発症要因と悪化要因の違い

暑さもまだまだ厳しい日が続いておるの。

 

 

 

 

 

 

 

 
ゲリラ豪雨も時々発生しておるので、天候には十分注意して欲しいの。

さて、月曜日のブログの中で悪化要因のことについて触れたが、

 
●8月20日のブログの一部

そして、もう一つ考えなければならんのは、アトピー性皮膚炎の場合、病気を発症した原因の他に、「アトピー性皮膚炎を悪化させている原因」のことも考える必要がある。
 この二つを混同して捉えていると、片方の対処(悪化要因への対処)ができても片方への対処(発症要因への対処)ができていないと、一時的に状態を良くすることがあったとしても、原因の解消ができていなければ、いずれ症状の再発が見られる可能性は高い、と言えるじゃろう。

 
このことで、読者の方から問い合わせを数件いただいた。
そこで、発症要因と悪化要因の違い、とは何なのかを述べてみたいと思う。

アトピー性皮膚炎が発症する要因とは、年齢、性別、生活環境により大きく異なる。
例えば、成人の場合、アトピー性皮膚炎が発症する要因としては、それまでの生活における代謝不足、睡眠不足、栄養のバランスの負荷、腸内環境の問題、ストレスの問題、化学物質の問題、皮膚のケアの問題など、いろいろと考えられる
ところが、乳幼児の場合、生まれたばかりの赤子じゃから、睡眠不足、代謝不足、栄養のバランスの負荷は関係せんし、腸内環境の問題やストレスの問題も関わる可能性は極めて低いじゃろう。
このように、置かれた立場により、アトピー性皮膚炎の発症要因は異なるのじゃが、その発症要因を元に皮膚に現れた「炎症」「痒み」という症状と、発症後に悪化要因により皮膚に現れた「炎症」「痒み」という症状は、見た目は類似した症状のことが多い。
つまり、原因が異なっても、その結果である症状は同じ、という状況になることがある、ということじゃ。

悪化要因を考えてみると、これは生活内においては発症要因と類似していることが多いのじゃが(睡眠不足、代謝不足、食事の面、ストレスの面など)、それに「感染症の要因」「ステロイド剤などによる悪化要因」などが加わることになる。

そして、発症要因と悪化要因が異なる場合、本来、症状が現れた、あるいは悪化した要因ごとの対処が必要になるのじゃが、残念なことに、今の治療においては、その要因に対する治療よりも、要因により現れた結果である、痒みや炎症の治療がメインとなっておる。

こういった発症要因と悪化要因が多岐にわたり複雑に絡み合ってしまうと、アトピー性皮膚炎という病気そのものを「治す」ことは、要因ごとに解決しなければならんので、なかなか難しい状況に陥りやすい。
これが、アトピー性皮膚炎を難治化させている大きな原因と言えよう。

本来、アトピー性皮膚炎は、その初期症状で見れば、「軽症」のことが多い。
ここでいう「軽症」とは、症状の度合い、ではなく、病気の発症要因の度合いを指し、いわゆる発症要因が「単純」であることが多い、ということじゃ。
そのため、その解決は偶発的に行われることも多く、ステロイド剤で症状を抑えながら原因の解決が行われれば、患者自身にとっては、「ステロイド剤でアトピーが治った」と感じることになる。
実際、アトピー性皮膚炎と診断される患者の多くは、このパターンで、ステロイド剤を最初から長期連用していくような複雑化したケースは全体のアトピー患者の一部と言えるじゃろう。

問題は、このパターンを繰り返すことじゃ。
さっき述べたように、発症要因はいくつもあるから、最初の発症は睡眠不足から、次の発症は代謝不足から、といったように異なる原因によりアトピー性皮膚炎が繰り返し現れた場合、その原因の見極めを誤ると、原因の解消が容易でなくなれば症状そのものは繰り返し現れることになり、慢性化してくると言えるじゃろう。

アトピー性皮膚炎の症状が長期にわたり継続して見られる場合には、このように発症要因と悪化要因を別々に切り分けて考え、必要な対処を行うことが大切と言えるじゃろう。

  
おまけ★★★★博士のつぶやき

こういった病気の本来の原因が多岐にわたるアトピー性皮膚炎は、本来は、単体の疾患として捉えるよりも、症候群(シンドローム)として捉えた方が良いのかもしれん。
特に悪化要因の中に、長期連用した薬剤の影響、というものがあるため、初期の治療が有効であってもそれが長期化していくことで、その治療そのものが悪化要因になって、さらに症状を慢性化させている、という恐れもあるからの。