好塩基球とアトピー

東です。

 

 

 

 

 

 

 

  
先日、京都大学のグループが、アトピー性皮膚炎の発症に関する論文を発表した記事が出ていましたので、紹介したいと思います。

 
●アトピー性皮膚炎の発症に白血球が関与 京都大グループが解明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130424-00000533-san-soci
 
アトピー性皮膚炎が発症するメカニズムに、白血球の一種が大きく関与していることが、京都大大学院医学研究科の椛島健治准教授(皮膚科学)らのグループによる研究でわかった。英科学誌・ネイチャーコミュニケーションズ電子版に23日、掲載された。
椛島准教授は「アトピー性皮膚炎で苦しむ患者は多く、将来的には新しい効果的な治療法の開発につなげたい」としている。
 
椛島准教授らのグループは、通常のマウスと、「好塩基球(こうえんききゅう)」と呼ばれる白血球の一種がない特殊なマウスを使って実験。アトピー性皮膚炎を引き起こす薬品をそれぞれの皮膚に塗ったところ、好塩基球がないマウスはアトピー性皮膚炎をほとんど発症しなかった。
通常のマウスでは、好塩基球が別のリンパ球に作用してアレルギー症状を起こす物質を出させている可能性が高いという。薬剤や金属に対するアレルギーでも、同様のメカニズムが関係しているとみられる。
好塩基球は血液中にごくわずか存在するが、これまでほとんど性質がわかっていなかった。好塩基球の働きをコントロールすることで、アトピー性皮膚炎の発症を抑える薬の開発などが期待されるという。

  
他のサイトで同記事を読むと、アトピー性皮膚炎の発症誘因を検討し、ダニなどのタンパク抗原によって誘導されるタイプと、金属やハプテン抗原(単独では抗原としては働かない抗原)により誘導されるタイプに分けて調べたところ、後者の方に好塩基球が関わっていることがわかった、ということです。
したがって、記事の最後にあるように「アトピー性皮膚炎の発症を抑える」とありますが、正しくは、「一部のアトピー性皮膚炎(ハプテン抗原が関与するアトピー性皮膚炎)の発症を」ということになると思います。

ただ、以前とは違い、アトピー性皮膚炎を単独の疾患と捉えるのではなく、多様性の原因により発症する疾患として研究が進められていることは、今後、幅広い分野での研究につながってくれるものと期待できるように思いました。

  
おまけ★★★★博士のつぶやき

今回の研究は、どちらかというと「結果」に対するもののようじゃ。
つまり、なぜハプテン抗原に対して反応したかを突き詰めていくのではなく、ハプテン抗原に対して反応している場合には好塩基球が関わっておるから、この部分での抑制などにより発症を抑えようという考え方じゃな。
風邪で熱が出た例で考えると、風邪はひいたが熱は出ないようにしよう、ということじゃ。
できれば、なぜハプテン抗原に反応したのか、という根本的な部分に対しての研究もおこなわれて欲しいものじゃ。