたちの体にすむ細菌の生態系を解明し、保護することを目的としている。こうした細菌が西洋式の生活スタイルと医学によって危機に晒されているためだ。しかし、細菌はわたしたちそのものなのだ。いまや「第二のゲノム」と呼ばれている。現在、「Human Microbiome Project(人体菌群計画)」(Human Genome Projectの自然な延長といえる)は、貢献を望む人には誰にでも扉を開いている。
 

わたしたちは10%しか「人間」ではない
 
アマゾンの熱帯雨林やアフリカの部族はしばらく脇に置いておこう。わたしたちが多様性に関して何よりも保護しなければならないものは、もっと内側にある豊かさだ。それはわたしたちのお腹の中、口の中、肌の表面、ヴァギナの中にもすんでいる微生物のことだ。わたしたちがどんな人間であるかは、彼ら次第なのだ。
 
いままでに、1人の人間にすんでいる細菌は約100兆いることが突き止められている。つまり、わたしたちを構成している細胞のうちわずか10分の1しか本当の「人間」ではないということになる。その他の10分の9はほかの生体に属する。これらはごく稀にしか病気の原因にはならないが、これらの組成がわたしたちを左右している。わたしたちが痩せているか太っているか、健康か病気であるか、恐らくは愛想がいいか悪いかも彼ら次第だ。しかし理由はまだよくわかっていない。ただ、その存在をマッピングすることで、わたしたちはようやく人間のDNAの完全な地図を手に入れることになると言えるだろう。
 
それだけではない。親から受け継ぐ遺伝的財産が不変であるのに対して、細菌の財産は変えることができる。運命を書き直すことができるようなものだ。誕生の瞬間、わたしたちは母親のヴァギナから重要な細菌を獲得する。そしてわたしたちが生きている場所、通った場所、時には体を洗う場所などで獲得する細菌も、すべてが競ってわたしたちをつくり上げ、またつくり変えている。
 
しかし、この財産は現在でもまだ(よりいっそう無益に)抗生物質によって撲滅されている。抗生物質は細菌の全集団を根絶やしにする薬だが、間違いなくわたしたちの「不潔」に対する態度と合わせて、再考する必要がある。

(中略)

「わたしたちはもっと控えめに自分自身のことを考えるようになるでしょう」と、スタンフォード大学の微生物学者、ジャスティン・ソネンバーグは『ニューヨーク・タイムズ』紙に説明している。「そして、なぜわたしたちの内部の生態系の多様性を失うこと(もしくは体内の細菌が変化すること)で、慢性病、アレルギー、感染症にかかるのかもわかるでしょう」。
 
そのうち、わたしたちは現在治療不可能な病気を治すために排泄物(もしくは粘液や垢)の移植を利用するようになるだろう。そして健康な排泄物は病気にかかった環境(腸、喉、耳)を治療するのに「適切な」微生物をもたらすだろう。これは、抗生物質に耐性のある腸の病原菌、クロストリジウム・ディフィシルによって引き起こされ、毎年1万4,000人のアメリカ人を死亡させる病気を治療するのにすでに用いられて、成功を収めた。
 
確かなことは、西洋の微生物群はすでに貧相なものになっていて、文明化、間違った食生活、殺菌を行う生活スタイルによって深刻に損なわれているということだ。従ってより健康でより幸福になるための第一歩は、わたしたちの友人である微生物の生態系を尊重することを学ぶことだろう。
                                                                

免疫機能は、獲得・成長する機能とも言えます。
もし、一切、外敵(有害な細菌やウィルス、無害な細菌)のない環境下におかかれれば、それらの外敵に対する抗体を作る力、つまり免疫力を獲得することはありません。
有害・無害を問わず、そういった「外敵と出会う」ことで、ヒトの体の免疫力は成長しているといえます。
同時に免疫機能は、バランスの上に成り立ってもいますから、一定の機能(外敵に対する抗体を作り出す力)が働かなくて良い環境は、他の機能(自己に対する免疫)の働きを増強させることにつながり、Th1とTh2のバランスの異常がアレルギーを発症させているという説は根強くあります。

また皮膚表面が「健康な状態」を保てるのも、健常な皮膚に分布している表皮ブドウ球菌の「排泄物」のおかげであることも分かっています。

こうして考えていくと、私たちが普段求めている「清潔な環境」は、ヒトの体にとってみれば、決して「理想郷」でないことは確かでしょう。
もちろん、有害な細菌やウィルスが蔓延している環境が良いわけではありませんから、清潔な環境を保つことが不要なことではありません。
しかし、ヒトの体の「健康」は、こうした「共生している細菌」の働きにより保たれていることも忘れていはいけないのかもしれませんね。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

地球環境でみても、食物連鎖を崩すような環境破壊は、いろいろな弊害をもたらしておるように、体も「一つの環境」であることを考えると、記事にあるような体の細菌マップを崩さぬようにしておくことは、大切なことかもしれんの。