そろそろ梅雨の時期の注意を(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

  
今日は、今回のテーマの最後で、感染症に対する「対策」について見ていきたいと思います。
  
  
●対策について
  
どのように注意を払っていても、感染症に罹ってしまうことはあります。
特に、ステロイド剤やプロトピック軟膏を使っている方は、健常なお肌の状態を保てている間はまだ良くても、生活面による悪化要因で、掻き壊しを「作ってしまう」ことで、元々皮膚の免疫力を落としている状態があったからこそ炎症を抑え、痒みを抑えられていたわけですから、いったん掻き壊しで皮膚の表面的な防御力が低下してしまうと、一気に感染症が広がる、ということがあります。

一昨日に述べたように、病院での感染症に対する治療の基本は、原則として「抗生物質(細菌が原因の場合)」「抗ウィルス剤(ウィルスが原因の場合)」となります。
実際の治療の現場では、塗り薬ではなく服用としてこれらの薬剤が処方され、塗り薬そのものは、炎症を抑えることを優先してステロイド剤が使われることが多いようです。

痒みと炎症(特に炎症は掻き壊しによる炎症と感染症による炎症の両方)をステロイド剤で抑えている間に、服用した薬剤の手助けを借りて、感染症そのものを対処することができれば良いのですが、生活面のマイナスを強く抱えていると、炎症の度合いが強くなり、掻き壊しの範囲が広くなることで、「抑える」「悪化する」両方の要因が拮抗してしまい、症状が長引くことがあります。

元々、薬剤を使用している方の場合、免疫力を抑える、以外の問題として、それらの薬剤が、健常な皮膚を覆う表皮ブドウ球菌もやっつけてしまうことで、悪い菌が繁殖しやすい環境を作っていますから、多かれ少なかれ何らかの感染症は併発しています。
したがって、「何かのきっかけ」が生じると、そこから元々あった感染症を「悪化」させることも考えられる、ということになります。

したがって、「ステロイド剤やプロトピック軟膏を使いながら、ジュクジュクした炎症が広がっている」という場合には、十分な注意を払うことが大切でしょう。
また、その際には、さらなる「免疫抑制系の薬剤の使用」は、炎症を抑えるベネフィット(効果)と共に、感染症を悪化させるリスクを抱えていることを分かった上で、医師に相談するようにしましょう。

基本的な感染症の治療は、病院での治療にゆだねるとしても、日頃のケアは大切になります。

まず、「感染症」という状態を解決できるのは、自らの免疫力に他なりません。
確かに、薬剤を効果的に使うことは有効な手段ですが、あくまで「補助」です。
薬剤は、感染症の原因となる「菌」や「ウィルス」の増殖を抑えることはできても、根絶やしにすることはできないからです。
そういった点を考えると、まず大切になるのは、自分の免疫力を高める方法です。
具体的には、睡眠と食事になります。
十分な睡眠を確保し、ビタミンやミネラル(無機質)が多い食生活を心がけるようにしましょう。

もう一つは、「保護」です。
包帯やリント布などで、感染症の部位を覆うことで、擬似的な皮膚を作り出すことになり、お肌の保護に役立ちます。
注意点は、昨日の予防のところで述べたように、「汗」で蒸れないような注意をするようにしましょう。

最後は、スキンケアです。
最近は、殺菌の力を持つスキンケアアイテムもあるようですが、悪い菌を殺せるアイテムは、皮膚に必要な良い菌も殺してしまいます。
肌にとって自然な環境を保ち、角質層の機能が低下しないようなスキンケアを心がけましょう。
具体的には、これからの季節を考えれば、べたつきが少ない、ローション系、ジェル系のアイテムを中心に、掻き壊しが強くお肌に浸みたり、あるいは掻き壊しの傷みが強い場合には、オイル系のアイテムで保湿、保護を行う、そして使用するアイテムは、グリチルリチン酸のように免疫を抑制する成分や、殺菌の成分が含まれたアイテムを避けるようにしましょう。

今日、述べた対策は、あくまで感染症にかかった後のことになりますから、今、注意することは昨日書いたように「予防」的な生活をしっかり意識しておくことです。
感染症に「罹らない」ように十分注意して、梅雨の季節を乗り越えるようにしましょう。

    
おまけ★★★★中田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方へのスキンケアアイテムとしては、グリチルリチン酸を配合したアイテムが増えているように思います。
基本的に、グリチルリチン酸がアトピー性皮膚炎の炎症に「効果」があるとされるのは、免疫抑制作用で、その作用機序は、弱いとはいえステロイド剤と変わりはなく、「感染症」への対策としては、ステロイド剤を使用した場合と同じリスクを抱えることを忘れないようにしましょう。