アトピー克服のカギ(スキンケア・2)

昨日は、スキンケアが必要な理由として「角質層の乾燥を防ぐ」ということを取り上げたが、今日はもう一つの理由、「バリア機能を保持する」と言う点について考えていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚は体で最大の「臓器」とも言われることがあり、その大きな目的は体液の流出を防ぐこと(境界の形成)、そして外部からの異物の侵入を防ぐこと(物質の透過性)、の二つが挙げられる。
この外部からの異物の侵入を防ぐ、という働きは、ウィルスや細菌など外敵だけではなく、ハウスダストや花粉などアレルゲンも含まれておる。
この異物の侵入を防ぐ働きは「バリア機能」とも呼ばれておる。

ところが、アトピー性皮膚炎の方の場合、掻き壊しにより、皮膚がダメージを負うことで、この「バリア機能」が低下した状態に陥っているケースが多い。
バリア機能が低下すれば、外部からの異物が皮膚内に侵入しやすく、そこでの抗原抗体反応(細菌やウィルスであればTh1の反応、アレルゲンであればTh2の反応など)が見られやすくなる。
そして、アレルゲンとの反応が生じれば、炎症が生じ、炎症が生じれば痒みが生じる。
これがアトピー性皮膚炎の原因の一つである「免疫機能の異常状態」の働きに関わってくることになる。

したがって、ダメージを受けた肌に対しては、この「バリア機能を保持する」ための手伝いが必要になり、スキンケアはこの役割も果たしておる、といえるじゃろう。
ただ、バリア機能を塗布するスキンケアだけで実現することは、ダメージの度合いによっては難しいことがある。
そこで、そういった場合には包帯で覆うなど、塗布以外の方法でケアする必要があるケースがあるが、こういった「包帯で覆う」といった方法も、立派なスキンケアの一つと言えるじゃろう。

さらに言えば、昨日述べた角質層内の水分保持能力は、角質層内のセラミドが関わっておるが、分子量の関係からスキンケアによるセラミドの供給は難しいし、何より合成されたセラミド成分はそのまま体内でセラミドとして利用されることはない。
セラミドは、数種類存在しておるが、それぞれ体内で合成されて初めて利用することが可能になる。
そういった点では、こういったセラミドの合成を促すサプリメントの摂取が有効になることがあるが、このように「食べるスキンケア」もある、ということじゃ。

つまり、スキンケアとは「塗る」ものばかりではない、ということじゃな。

少し話が横道にそれたが、このように、皮膚のバリア機能を何らかの方法で補うことは、特に掻き壊しが生じておる方の場合には、必要なケアということは言えるじゃろう。

これがスキンケアが必要なもう一つの理由じゃ。

では、スキンケアはアトピー性皮膚炎の人にとって必ず必要なものじゃろうか?リスクは存在線のじゃろうか?
明日は、スキンケアのリスクについて述べたいと思う。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

皮膚に付着した異物に対して免疫活動を行うきっかけをつくるのが、「ランゲルハンス細胞」といわれるものじゃ。
ところが、ステロイド剤の場合には、このランゲルハンス細胞をアポトーシスにより死滅させてしまうことが分かっておる。
これも、ステロイド剤が持つ、免疫抑制効果の一つと言えばそうなのじゃが、その結果、外敵に対する免疫を働かせる指令も失うため、感染症が見られるようになる。
皮膚は、いろいろな防御能力を有しておるのじゃが、それにダメージを与える治療は、相応のリスクも抱えておることを承知しておくべきじゃろうの。