花粉症の薬とアトピー

こんにちは。南です。

 

 

 

 

 

 

 
さて、昨日は東さんが今年の花粉に関するブログを書いていましたが、たまたまですが、花粉症に関する相談がありました。
内容は、「今月に入ってから、天気の良い日に外出すると、鼻がムズムズして花粉症の症状が出始めたように感じる。毎年、花粉症の症状が出始めると、アトピーの症状も悪くなる傾向があって、今年もその兆候が見え始めている。そこで、病院にいったら抗ヒスタミン剤の飲み薬を処方されたが、アトピーに対して何か影響は大丈夫なのか?」といったものでした。

花粉症は、鼻腔における粘膜での花粉に対する免疫反応から生じたヒスタミンが、鼻腔内において炎症を生じさせることで起きます。
そこで抗ヒスタミン剤とは、花粉症の免疫反応が起こったあとに作られたヒスタミンが反応(炎症を生じさせないように)しないように、ヒスタミンをブロックする薬剤です。
つまり、「花粉症」で考えると、花粉症の主原因といえる「免疫反応」に対して抑えているのではなく、花粉症が起きた後で、「鼻水」という「症状」をブロック(抑える)する薬剤、ということですね。

これに対して、抗アレルギー剤は、花粉が鼻腔内の受容体から体内に侵入して免疫反応を防ぐために受容体をブロックする薬剤で、ステロイド剤は、免疫そのものを抑える薬剤です。
まとめてみると、

 
●ステロイド剤
花粉が体内に入るのはブロックしないが、花粉が反応するための免疫を抑えているので炎症を生じさせるヒスタミンが作られない
 
 
●抗アレルギー剤
花粉が体内に入らないように、受容体をブロックする。ただし、体内の花粉と反応する免疫活動はいつでもスタンバイしている状態

 
●抗ヒスタミン剤
花粉が体内に侵入して免疫とも反応は終わっているが、炎症を生じさせる免疫が作り出したヒスタミンをブロックすることで症状が出ないようにする
ということになります。

 

 

花粉症の経過別での対応を考えると、最初は抗アレルギー剤(花粉の侵入)、次がステロイド剤(侵入した花粉に対する免疫反応を抑える)、最後が抗ヒスタミン剤(免疫反応の結果生じたヒスタミンを抑える)の順番、つまり3種類の「防護壁」を薬剤が担っている、ということになるでしょう。
一般的な花粉症の薬としては抗アレルギー剤+抗ヒスタミン剤が複合したもの、あるいは三つが複合したものが使われることが多く、単独ではなく複数の防護壁の役割を持っていると言えます。

薬剤が生体に及ぼす強さでいうと、防護壁の強固さは、ステロイド剤>抗ヒスタミン剤>抗アレルギー剤、という順番です。
そして、体に対するマイナスの影響も、この順番で強くなります。
つまり、花粉症に対する効果も強いものはリスクも高くなる、ということです。
もっとも、花粉症の場合、花粉の飛散時期に限定されるため、長期連用されることはなく、薬剤による影響は軽微なことが多いと言えます。

しかし、ステロイド剤の場合、内服か注射で行われるため、アトピー性皮膚炎に対するステロイド剤の塗布とは違い、体内への吸収の度合いは高く、リスクはかなり高いため、十分な注意が必要でしょう。
最近では、耳鼻科において花粉症が始まる時期の前に、ステロイド剤の注射を行うところもありますが、アトピー性皮膚炎の方の場合、用いられたステロイド剤はアトピー性皮膚炎の症状に対しても「高い効果」が期待できますが、同時に「リスク」も高い状態で心配です。

抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤は、まだリスクも高くなく、限定された時期のみの仕様であることを考えると、アトピー性皮膚炎に対して悪い影響が強く出ることは考えづらいのですが、ステロイド剤を花粉症の治療として用いる場合、相応のリスクを抱えていることを忘れないようにしましょう。

  
おまけ★★★★博士のつぶやき

抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤は、確かにマイナスの影響は少ない薬剤ではある。
花粉症のようにヒスタミンが主たる要因となる場合は、その「効果」は比較的高く期待できるが、アトピー性皮膚炎のように、複数の痒みを生じる原因がある場合、その効果も限定されたことが多く、またヒスタミンは体の中で必要な化学伝達物質でもあるので、全てを抑えることはできん。
つまり効果も弱い、ということじゃな。
薬剤を使用する場合、薬剤に期待したい効果と、効果が及ぼす範囲については、ある程度知っておいた方が、リスクの軽減にはつながってくるじゃろうの。