ステロイド剤がアトピーの悪化の原因になる?(1)

昨日は、ステロイド剤のご質問にお答えしたが、その中で、「ステロイド剤が炎症を生じる原因になる」ということを述べた。

 

 

 

 

 
なぜ、ステロイド剤が炎症を生じる原因になるのか、今日は述べておきたい。

アレルギー反応は大別すると4つに分けられるが、一般的には、アトピー性皮膚炎はその中で、Ⅰ型(即時型)、Ⅳ型(遅延型)が混合して現れると言われておる。
先週の「食物アレルギー」をテーマにしたブログでも書いたのじゃが、このⅠ型とⅣ型の違いは、アトピー性皮膚炎の炎症に関わる免疫であるIgEの受容体の違いになる。

IgEが痒みにつながるのは、IgEとあらかじめ結合したマスト細胞やB細胞などが(感作された状態)、抗原と接触することによるのじゃが(抗原抗体反応)、このIgEとマスト細胞やB細胞が結合するのは、それらの細胞の表面にある受容体を通して、のことととなる。

IgEが体内の細胞と結合する場合、その受容体は大きく分けると3つの種類がある。

3つの受容体のうちの一つ目は「FcεRI」という「高親和性受容体」といわれる、IgEとの結びつきがとても強い受容体じゃ。
主にマスト細胞などに多く存在し、Ⅰ型のアレルギーを引き起こす元となる。
食物アレルギーやアナフィラキシーなどはこれに当たる。

2つ目はあまりアトピー性皮膚炎に関与していない、と言われておるため、省力するが、3つ目の受容体が「ガレクチン3」と呼ばれる受容体で、Ⅳ型(遅延型)のアレルギーを引き起こす元となっておる。

そして、この「ガレクチン3」の受容体が、昨日述べた「ステロイド剤が炎症を生じる原因になる」ということに関与してくるのじゃ。

アトピー性皮膚炎の人の血液を調べてみると、細胞表面にIgEを発現している細胞「表面IgE陽性B細胞」(sIgE+B細胞)が多く存在しておることがわかっておる。
 逆にアトピー症状がない人の血液には、sIgE+B細胞はほとんどなく、表面にIgE が結合していないB細胞「表面IgE陰性B細胞」(sIgE-B細胞)が圧倒的に多い。
 また、B細胞の基本は、表面IgE陰性B細胞であり、表面IgE陽性B細胞は陰性B細胞から分化し生み出される。
 つまり、アトピー性皮膚炎の人は、何らかの理由で陰性B細胞が陽性B細胞に変化し、遅延型のアレルギーが生じておる、ということじゃ。
 この、表面IgE陰性B細胞から、表面IgE陽性B細胞へ分化するには、さまざまな要因があるのじゃが、その一つに「インターロイキンー4(IL-4)」が関与していることが分かっておる。
 さらに、IL-4は、やっかいなことにIgEの3番目の受容体「ガレクチン3」を増加させ、そして「ガレクチンー3」は「IL-4」を増加させることがわかっておる。

このIgEと結合したB細胞、sIgE+B細胞が、ガレクチン3の受容体が関与してくることになる。
そして、ガレクチン3の受容体と結びついたsIgE+B細胞は、「新たなIgE」を生み出すことになる。

このように、ガレクチン3がIL-4を増強し、IL-4はsIgE+B細胞とIgEno受容体ガレクチン3を増強する。
そして、増強されたsIgE+B細胞は、新たなIgEを生み出し、IgEがIL-4を増強し・・・・、という悪循環がここで生まれるわけじゃ。

アトピー性皮膚炎でやっかいなのは、この遅延型の悪循環にあるのじゃが、長くなるので続きは明日じゃ。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

IgEの受容体に関しては、あとぴナビでも特集を行っています。
詳しくは、下記をご覧ください。

●主治医も知らないIgEとアトピーの関係
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=58