【Q&A】ステロイド剤はいつまで蓄積するのか?(1)

4月も後半じゃが、先週後半は、寒さが増しておったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
他のスタッフも書いていたように、寒暖の差による症状の悪化には十分注意して欲しいと思う。

さて、今日は、ブログのコメント欄にいただいたご質問にお答えしたいと思う。

 
●Hさんのご質問

10年位前に脱ステした者なのですが、最近また症状が出て悩んでいます。
良く使ったステロイドは皮膚に酸化コレステロールとして蓄積されると聞きますが、10年経っても排出されない場合もあるのでしょうか?
また、どの様にしたら早く排出されるのでしょうか?
教えて下さい。宜しくお願いいたします。

   

Hさん、こんにちは。
まず、外用剤のステロイド剤は、皮膚に塗布した場合、どのように作用するのかを考えてみたい。

外用のステロイド剤自体は、クリーム状か軟膏状のものが多い。
一部、ローションやジェルなどもあるが、ほとんどがクリーム、軟膏と考えてよいじゃろう。
クリームの場合には、ワセリンなどの油分とステロイド剤の成分、そして水分が乳化剤で入荷され安定している状態じゃ。軟膏の場合には、ワセリンにステロイド剤が練りこまれておることが多い。

まず、軟膏を皮膚に塗布すると、油脂部分は皮膚に分子量も大きく、角質層をそのまま通り抜けることはなく、皮膚表面に伸ばされて覆うことになる。クリームの場合は、含まれた水分は角質層内に侵入しようとするのじゃが(健全な皮膚の状態では侵入されない)、皮膚が掻き壊しなどのダメージを受けている場合には、ダメージの状態に合わせて角質層内、場合によっては真皮まで水分などが到達することがある。
よく、軟膏はしみないけどクリームは浸みる、という声があるのじゃが、これは、軟膏は水分を含まないため、皮膚に浸透せず、クリームは水分などの成分が皮膚に浸透しようとした際、そこにダメージがあると「浸みる」という感覚を得ることになるからじゃ。

とはいえ、いずれにしろ、基本としてはクリームや軟膏の主たる構成成分は、皮膚表面にとどまることになる。
では、ステロイド剤の成分は、どのように皮膚から浸透して、炎症を抑えられるのかと言うと、皮膚表面にある受容体から吸収されるのじゃ。

受容体から皮膚内に侵入した副腎皮質ホルモンの成分は、その骨格にステロイド基を持つため、脂質となじみやすい性質を持っておる。
そのため、炎症部位で働く他に、角質層(細胞間脂質などに)や皮膚下の脂肪などに一部が蓄積される。また、炎症部位で使われたあとに酸化コレステロールとなって、同様に蓄積されるとも言われておる。

とはいえ、ホルモン=血液内情報伝達物質、という働きが主なものじゃから、脂肪層にそのままとどまった状態になるわけではない。また、酸化コレステロールとなった場合も、皮膚表面から排泄もされる。
じゃが、どうしてもその一部が残留してとどまるケースはあるようじゃ。

1972年に行われた実験の論文では、健常な肌にステロイド軟こうを塗布、さらに16時間、密封したところ、その後、2週間後に塗布した部位の血管収縮作用(ステロイド剤の作用)が認められた、という報告がある。

したがって、反復継続して使用した場合には、どうしても中断直後には、「残りやすい」状況になっておるようじゃ。

では、Hさんのご質問の本題である、どれくらいの期間、ステロイド剤は皮膚や皮膚下で残留しておるのじゃろうか?

長くなるので、続きは明日じゃ。

   
おまけ★★★★東のつぶやき

今日、博士が書いていた蓄積に関するデータなどは、下記の特集で載っていますので、ご覧ください。
●ステロイド剤でアトピーは治せない
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=47