【Q&A】アトピーは遺伝するか?(3)

今日は、今回のQ&Aの最後じゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
Mさんのご質問にお答えしながら、まとめを述べたい。
まず、アレルギー体質は確かに遺伝する。
例えば身長が高い子どももいれば低い子どももいる、視力が良い子どももいれば、聴力が良い子どももいる、というように、体の機能の力は個人差が大きい。
同じように、そのアレルギー体質を、アレルギー症状を現わしやすい体質、と表現するならば、アレルギーを出しやすい「免疫機能」の状態にあるかどうか、あるいは、免疫機能に強い影響を与えておる自律神経や内分泌機能が高いレベルで維持できる体質なのかどうか、という違いを考えると、その体質が「強い」「弱い」といった違いは確かに出てくることになるじゃろう。
そして、この「体質」として「強い」か「弱い」かは遺伝すると言える。
こういった体質的な「強い」「弱い」という部分が、両親ともにアトピーや花粉症の場合、高確率で症状がみられる、ということにつながっておるとも言える。

じゃが、体質的な要因は、アレルギー疾患を考えた場合、絶対的な要因ではない。

なぜなら、この体質的な要因は、強いか弱いかの違いはあっても、(特殊な場合を除いて)ほぼ誰しもが持っておるものじゃからじゃ。
最終的に、疾患そのものが現れるかどうかを決めるのは、体質、というファクターではなく、生活する環境的な要因のファクターの方が重要、ということじゃな。

遺伝的な要因よりも他の要因が重要だからこそ、同じ遺伝子を持つ双子でも、症状が現れるかどうかは異なることになる。
また、遺伝的な要因よりも環境的な要因の方が強いからこそ、「治る」ケースもある。
遺伝的な要因を変えることはできなくても、環境的な要因は変えることができるからの。

Mさんが、子どものアトピー性皮膚炎を心配する場合、考えなければならないのは、いかに自分の体質を変えるか、ということではない。
体質が遺伝的な要因で決められると考えた場合、現在の医学レベルにおいては、遺伝的な変化をもたらすことが不可能な以上、体質もほぼ「不変」であると考えてよいからの。

Mさんに考えて欲しいのは、子どもが生まれた場合、「アトピー性皮膚炎にならないための生活の構築」をどのように行うのか?ということじゃ。

環境要因は、親の意思により変化させることは可能じゃ。
一昨日に述べたように、アレルギーは基本的に、アレルギーを出す力が強くなって現れる、というより、アレルギーを抑える力が弱まって現れることが多い。
つまり、必要なのは、アレルギーを抑える力を「正しく育てる」ことが必要になる、ということじゃ。
免疫に関わる体のさまざまな機能を「正しく成長させる」ことを意識することができれば、子どものアトピー性皮膚炎は、子ども自身の体が現わさずに済むようになるじゃろう。

ここでいうさまざまな機能とは、免疫機能や自律神経機能、内分泌機能じゃ。
そして、免疫機能や自律神経機能や内分泌機能を「正しく育てる」ために、何が必要なのか、というと、「睡眠」「食事」「運動」など、これまであとぴナビで繰り返し述べてきた「毎日の生活習慣」ということじゃ。

昔、アトピー性皮膚炎は子どもの病気で、大きくなれば自然と治る、と言われておった時期がある。
これは、昔の子どもは、外で遊んで、早く寝て、今よりも添加物などが少ない食事を摂ってきたからじゃ。
また、生活環境に潜む化学物質も(家具、家電、排気ガス、など)今ほど多くはなかったしの。
つまり、体の免疫機能に関わる体のさまざまな機能が「正しく成長」することで、アトピー性皮膚炎を現わす免疫機能を抑える力が「正しく育った」ということじゃ。

今の子どもたちは、外で遊ばなくなって、夜遅くまで起きているようになって、スナック菓子が多くなって、加工食品を摂取することが多くなった。
家電も便利に増え、家具も気軽に揃えれるようになったが、家電や合板や壁紙などから化学物質が放出される機会も増え、さらに室内の気密性が上がることで、そういった化学物質にさらされる機会が増すようになった。
小学生から塾に通い、外で遊べなくなって代謝も減る中、ストレスは大きくなってきた。
こういった生活環境が、免疫機能を抑える力を「正しく育てることができなくなった」ことが、アトピー性皮膚炎が「治らない疾患」として認識されるようになった一つの要因とも言えるじゃろう。

Mさん自身のアトピー性皮膚炎も、Mさんが将来産むお子さんのアトピー性皮膚炎も、全ては、これからのMさんが営む「毎日の生活」の中にこそ、解決の糸口がある、ということじゃ。

毎日過ごす生活だからこそ、変化させることが容易ではない部分も多いかもしれん。
じゃが、そこに重要なファクターがあることを忘れずに過ごして欲しいと思うの。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

Mさんの質問にあった「体質を変えれるか」ということについては、述べたように、体質そのものは、どちらかというと「不変」であると考えた方が良いじゃろう。
変えるのは「体質」ではなく、「体の機能」じゃ。
自律神経と内分泌機能を正しく変化させることができれば、体の機能を良い方向に変えることは十分に可能じゃから、Mさんも頑張って欲しい。