妊娠中の注意点(2)

今日は昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 
妊娠されている方自身が、アトピー性皮膚炎であった場合の生活の注意点について書きたいと思う。

まず、ステロイド剤などの薬物の使用による胎児への影響じゃが、これまで妊娠中にステロイド剤を使用された方が、生まれてきたお子さんへの身体的な深刻な影響が現れた、というケースはなく、基本的には処方する医師の指示に従った方が良いじゃろう。
もちろん、ステロイド剤がアトピー性皮膚炎に対するリスクは状況の差はあれ、あるわけじゃが、痒みによる不眠や体調の悪化の方が、母体に対して影響が強いこともあるからの。
おそらく、薬による胎児への影響が生じたケースは、薬である以上、何らかの報告はあるのかもしれんが、基本的に妊婦への薬剤の臨床試験は許されておらんため、詳細は分からんし、実際にそういったケースが会員の方であった、ということもないので、かなり稀な例と言えると思う。
これは、ステロイド剤以外の薬剤も同様じゃの。
頭痛があった際の頭痛薬、風邪を引いた際の抗生物質、そういったものも、できるだけ母体の状況を把握できる主治医の先生に相談されることをお勧めしたい。

次に生活面じゃが、妊娠中は、妊娠による体調の変化、女性ホルモンの関係、ストレスなどにより、アトピー性皮膚炎の症状が悪くなる方は多いようじゃ。
とはいえ、昨日も述べたように、母体は胎児の成長を優先する身体の働きになっておるため、アトピー性皮膚炎を改善させるために通常行って欲しい、運動や入浴などの代謝を高める行動は、妊娠の期間にもよるが、あまり良くない時期もある。

そこで、とりあえず毎日の生活の中で心がけて欲しいのは「睡眠」じゃ。
睡眠による自律神経と内分泌への影響は大きいものがあるからの。
もちろん、痒みよって夜眠れないときもあるかもしれん。
そういったときは、日中でも良いので眠れるときに睡眠をとることも大切じゃろう。
一般のアトピー性皮膚炎の方の場合、昼夜逆転することは、内分泌のリズムから良くはないため、できる限り昼は起きて夜、眠れるようにすることをお話することは多いが、それを実行した場合、体力的な負荷が大きいケースがある。
妊娠中は胎児のことを考え、体調的な悪化をできる限り避けるため、睡眠の確保を優先的に考えた方が良いじゃろう。
なお、夜の不眠があまり続き過ぎると、完全な昼夜逆転のままでは良くないこともあるので、そういった状況の際には、主治医の先生に一度、相談するようにして欲しいと思う。

そしてもう一点の注意点は「身体を動かすこと」じゃ。
お腹に赤ちゃんを抱えておるため、妊娠期間が進めば、体の各所に負荷が多くなり、行動自体が行いにくい状況もあるかもしれんし、バランスがとりづらいこともあるじゃろうから、転倒などの事故に対しては十二分に注意して欲しいと思うが、日常生活の行動、例えば買い物など、ちょっとした身体を動かせる行動は失わないように注意して欲しいと思う。
これは、一定の代謝量を維持することは内分泌や自律神経にも良い影響を与えるし、身体を動かすことが精神的なストレスの解消に役立つ部分もあるからの。
もちろん、激しい運動などは必要なく、「運動」ではなく「身体を動かす」行動を失わないようにして欲しい、ということじゃ。

最後が「スキンケア」じゃ。
妊娠中は、妊娠中でない際の状況と比較して、アトピー性皮膚炎を「治す」ための行動を構築しづらい。
であるならば、優先するべきは、「症状に対するケア」じゃろう。
特にこれからの時期、乾燥しやすいこともあるから、角質層の水分保持を考えたケアは忘れないようにして欲しいと思うの。

妊娠、という期間はエンドレスではない。
一定期間のことでもあるので、これらの注意点で乗り切って欲しいと思うの。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

妊娠、という期間はアトピー性皮膚炎の症状が悪化しやすい、という傾向はあるが、同様に出産後に悪化した、という方もおられる。
特に出産後、赤ちゃんに頻繁に授乳を行わなければならず、まとまった睡眠時間の確保が難しくなる、ということが大きな要因としてあるようじゃ。
そういった状況も、赤ちゃんの成長と共に、夜の授乳がなくなることで落ち着くはずじゃから、心配し過ぎないようにはして欲しいと思うの。