菌との共生、真菌の話

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

  
連日、ブログを担当します。

さて、腸内環境は、腸内に住みつく乳酸菌などの菌群が健全な群層を形成することで、有害な菌の増殖を防いで、腸内環境を良い状態に保っています。
皮膚も同様で、見た目には分からずとも、健常な皮膚においては、害にならない表皮ブドウ球菌が群層を形成することで、有害な黄色ブドウ球菌やヘルペスウィルスなどの細菌やウィルスの増殖を防いでいます。

同様に、「真菌」も通常、体に住みついている菌ですが、こういった群層でヒトとの共生を図っている面があるようです。
 
  
●人間の足には100種の真菌が生息
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000001-natiogeog-sctch
 
われわれの体には菌類(真菌)が生息している。100種もの異なる真菌だ。しかも、そのほぼすべてが足をすみかにしているという。
真菌が生息することが知られる他の身体部位、例えば耳の後ろや手の平などからは、わずか数種の真菌しか見つからなかった。人体に生息する真菌の“地勢”をこれまでで最も徹底的に解析した最新研究の結果だ。
近年、人体に生息する小さな生き物たちが盛んに研究されているが、そのほとんどは真菌ではなく、研究しやすい細菌を対象にしている。真菌はごく最近までDNA解析が困難だったと、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の組織でメリーランド州ベセスダにある米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)の上級研究員ジュリー・セグレ(Julie Segre)氏は述べる。
「われわれ人間の細胞は細菌や真菌と共生している。人間の体が1つの生態系になっていると思われる」と話すセグレ氏は、自らを未知の土地の地図を作る探検家にたとえる。
ちょうど「新しい土地を探検するような感覚で、われわれは耳の後ろや足の爪といった未知の領域に分け入って調べている」。
人体に生息する真菌の地図を作ることは、おおむね害のないそれら真菌群集が有害化し、例えば感染症を引き起こすのを防ぐ上で役立つ。真菌が有害化する原因はわかっていない。
真菌感染症は、アメリカで最大2900万人が発症している。ほとんどは足白癬(水虫)、爪真菌症、白癬(いんきんたむし)だとセグレ氏は言う。足の健康は、特に高齢者にとっては健康全般を左右する非常に重要な問題だ。
 
 
◆足を好む真菌
  
研究において、セグレ氏と共同研究者のハイディ・コン(Heidi Kong)氏は、ワシントンD.C.エリアに住む健康な被験者10名を集め、体と腕にある真菌の“ホットスポット”から綿棒で標本を採取した。その場所は、背中、手の平、肘の裏、外耳道、眉間、脚の付け根、胸骨上部、鼻の穴、後頭部、前腕、耳の後ろの計11カ所だ。
さらに、足の3カ所、かかと、足の爪、足指の間からも標本を採取した(足の爪は切って採取)。
チームは採取した標本をそのまま、ヒトゲノム計画の技術による高度なDNA解析装置にかけ、体のどの部位にどんな種の真菌が生息しているかを調べた。
その結果、ほとんどの身体部位はマラセチア属の数種が独占していたのに対し、足には80~100種の真菌が生息していた。その数は足の各部で異なり、かかとは足の爪よりも多くの種が生息していた。
なぜ真菌は足を好むのか? 足は体の一番下にあるため、体の他の部分に比べて温度が低く、低温を好む真菌にはより住みやすいのだとセグレ氏は指摘する。また、爪真菌症を有する被験者の真菌群集を比較したところ、人によって真菌の種の組み合わせが異なっていたという。
すべての人に効く万能な治療法はなく、足の真菌感染症の治療が難しいのはこれが原因かもしれないとセグレ氏は述べる。今回の研究は爪真菌症の異なる種類を特定するのに役立ち、より効果的な抗真菌治療につながる可能性がある。
 
  
◆微生物の庭で
  
といっても、人体に生息する真菌をすべて殺してしまうのが最善策とは限らない。真菌には病原微生物が皮膚に付着するのを防ぐ重要な役割もあることを、セグレ氏は強調する。
「文化の皮肉な一面だが、人間は有益な微生物を腸内に住まわせたがる(一方で)、体の表面は殺菌したがり、皮膚に生息する細菌や真菌を忌み嫌う」とセグレ氏は言う。
微生物は油を分解し、天然の保湿効果をもたらす。われわれがローションを体に塗るのは、実際には「微生物の“庭”に肥料をやっていることになる。微生物は成長するのに油を必要とする」とセグレ氏は述べる。
イリノイ州にあるアルゴンヌ国立研究所の環境微生物学者ジャック・ギルバート(Jack Gilbert)氏は、今回の研究はわずか10名の成人被験者を使った、あくまで予備的な調査だと指摘する。したがって、「そこから一般論を導きだす」のは時期尚早だとしながらも、「微生物の動態を考えれば文字通り先駆的な研究だ。そこにはこれまで誰も目を向けてこなかった」とギルバート氏は話す。同氏は今回の研究には参加していない。
今回の研究は、「病原菌やその他の(人間と共生する)生物が、どのようにしてわれわれを他の生物から守ったり、疾病を引き起こすのかを理解するための重要な第一歩」だとギルバート氏は述べた。
真菌感染症を防ぐためにわれわれが実践できる手だてもある。例えばスポーツジムを利用している人に対して、湿気が多く真菌が繁殖しているロッカールームのシャワーを使用するときに、他の利用者と真菌の交換をしたくないなら「サンダルを履いていたほうがいい」とセグレ氏はアドバイスしている。
 
今回の研究は、「Nature」誌オンライン版に5月22日付で掲載された。
   

興味深いのは、足には誰もが100種類以上の真菌を持っていること、また真菌群がフローラを形成することで病原性の細菌やウィルスから、肌を守っていることでしょう。
これまで、健全な皮膚の群生は表皮ブドウ球菌によりなされると考えられていましたが、今回の記事から、真菌群も皮膚を守る健全な群生を担っていると考えてよいのでしょう。

また、菌相に何らかの変化がもたらされたとき、水虫など真菌による疾患を発生すると記事にあることから、「良い菌を育てる」ことも、「健康」という観点からみらば、大切な要因と考えられるのでしょう。

最近は、さまざまな抗菌グッズも増えています。
清潔な環境は、多くの感染症から社会を守っていることから、必要なことではありますが、個々人のレベルで「健康」を考えた場合、「菌と共生する」ことも考えていく必要はあるのではないでしょうか?

   
おまけ★★★★博士のつぶやき

ヒトが生理的に必要なものが、イメージの問題などで不要とされるものは意外と多い。
今回の記事にある「菌」などもその一つじゃろう。
腸内環境における「乳酸菌」は有益とされておるが、肌に対しては、菌がいないことが良いという考え方をしておることも多く見受ける。
目に見えないところの「活動」の有益性を考えることも大切なことじゃろうの。