【Q&A】リバウンドの症状について(3)

今日は、リバウンドの症状に対して、どのように対応すればよいのかについて、説明したいと思う。

 

 

 

 

 

 

今回の質問者である中野さんの今の状況は、「今は手だけでなく腕全体と、太もも全体にアトピーがでて、手の甲のむくみも酷く、肘もパンパンに浮腫んで、汁も滲み出でて来てます。」ということじゃった。

痒みや炎症の状況が書かれておらんので、何ともいえんが、アトピーが広がっている、という表現があるところを見ると、痒みや炎症も広がっておる可能性は高いと思う。

昨日、リバウンドとは3つの原因が混在して生じておる、ということを書いたが、現在の状況では、

1.アトピー性皮膚炎が悪化した状態
2.感染症が悪化した状態
3.体内の機能(自律神経や内分泌機能)の一部が低下した状態

の3つともが現れておるように感じる。

では、この状況を打開するためには、どうしなければならないのじゃろうか?
答えの一つは、上記に書いた3つの状況を、それぞれ改善していくことじゃ。

アトピー性皮膚炎が悪化した状態を正せば「1」により生じておる悪化状態は改善されるし、感染症の対策を行えば「2」の状況は軽快してくるじゃろう。
「3」の対策を行えば黒ずみや体液の流出は落ち着いてくるはずじゃ。

では、それぞれどのような対策を行えばよいのか、ということじゃが、中野さんの生活など細かな部分が分からんので、あくまで一般的な部分の話を中心に取り上げておきたいと思う。

まず、「1.アトピー性皮膚炎が悪化じた状態」への対処じゃが、これが最も難しい部分であることは確かじゃろう。
これによる「状態」つまり症状を速やかに改善するのであれば、免疫を抑制し炎症を抑える手法、つまりステロイド剤やプロトピック軟膏などの薬剤を使用すれば確かに事足りることになる。
じゃが、これでは原因に対して何の働きかけも行っておらん。
風邪で高熱が出た場合、解熱剤を使用すれば高熱には対応できるかもしれんが、風邪の治療は解熱剤が行ってくれないのと同じ、ということじゃ。

さらに、ステロイド剤の治療そのものは、サイトカインの一つであるインターロイキン4というたんぱく質を増強することが研究で分かっておる。
遅延型のアレルギーが関わっておる場合、IgEの受容体の一つであるガレクチンー3の関係から、インターロイキン4が増強されることで、IgEそのものを連鎖的に増強するsIgE+B細胞を増やすことも判明しておるので、ステロイド剤の使用そのものが、「IgEを増やす」=「アトピー性皮膚炎を悪化させる」ということにつながっておる部分がある。
もちろん、IgEの産生経路は、sIgE+B細胞だけではないので、その他の経路をステロイド剤が遮断してくれることもあり、一方向性の問題ではないが、長引けば長引くほど、健常人であればB細胞は、細胞の表面がIgEに対して陰性であるところを、インターロイキン4の影響も受け、細胞の表面がIgEに対して陽性となるsIgE+B細胞に変化させてしまい、IgEを増強する方向性に行ってしまう。

したがって、リバウンド症状が現れた際、その対応を「ステロイド剤やプロトピック軟膏」などの免疫を抑制する薬剤で行うことは、免疫反応により生じる炎症を抑えることで一時的な症状の軽快を生むことはできても、「免疫反応」を生み出している大元そのものには逆に増強させる働きを行うことがあり、その場合には、再度ステロイド剤を中断することで、いつでも症状はさらに悪化した状態で現れる恐れがある、ということじゃ。

この連鎖反応を断つためには、sIgE+B細胞(表面IgE陽性B細胞)をsIgE-B細胞(表面IgE陰性B細胞)に戻るまで待つしかない。
いわゆる「一定の時間の経過」が必要になってくる。
また、体内のB細胞の産生から考えると、睡眠や運動などで代謝活動をリズムよく活発に行うことも大切になる。
規則正しい生活を心がけながら、時間の経過を待つ、ということが大切になる、ということじゃな。
ただ、この場合に解決できるのは、あくまでアトピー性皮膚炎の症状を悪化させている要因の一つの解消、つまり「悪化要因の解消」に過ぎんので、アトピー性皮膚炎という病気そのものの解消を行うための手法は同時に行わなければならん。

次に「2.感染症が悪化した状態」の解消について述べたいが、長くなったので、続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

IgEの受容体の記事も、あとぴナビの特集で過去に取り上げています。
これは、即時型のアレルギーと遅延型のアレルギーにも関わっており、即時型と遅延型が混在しているアトピー性皮膚炎の場合、解決のために「大きなカギ」となるように思います。
ぜひご覧ください。

●主治医も知らない!?「IgE」とアトピーの関係
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=58