【Q&A】アトピーは遺伝するか?(1)

アレルギー体質、という言葉がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的には、アレルギーを引き起こしやすい体質のことと考えられておる。
アトピー性皮膚炎も、昔は、「アトピー素因」といわれるアトピー性皮膚炎になりやすい体質が関係しておる、と言われておったこともある。

多くの人は、この「体質」は遺伝的な要素で決定されると考えておるようじゃ。
先日も、メールで次のような相談をいただいた。

 
●Mさんからのご質問

私は子どものころから、喘息、鼻炎、アトピーがありました。
こういったアレルギーになりやすい体質は、親から遺伝で受け継いだもの、という話を聞きました。
確かに私の母親は、ひどい花粉症があります。
心配なのは、私の体質が親から受け継いだもの、ということならば、今度は私が結婚して子どもを産んだ場合、私のアレルギー体質は子どもに受け継がれて、子どもが辛い思いをすることになるのでしょうか?
そして、こういった体質を遺伝させないためには、私がアレルギー体質をまず治さないとだめなのでしょうか?
教えてください。

 
Mさん、こんにちは。
まず、結論から先に述べたおきたいと思う。
「アレルギー体質は遺伝するが、アレルギー疾患は遺伝しない」ということじゃ。
つまり、遺伝そのものを心配し過ぎない方が良い、ということじゃな。

まず、アレルギー体質についてじゃが、アレルギー体質を「アレルギー症状が出やすい体質」と考えた場合、実は、このアレルギー体質自体は、誰しもがもっておる体質といって過言ではない。

例えば、古い牛乳を飲んで下痢をした、これはアレルギー反応による下痢じゃ。
睡眠不足で、目の周りにクマができた、これもアレルギー反応じゃ。
このように、何らかの要因により体が現わす症状の中に、アレルギー反応はいろいろと潜んでおる、ということじゃ。

古い牛乳を飲んで下痢をしない、これは正しいことじゃろうか?
数日、ほとんど寝ないで仕事をした、遊んでいた、ということで目の下にクマができた、これは悪いことじゃろうか?

そう、体にとっては、一つの治癒反応、警告信号的な反応として現れておるのじゃから、決して、これらの反応がみられることが間違い、ということではない。
逆に、こういったアレルギー反応が全く見られない人の場合、痛みを全く感じない人と同じく、生活していく中である意味「危険な状態」にあるといっても過言ではないじゃろう。

このように、アレルギーを出す力とは、誰しもがもっておる力である以上、アレルギーの体質も、人にとっては「必要な体質」ということができる。
問題は、その反応が「誤った働き」として現れた場合じゃ。
厳密に言えば、「誤って」はおらんのじゃが、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー疾患としての症状は、「誤った免疫反応の結果生じる」と表現されることがある。
アレルギー疾患ではない人が「正しい働き」と仮定すれば、あながち誤った表現ともいえんので、ここではアレルギー症状を「誤った働き」の結果現れる症状として説明したい。

体内の免疫活動は、外敵や自己に対して働く。
外敵に対して働くものは、細菌やウィルスに対して働くもので、自己に対して働くものが一般的にアレルギー疾患として認識されておる。
そしてアレルギー疾患としての免疫活動は、一般の人のイメージとしては、アレルギー疾患のない人は、その免疫活動が「ゼロ」の状態で、アレルギー疾患の人はその免疫活動が「10」「100」などプラスの状態、という感じじゃろう。

じゃが、実は、アレルギー疾患としての免疫活動は、アレルギー疾患のない人は、アレルギーとしての免疫活動を抑える力が「10」「100」といったプラスの状態で、アレルギー疾患がある人は免疫活動を抑える力が「ゼロ」の状態にあるイメージなのじゃ。

つまり、誰しもが「自己」に対する免疫活動を行う「力」自体は持っており、通常はその力が発揮されることがないように抑えられておるのが、何らかの理由で抑えられない状態になった場合、アレルギー疾患が現れる、というイメージじゃ。

したがって、アレルギー疾患を作り出す免疫の働きは誰しもが持っている=アレルギー疾患を出す免疫の働きを持つ体質をアレルギー体質という=アレルギー体質は誰しもが持つ体質=アレルギー体質は遺伝する、ということになるじゃろう。
そこで注釈があるとするなら、アレルギー疾患の人にのみ遺伝する体質、ということではなく、誰しもに遺伝する体質、ということじゃな。
もちろん、世の中には「痛みを感じない人」がいるのと同様にアレルギーに関する免疫を全くもたない人もおるじゃろうから、アレルギー体質が遺伝しない人もおるじゃろう。
じゃが、それは「稀なケース」であって、ほとんどの人の場合、アレルギー体質自体は持っておる、ということじゃ。

では、アレルギー体質が誰しもが持つ体質ならば、体質的な要因は考えなくても良いかというと、そうでもない。

長くなるので続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎が遺伝的な要因が第一と考え、親を責める子ども、あるいは自責の念に強くかられている親の相談を時々受けることがある。
じゃが、遺伝的な要因だけで、アトピー性皮膚炎は決められているものではない。
アレルギーとは、自らの体にとって「不要な」働きばかりではないことも知っておくべきじゃろう。