アレルギー抑制の新しい経路の発見

東です。

 

 

 

 

 

 
今日は、先日発表されたアレルギーに関する研究報告を紹介します。

 
●アレルギー抑制の新しい経路を発見。
免疫記憶の研究を疾患の解明や治療につなげる
http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/278
 
生き物に欠かせない免疫システムは、一方で、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こす諸刃の刃だ。

千葉大学大学院医学研究院の中山俊憲教授(免疫発生学)らのグループは、 最近、ヘルパーT細胞の一種でアレルギーに関連するTh2細胞の産生や機能を転写因子Sox4が抑制することを見出した。Sox4が関わるアレルギーの抑制経路はこれまで知られておらず、今後新たな治療法や予防法に結びつくことが期待される。これは科学技術振興機構(JST)の課題解決型基礎研究支援プロジェクトCREST「炎症の慢性化機構の解明と制御に向けた基盤技術の創出」などによる成果だ。

B細胞に抗体を作らせるなど免疫の指令塔として働くヘルパーT細胞は細胞表面にCD4抗原を発現しており、産生するサイトカインの種類によってTh1とTh2、Th17のサブセットがある。アレルギーはその発症や増悪に関連するサイトカインIL-4、IL-5、IL-13を産生するTh2細胞が優位になったときに起こると考えられている。一方、さまざまな組織から産生されるサイトカインTGF-βはT細胞の増殖や活性化を阻害するなどの働きを通じて炎症を抑制し、Th2細胞由来のアレルギーも抑えることが報告されている。しかし、TGF-βがなぜTh2細胞を抑制するのか、そのメカニズムは不明だった。

中山教授らはTh2細胞にTGF-βを作用させることで誘導される遺伝子を検索し、Sox4を同定。アッセイ系でSox4がTh2細胞の増殖や活性化を抑制することを確認した後、卵白アルブミンで喘息を起こすモデルマウスからT細胞特異的にSox4を過剰発現させたトランスジェニックマウスとSox4を欠損したノックアウトマウスを作製、卵白アルブミンを与えて比較したところ、トランスジェニックマウスではアレルギーの症状がほとんど出ず、ノックアウトマウスでは症状が悪化した。

さらに、Sox4はTGF-βによって発現が誘導されるだけでなく、抗原(アレルゲン)の刺激によって発現が抑えられること、またTh2細胞が分化するときに働く転写因子GATA-3にSox4が直接結合してGATA-3の機能を抑制し、Sox4がTh2細胞の産生を阻害すること、アレルギーを起こすサイトカインIL-5をコードする塩基配列に結合し、アレルギーの発症を抑えていることもわかった。「Sox4によってTh2細胞の産生や活性を抑えることができれば、ステロイドが効かないような難治性のアレルギーの治療になるかもしれない」と中山教授は話す。

(以下、省略)

 

このあと、ガンに対する話が載っていますが、全文は長いので、省略しています。
興味のある方は、リンク先でご覧ください。

TGF-βがヘルパーT細胞に影響を与えることは、これまでの研究でも知られていますが、今回は、そこに転写因子Sox4が関わることで、抑制の仕組みが分かってきた、ということです。
アトピー性皮膚炎の原因は、免疫機能の異常だけではありませんので、一方向における解決策の模索になりますが、この研究は、これからのアレルギーの抑制に対する研究の中心になってくるようにも思います。

これからの研究に期待したいですね。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

 

こういったアレルギーに関する研究の報告は、1カ月に何度かは見るようじゃ。
それぞれの研究者がテーマを持って行っておるので、難しいとは思うが、それらの研究には相互間の関連性を追求することで、元の研究がより進む、といったこともあるじゃろう。
いくつもの研究機関が集まって、次の研究がさらに進むような仕組みも考えて欲しいものじゃの。