「治る」と「治す」の違い(1)

こんにちは。南です。

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎の治療は、病院で行うステロイド剤やプロトピック軟膏などの薬物治療から、漢方や食事制限、あるいは民間療法的な治療法までさまざまな方法が存在します。
患者が、そういった治療法を行う場合、考え方として「治る」と捉えるのか、「治す」と捉えるのかによって、アトピー性皮膚炎を克服していく上で、違いが生じることがあります。

基本的に治療を受ける患者の気持ちとしては、病気は受ける治療によって「治る」という考え方でいることが多いと思います。
薬で治る、病院の治療で治す、といったように治療に対しての取り組みは、どちらかというと「受動的」な受け身のケースが多く見られます。
アトピー性皮膚炎も同様で、病院での説明も患者を意図的に誘導している部分はあるにしろ、「ステロイド剤でアトピーが治る」といったように受け身的な対峙の仕方を無意識の中で求めている状況にあると考えてよいでしょう。

しかし、本来、基本的に病気を治しているのは、「行っている治療法」ではありません。
なぜなら、どのような治療法であっても、その治療に「応える」状況に体がなければ、その治療による結果につながらないからです。

例えば重い心臓病の人が、ICU(集中治療室)で、人工心肺により延命を受けていたとして、その状況から「回復」するためには「心臓」の状態が回復するしかありませんが、心臓の回復が望めなければ、「治る」ことはありません。
もちろん人工心肺を付けた状態で生命を維持した状態が擬似的な回復状況とも言えますし、あるいは心臓移植などの方法で「回復」を望むことはできるかもしれません。しかし、ダメージを受けている本人の心臓そのものが回復することは、現在の医療技術の中で限界があるのも確かだと言えるでしょう。

アトピー性皮膚炎も同様です。
アトピー性皮膚炎という病気の結果は、皮膚に痒みや炎症という症状で現れますが、大元の病気の原因は、そういった体の状況(内分泌機能、自律神経機能、免疫機能の異常状態)を引き起こした毎日の生活の中にあります。
ステロイド剤でいくら痒みを抑えても、睡眠の代わりにはなりません。運動の代わりにも食事の代わりにもなりません。
そういった睡眠、運動、食事といった毎日の生活は、自分で「行う」、つまり「能動的」な考え方が必要です。

そして、病気を治していくためには、こういった「治る」という「受動的な取り組み」よりも「治す」という「能動的な取り組み」が必要になることが多いと言えます。
特に、慢性疾患の場合、慢性化させた原因を取り除くためには、受け身の治療だけでは困難なことが多く、能動的に取り組む「治療」も必要だということです。

では、アトピー性皮膚炎の場合、どういった取り組み方が必要なのでしょうか?
長くなるので、続きは明日にしたいと思います。

  
おまけ★★★★大田のつぶやき

ヒトの体はさまざまな異常状態から回復するための「機能」を、備え持っているものです。
その機能をどのように働かすことができるのかは、そのヒトの行動によるとも言えます。
アトピー性皮膚炎に限らず、「生活習慣病」と呼ばれる疾患は、多くが何らかの能動的な行動が解決のために必要なことが多いものです。
「治る」と「治す」は結果が示す意味合いが同じであっても、途中経過は異なることが多いことを承知しておきましょう。