アトピー克服のカギ(入浴・2)

昨日は、アトピー性皮膚炎に対する入浴のプラスの要因を述べたが、今日はマイナスの要因といえる「入浴後の皮膚の乾燥」、そしてそのマイナスの要因に対する対応について触れておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
・入浴後の皮膚の乾燥

昨日、「汗をかくこと」でも簡単に触れたのじゃが、アトピー性皮膚炎の方が入浴した場合、入浴後の「皮膚の乾燥」が、最も大きな問題点と言えるじゃろう。
これは入浴により体温が上昇することで、その体温を下げようと皮膚から水分を蒸散させることで起きる。
アトピー性皮膚炎に対する医師の生活面での注意事項で「お風呂につからない」ということが言われたことがあるようじゃが、これは、この「皮膚の乾燥状態」を招かないように、ということじゃ。
もう一つあるのが、皮膚の洗浄じゃ。
基本的に入浴中は、体を洗うことになる。
当然、石鹸やボディーソープで洗浄するのじゃが、そういった洗浄系のアイテムは、汚れを落とすと同時に、皮膚の油分も落としてしまう。
入浴中に皮膚の油分を落とし、入浴後は皮膚の水分を蒸散させることが、入浴が持つアトピー性皮膚炎に対する最大のマイナス要因と言えるじゃろう。

 

◆入浴後の皮膚の乾燥への対策

まず、基本は入浴中の湯温を「高くならないようにする」ことじゃ。
ヒトの深部温度(体内の温度)は37度ぐらいじゃが、体内温度が40度や42度になってしまっては、生体維持にも支障が現れる。
そこで、40度以上の高温での入浴を行うと、深部温度が上がり過ぎないよう皮膚表面で温度をとどめようと働く。
熱いお風呂に入ると、皮膚が赤く火照るが、この状態では皮膚表面の温度が上がった状態じゃ。
当然、入浴後はその皮膚の上昇した温度を下げるため、皮膚は汗をかいて水分を蒸散させる。
そして、乾燥状態がより「強くなる」ということじゃ。
したがって、入浴後の皮膚の乾燥への対策としては、まず「高い温度での入浴を避ける」ということじゃ。
一般的には42度以上が高温浴と言われておるようじゃが、アトピー性皮膚炎の入浴で考えると「40度以上」は高温にあたる。
これは、体内への影響よりも、皮膚の水分蒸散の点から見て、ということじゃ。
入浴温度は39度以下で、できれば38度が望ましいと言えるじゃろう。
また、新陳代謝の面から見ても、体内の深部温度が上がり過ぎないように働く関係から、高い温度での入浴より、ぬるい温度で一定時間入浴した方が良い。
これは内分泌系の働きも同様じゃ。
入浴で得られるプラス面を考えても、高い温度よりもぬるい温度の方が得やすいから、「38~39度での入浴」が大切だと言えるじゃろう。

アトピー性皮膚炎に入浴が良い、ということで、一生懸命入浴しても良くならない、という相談を受けることがあるが、そのほとんどは、この入浴温度を誤っているケースじゃ。

入浴中の温度を誤ると、アトピー性皮膚炎には「マイナス要因」となり得ることを忘れないようにして欲しい。

もう一つあるのは、皮膚の洗浄による油分の低下じゃ。
これについては、基本的には入浴後のスキンケアで対応することがベストじゃろう。
できれば、お風呂上がり、体の熱が十分引いてからスキンケアを行うのではなく、お風呂上がりに浴室内で湿度が保たれた状態で行うことが望ましい。
浴室内でスキンケアを行うことは、汗も引かずに難しい、という場合は、基本的に入浴温度が高すぎることが多い。
もちろん、これから夏を迎え気温が上昇してくると、室温そのものが上がることで汗がひきづらい、ということがあるが、かといって、何もスキンケアを行わずに、冷房の利いた居間で過ごすことは、冷房による皮膚の乾燥を考えると、マイナス要因となる。
浴室内でスキンケアを行い、その後、汗が出続ける場合には、落ち着いてから衣類を替えるぐらいの手間を考えることも必要じゃろう。

まとめると、入浴後の皮膚の乾燥への対策としては、

・入浴温度を38~39度までにする
・入浴後は、浴室内でスキンケアを行ってしまう

ということを実践してみると良いじゃろう。
 

・その他の注意点

これも入浴温度に関わることじゃが、高い温度で長い時間入浴すると、著しく体力を消耗することになる。
入浴の「プラス面」を考えると、一日1回の入浴よりも、1日複数回の入浴が望ましいのじゃが、継続して体力を消耗していくことは、短期では大きな影響はなくとも、長期で見るとかなりの「マイナスの負荷」となりうる。
自分の体力を越えた入浴はマイナスとなることも忘れないで欲しい。

これは、その日の体調で入浴時間を調整することも必要になる、ということじゃ。
例えば、運動会の日は、運動会そのもので体力を消耗しておるじゃろう。
あるいは、風邪を引いた場合も、体力の消耗に気をつけなければならない。
年齢による入浴時間の変化も同じじゃな。
子どもの体力と大人の体力は違う。
大人の食事の量では子どもは多すぎるように、大人と子どもの入浴時間も異なることも気を付けた方が良いじゃろう。
 

最後に、注意点として考えて欲しいのが「入浴環境」なのじゃが、長くなるので続きは明日じゃ。

  
おまけ★★★★南のつぶやき

アトピーの相談を受けている中で、入浴を積極的にとりれていない方でも、入浴温度が高い人は結構、多いです。
そういった方に、入浴温度を下げていただくだけで、乾燥の状況が良くなることがあります。
1日1回の普通の入浴だとしても、「入浴温度」は、注意してくださいね。 Alavert