【Q&A】薬剤で抑えること、休職することの選択(4)

今日は、Q&Aの最後のまとめじゃ。

 

 

 

 

 

 

  

昨日までで、いろいろな側面を含めて、薬物での治療、脱ステでの治療について述べてきた。
それぞれのメリット、デメリットを踏まえた上で、どのような考えていくことが良いのかを考えたい。

基本的には、初日に述べたように、Nさんが「アトピー性皮膚炎を治すこと」を目標に考えておるのか、どうかという部分が大きい。
もちろん、ステロイド剤によるメリットを十分に享受できている段階であれば、薬物治療が間接的にアトピー性皮膚炎の治癒に役立つ部分も大きい。
じゃが、Nさんのように長年、薬物治療を続けてきて、さらに強いステロイド剤でも症状が抑えきれない状況になっている場合には、ステロイド剤によるメリットだけではなく、デメリットの部分も考えることが必要になってくる。
ステロイド剤での治療を選択する場合には、「症状を一時的に抑える治療」と、今後、受けた治療によるデメリットの可能性を比較して考えなければならんじゃろう。
また、「脱ステ」を選択した場合には、一時的に低下すると考えられるQOLの部分を甘受できるかも考える必要はあるじゃろう。

いずれにせよ、生活面を含めた現実の問題を踏まえた上で、「アトピー性皮膚炎を治すこと」を目標に治療していくのか、「生活を維持させること」を優先していくのかを、考える必要がある。

当然、これらは二者択一、という問題ではない。
ステロイド剤での「症状を抑える治療」にも、十分な意味合いはあるし、Nさんの症状を踏まえた上でデメリットが極力生じないように医師は治療してくれるじゃろうし、あるいは脱ステも、もしかすると大きなリバウンドが生じずに乗り越えられる可能性もある。

じゃが、これらはいずれも、残念ながら、「確約された未来」ではない。

薬物治療を行う医師も、脱ステを行う医師も、それぞれの治療による「患者側の利益」を考えて行ってくれるわけじゃが、受けるであろうリスクについては、「可能性」の段階で留めることが多く、結局のところ、それらのリスクが「万一」生じた際には、それを受け止めるのは、事実上、全て「患者」ということになる。

現在のNさんの状況(薬物治療を受けながら繰り返し症状が再燃し、さらに悪化している状況)を考えると、服用や注射など効果は高いがハイリスクな治療を選択するのであれば、他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞いた方が良いじゃろうし、脱ステを選択する場合、一時的なQOLの低下を前提に、回復までには一定期間の「時間」が必要になることを考えた方が良いじゃろう。

いずれにしても、治療を行う医師と、その治療によるリスクとそのリスクについてどのように回避していくことを考えているのかを十分納得できるように説明を受けるようにした方が良いじゃろう。

あとぴナビでは、基本的に「薬物治療」をアトピー性皮膚炎の第一選択肢に考えることは、薬物治療が直接アトピー性皮膚炎を治しているのではないことから、賛成ではない。
もちろん、これはケースバイケースであることは確かじゃが(短期の薬物治療はリスクが少なく行えることもあるため)、少なくとも薬物治療が長期化している状況にあると思われるNさんの場合には、これから行う薬物治療によるリスクは、かなり高いと考えられるからの。
ただ、まずは症状を抑えて生活を優先させる必要がある場合、リスクがあることを承知の上で薬物治療を行うことも選択肢の一つではある。

難しい問題ではあるが、Nさんが思い描く治療の終着点を「症状を抑えながら生活すること」に置くのか、「薬物に頼らず症状をコントロールすること」に置くのかによって、変わってくることじゃろう。

ただ、いずれの治療法においても、「アトピー性皮膚炎を自分で抑える力」は誰しもが持っており、それを高めるヒントは生活の中にあること(睡眠、食事、運動など基本的な生活を良い状態で構築すること)は忘れないようにして欲しいと思うの。

Nさんがいち早く回復されることを祈っておる。

   
おまけ★★★★博士のつぶやき

右か左か、というような結論が出せずに申し訳ないが、長期間薬物治療を行ってきた方の場合、アトピー性皮膚炎の克服をめざす、ことだけを考えれば、薬物治療に頼らないことの方が良いのじゃが、脱ステを行うことで生じるリバウンドの状況が、生活を維持させて行く上で、許容できるレベルにとどまるかは、実際に脱ステを行うしかないところが、難しいところと言えるじゃろう。