環境が体にもたらすもの

今日は、「環境」が体に与える影響について考えてみたい。

 

 

 

 

 

 

 

アレルギーの研究では、遺伝的要因もさることながら、生活する上での環境要因が、何らかの影響を与える、ということも研究されておる。

かなり前の研究じゃが、イギリスで一卵性双生児のアレルギーについて追跡調査を行ったものがあった。
一卵性双生児の場合、遺伝子的には同一じゃから、「遺伝的要因」という部分も「同一」と考えられる。
ところが、同じ一卵性双生児で、その後、違う里親に育てられたケースを調査していくと、片方には喘息が出て、片方には出なかった、という例が複数あったようじゃ。
里親が違う、ということは生活環境が全く異なっておる、ということが言える。
つまり、喘息が「発症」する要因は、遺伝的要因よりも環境的な要因が関わる可能性が高い、ということが考えられる、ということじゃな。

こういった疾患に対する遺伝的要因が占める部分と、環境要因により変化してくる部分の例は、他の疾患でもあるようじゃ。

 
●がん 遺伝子以外に「たばこ、食品、感染、アルコール」関係
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121015-00000014-pseven-soci
 
ヒトの身体は、約60兆の細胞からなり個々の細胞には2万数千種の遺伝子が記録されている。2003年にヒトゲノム(遺伝子)の解読が完了し、がんは遺伝子変異によって発生すると考えられ、ゲノム解析でがんの発生・増殖のメカニズムが解明されると思われたが、説明できる疾病は予想に反し少なかった。
 
近年、がんの発生・増殖に関し遺伝子発現を制御するエピジェネティクスに注目が集まっている。がん治療は、がんの増殖に関わるシグナル伝達や血管新生をターゲットにした分子標的薬が臨床で利用され始めたが、新しい領域としてエピジェネティクス治療に関する研究も進んでいる。
 
愛知県がんセンター研究所分子腫瘍学部の近藤豊室長に話を聞いた。
 
「DNAにある遺伝子は、活性化して発現することで初めて働くようになります。エピジェネティクスは、遺伝子発現をオン/オフにする制御を行なっている機構です。エピジェネティクスには、主にDNAメチル化、ヒストン修飾、クロマチン構造変化、非翻訳RNAの4つが相互作用しながら、遺伝子の働きを調整していると考えられます」
 
例えば、一卵性双生児は一つの受精卵から2人が生まれたので、DNAの設計図は全く同じである。しかし一人はがんになり、残り一人はがんにならないケースも見られる。この場合、遺伝子以外にがんの発生に環境因子が関わっていることが考えられる。
 
発がんにかかわる環境因子は、「たばこ」「ある種の食品」「感染」「アルコール」が挙げられ、これらは発がん物質として遺伝子変異を起こすだけでなく、エピジェネティクスにも影響を及ぼし、がんになる。
 
例えば、肝炎ウイルスに感染すると最終的に肝がんになるが、感染によってエピジェネティクスの一つであるDNAメチル化が肝臓に蓄積し、複数のがん抑制遺伝子が働かないようになっていることが判明した。さらに、肝がんだけでなく、ほとんどのがん細胞でDNAメチル化異常が蓄積していることがわかった。
  

先に述べた喘息の調査と同じように、同じ遺伝子を持つ一卵性双生児が、片方がガンになり、片方がガンにならない、そしてそこには発ガンに関わる環境因子が影響を与えておる、ということじゃな。
当たり前のように思う人が多いかもしれんが、この環境要因が疾患に影響を与えることを考えることは、「予防」「治療」の二つの面で重要と言えるじゃろう。
なぜなら、発病する要因と逆の「生活要因」を取り入れることが、予防につながるし、また場合によっては「治療」にもつながってくると言えるからじゃ。
ガンのように、発病後の進行度合いによっては、致命的な影響を受けることがある疾患と違い、アトピー性皮膚炎の場合はどの時点でも「取り返し」がつく。
なぜ、アトピー性皮膚炎が「発病」したのかを考え、その要因を生活の中で見つけることができれば、それはアトピー性皮膚炎を克服していくための生活の構築上、とても重要といえるし、また自分の子どもをアトピー性皮膚炎にしないための「予防」の生活とはどのようなものなのか、ということにもつながってくるじゃろう。

多くの疾患では、遺伝的にあらかじめ「設計」されている要因が深く関わってはおるのじゃが、同時に、その疾患が発病するかどうかは、毎日の生活の中に「答え」があることが多いことを認識して欲しいと思うの。

  
おまけ★★★★大田のつぶやき

基本的に多くの疾患は、遺伝的な要因を考えると、誰しもが「素因」自体を持っていると考えられます。
しかし、その素因が体に「疾患」として現れるかどうか、つまり発病するかどうかは、「どういった生活を積み重ねてきたか」に影響を強く受けている、ということでしょう。
体は常に変化しています。
そこから考えると、生活を変える、ということ自体に「遅い」ということはないように思います。
毎日、しっかり睡眠をとる、毎日散歩する、こういった継続性を持った目標を立てることは大切でしょう。