アトピー克服のカギ(プロトピック軟膏・1)

前回は、アトピー性皮膚炎治療の中でステロイド剤を取り上げてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
今回はプロトピック軟膏について見ていきたい。

まず、プロトピック軟膏とは、数年前にアトピー性皮膚炎の新薬として使われ始めた軟膏じゃ。
主成分は「タクロリムス水和物」という、元は臓器移植の際に拒絶反応の予防薬として用いられていた免疫抑制剤じゃ。
基本的には、ステロイド剤と同じく、免疫を抑制する働きにより、塗布後、皮膚下における炎症反応を抑制し、炎症から生じる痒みを抑えることが目的となる。

プロトピック軟膏が炎症を抑える働きは、ステロイド剤でいうところのちょうど真ん中ぐらいのランクのものと同等されておるようじゃ。

主にアトピー性皮膚炎に対しては、ステロイド剤による治療効果が十分でない場合、あるいはステロイド剤による副作用によりステロイド剤が使用できない場合に用いられる「代替療法」として位置づけられておるようじゃが、実際の治療においては、ステロイド剤が使用されたことのない患者に対しても、初期治療から積極使用されておるケースは多い。

ステロイド剤と比べると、リバウンドなどの連用による副作用は少ないとされておる。

これは、ステロイド剤が分子量が約500ぐらいで正常な皮膚からも吸収されるのに対して、プロトピック軟膏は分子量が約800を越えるため、正常な皮膚からは吸収されにくく、薬の効果により炎症反応が落ち着き、皮膚そのものの改善が見られれば、正常な皮膚になる=吸収されにくくなる=副作用も現れにくくなる、と考えられておるようじゃの。

初期の使用では、ヒリヒリ感など違和感を感じる人が多いが、それも使用を重ねることで落ち着いてくる、とされておる。

軟膏での使用は、薬の添付文章を見る限り、使用量の制限(年齢、体重で異なる)や効果が見られなかった場合の使用期間の制限がある。
また、妊婦、乳児、小児については、臨床経験が不明のため安全性が確認できていないことから使用しないよう書かれておる。
その他、潰瘍が生じている皮膚への使用が制限されていたり、腎障害の恐れがあるので使用開始から2~4週間内に(以降は定期的に)腎機能の検査を行うように書かれていたり
するのじゃが、実際に処方される現場では、そこまで細かく注意事項が守られてはおらんケースもあるようじゃ。

プロトピック軟膏を使用したアトピー患者の意見を聞いておると、ステロイド剤より効果があった、とする意見もあるし、効かなかったのでステロイド剤に戻った、という件もあってさまざまじゃが、ある程度のベネフィット(効果)は期待できるようじゃ。

とはいえ、問題点もある。
では、どのような問題点があるのかを述べたいが、長くなるので続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

本来、プロトピック軟膏は吸収された場合の腎機能への影響などを鑑みて、びらん面、潰瘍面に対しては、ステロイド剤などで改善がみられてから使用するように、とされていますが、薬剤として正常な皮膚から吸収されない=ダメージを受けた皮膚からでないと効果が弱い、ということにもなります。
皮膚から吸収されないから副作用がない、ということは同時に効果もない、ということを示しているともいえるでしょう。
ベネフィットとリスクは、その比重もしっかり考えなければならないでしょう。