アトピーの遺伝子、ゲノム調査で発見

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
すでにニュースでご覧になった方もおられるとは思いますが、先日、アトピーに関与する遺伝子の8つの領域が見つかった、というニュースがあったので紹介したいと思います。

  
●アトピー関与の遺伝子領域発見 理研がゲノム調査
http://www.asahi.com/science/update/1008/TKY201210070423.html
 
アトピー性皮膚炎の発症にかかわる可能性のある八つの遺伝子領域を、理化学研究所などのチームが見つけた。約2万人分のゲノム(全遺伝情報)を調べた。発症のしくみの解明や新たな治療薬の開発につながる成果という。7日付米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載される。

チームは国内の患者3328人と患者ではない1万4992人のゲノムを解析した。炎症抑制やビタミンD代謝などにかかわる八つの遺伝子領域のいずれかに特定のタイプをもつと、発症リスクが1.18~1.40倍高くなることがわかった。そのうち二つは気管支ぜんそくと共通していたという。

厚生労働省によると、アトピー性皮膚炎の国内患者数は2008年時点で約34万9千人。ステロイド剤などで症状をコントロールすることは可能になってきたが、効果があまりみられない例もあり、治療法の研究が進められている。
 

記事中にある、発症リスクが「1.18~1.40倍」というのが、8つの遺伝子領域全てではなく、いずれかの領域に特定のタイプを持つ、という部分で考えると、はたして有意差と考えられるのかどうかが、難しい部分のようにも思えますが、アトピー素因と呼ばれる体質的な問題が存在することは明らかと考えられていることを加味すると、今後、それらの領域を精査することで、特定の遺伝子が見つかるか可能性はあるかもしれません。

ただ、アトピーの遺伝子が見つかった、という発表はここ数年でも他でもありましたし、15年ほど前に、アトピーの遺伝子の研究を行っている専門の研究者にお聞きしたところでは、仮に遺伝子が関わっているとしても、アトピー性皮膚炎がさまざまな原因で発症し、またその病態も異なることから、単独の遺伝子ではなく複数の遺伝子が関係していると考えられる、と話されていましたので、遺伝子の総数から考えると、解明されるにはまだ相当の時間がかかりそうにも感じます。

先日、iPS細胞の研究で山中先生がノーベル賞を受賞されていましたが、その研究が進むことと、今回のアトピー性皮膚炎に関わる遺伝子が全て特定することが可能ならば、遠い将来にはアトピー性皮膚炎の治療も「遺伝子治療」の方向に進むのかもしれませんね。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

体質的要因より環境的要因の方が強く関わるとされているアレルギー疾患の場合、今後の環境変化に合わせて「新たに関わる遺伝子」が次から次に見つかる可能性があり、細菌の抗生物質に対する耐性の問題に似た傾向が出てくる恐れも否定はできないかもしれません。
いずれにしても、病を治すことができるのは、自分の体自身が中心になることを忘れないようにしたいものです。