アトピー克服のカギ(ステロイド剤・5)

今日も昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
昨日書いたように、現在、アトピー性皮膚炎の治療として病院で受けるステロイド剤の治療が、アトピー性皮膚炎という病気そのものを治しているではなく、痒みという症状を目的にしておる。
じゃが、「症状」は決して、無意味に体に現れている現象ではない。
 
例えば、打撲で骨が折れれば、骨が折れることを自覚させるために痛みが出て動かせないようにする。
風邪で不要な体力を消耗させたくない場合には、だるさを感じさせ、動けないようにする。
お酒の飲み過ぎで沈黙の臓器と呼ばれる肝臓に異常状態が生じれば、痛みが出たり皮膚に湿疹が出たりする。
 
もし、骨が折れても痛みがなくて動き回れば、どうなるじゃろうか?
あるいは風邪で体力を失いたくない状況でだるさがなくて動きまわったらどうなるじゃろうか?
お酒の飲み過ぎで肝臓に異常状態が現れている人が、何の自覚症状もないため、さらにお酒を飲みすぎたらどうなるじゃろうか?
その後、生体にとって、非常によろしくない状態に陥ることは分かるじゃろう。
 
このように、体に現れる「症状」とは、決して無意味に現れておるのではない、ということじゃ。
もちろん、アレルギーのようにその症状そのものが、体にとってダメージを与えるようなこともある。
じゃが、いずれにせよ、何からの原因があってこその結果として「症状」がある、ということじゃやな。
何の原因(病気)もなく結果(症状)だけが現れることは基本的にない、ということじゃ。
 
アトピー性皮膚炎も同様じゃ。
睡眠不足、運動不足、摂取する化学物質が増加した、ストレスが増えている、食事のバランスが悪いなどの毎日の生活の積み重ねが、自律神経や内分泌機能に影響を与え、自律神経と内分泌機能の影響下にある免疫機能に異常状態が現れ、痒み、という症状につながってきたわけじゃ。
痒みだけを取り除いて、その原因を引き起こした生活を全く変えなければどうなるじゃろうか?
当然、自律神経や内分泌機能の異常状態が継続すれば、薬剤の効果がなくなれば再び痒みや炎症が現れるじゃろうし、さらにその状態が深刻化すれば、他の疾患に移行することもあるかもしれん。
むろん、先に述べたように、生活内の異常状態そのものが軽微であれば、自然解消も可能じゃろう。
じゃが、長期化してきたアトピー性皮膚炎の人の場合、少なくとも、アトピー性皮膚炎の病気そのものの「原因」は解消されなかったからこそ、症状も出続けておるわけじゃ。
一朝一夕に解消されない原因を抱えたまま、その原因を抱えていることを示す「警告信号」だけを抑え続けることが望ましい状況でないことは分かるじゃろう。
 
「アトピー性皮膚炎を「治さない」ことによるリスク」とは、症状だけ抑え続けることで、病気の原因の解消そのものに至らない(本人が気付かない)ことを指し示しておるわけじゃ。
これは、イコール、アトピー性皮膚炎という疾患そのものの「悪化要因」でもある。
それも「症状」の悪化要因ではなく、「病気」そのものの悪化要因となるため、長期間続けば続くほど、状況は深刻になる可能性も考えられる、ということじゃ。
 
「病気を治すこと」と「症状を治すこと」の違いを正しく認識しておくことが大切、ということじゃな。
 
明日は最後に、エビデンスがあるステロイド剤の影響について述べたいと思う。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

病気と症状の違いを認識することは、急性の疾患においてはさほど問題はありませんが、慢性化した疾患の場合、治療におけるベネフィット(利益)だけが受けれるのではなく、何らかのリスクを伴う以上、慢性化=治療の長期化、ということでもありますので、大切なことと言えるでしょう。
もちろん、医師は患者のことを考えた治療を行っているわけですが、その治療による利益も不利益も、受けることになるのは患者自身です。
患者側も、ある程度の知識と認識を持つべきのように感じます。