アトピー克服のカギ(スキンケア・1)

約1カ月のご無沙汰じゃったが、今日はアトピー克服のカギとして、スキンケアについて述べてみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、「スキンケア」とは、アトピー性皮膚炎にとってなぜ、必要なのじゃろうか?
大きく分けると、二つの役割が「不足する」ことを防ぐために必要、ということが言えるじゃろう。

まず、最初の一つが「角質層の乾燥を防ぐ」という目的じゃ。

「アトピー克服のカギ」では、アトピー性皮膚炎の原因には大きく分けると二つあり、その中の一つが「免疫機能の異常状態」もう一つが「皮膚機能の異常状態」にあることを述べた。
そして後者の「皮膚機能の異常状態」とは、角質層の水分保持能力が低下している状態を指しておる。

昔は、痒みを感じる神経は痛みと同じ経路と考えれておった時期があった。
じゃが、その後の研究で、痒みは、痒みを知覚する神経が別にあることが分かったのじゃ。
この痒みを知覚する神経線維は、健常な人の肌の場合、真皮内にとどまっておる。
じゃが、真皮の上にある角質層が乾燥した状態(水分が保持できない状態)になると、この痒みを知覚する神経線維が、角質層内に侵入してくることが研究により分かったのじゃ。
痒みを知覚する神経線維が、角質層内に侵入すれば、皮膚表面に対する各種の刺激から痒みを感じることがある。
やっかいなのは、こういった痒みを知覚する経路は、免疫の反応による痒みと違うため、ステロイド剤など免疫を抑制する薬剤では対処がしづらい、というところじゃ。
皮膚への刺激から痒みを感じ、掻いてしまえば、そこで炎症が生じ、その炎症が次の痒みを生む、こういった連鎖反応の中の、炎症→痒み、という部分はステロイド剤やプロトピック軟膏は有効に抑えてくれるじゃろう。
じゃが、元の刺激による痒みを知覚しやすい、という部分にはあまり役立たず、ステロイド剤が効きづらい痒み、ということが言えるじゃろう。

そこで大切なのは、角質層の水分が低下しない状態を作り出すこと、ということになるが、ここで関わってくるのが「スキンケア」じゃ。

本来、ヒトの肌は、自分の体で「スキンケア」を行うことができる。
それは、「皮脂膜」と呼ばれるもので、汗と皮脂が乳化してできるものじゃ。
この皮脂膜が、天然のスキンケア成分として、皮膚を異物や乾燥から防いでくれておる。
ところが、アトピー性皮膚炎に限らず、乾燥肌を抱えておる人は、角質層の水分を保持する能力が低下しておることが分かっておる。
その原因としては、皮膚表面を覆う皮脂膜が十分に作り出せていないこと、そして角質層内で水分を保持するための成分(セラミド、ヒアルロン酸など)が不足していることが挙げられる。

そこで、こういった乾燥した状態の肌には、元々、水分を保持する能力が低下している場合にはまず角質層に水分を常に補給しながら、さらにその水分を蒸発(蒸散)させないためのカバーが必要になってくる、ということじゃな。

そして、上手なスキンケアを行い、角質層の水分保持を適度な形で維持できると、角質層内に侵入した痒みを知覚する神経線維は、元の真皮内まで戻ってくれることが分かっておる。

これがスキンケアがアトピー性皮膚炎に必要な一つ目の理由じゃ。
明日は、二つ目の理由について述べたいと思う。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

痒みの神経線維が話題に出たときには、たびたび紹介していますが、角質層の乾燥と痒みの神経線維の関係は特集でも取り上げていますので、まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

●かゆみのメカニズムとアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=chishiki&c2=2&c3=1