いろいろな治療法にできること、できないこと(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

まず最初に、Kさんが次に行った「入浴療法」で何ができて、何ができないのかを見ていきたい。

 
●入浴療法にできること

入浴療法の場合、お湯(水)の質や、入浴時間、温度、回数などによっても異なるから、一般的に体に与えられる影響、ということで説明したい。
アトピー性皮膚炎の方が入浴療法を行う場合、得られるものは大きく分けて二つじゃ。
一つは、「スキンケア」の部分じゃな。
お湯そのものの質が良い状態である(温泉など)ことが前提条件じゃが、乾燥状態がアトピー性皮膚炎の痒みの原因となっている人の場合、入浴している間は「お肌が楽になる」という感触を受ける人は多い。
もう一つが「免疫機能への関与」の部分じゃな。
適切な入浴を行うことで、温熱効果、物理的作用、温泉であれば含有化学成分の作用を受けられ、それらの作用、効果が複合的に体に与える非特異的変調作用(体が受けた刺激から元に戻そうとする働き)が加わることで、内分泌機能、自律神経機能の正常化に対して良い影響が与えられる。
つまり、免疫機能の異常状態に対するアプローチが行えるということじゃ。
ステロイド剤の場合は、「症状」に対するアプローチじゃったが、入浴療法の場合は、どちらかというと「病気」に対するアプローチの要素が強い。
ただ、その影響の現れ方は、個人差も多く、さらに「入浴方法」によっても異なってくる。
例えば、高温の入浴と低温の入浴では、体に対する影響は直接の影響としても異なるし、入浴時間や回数が加わることで、体調などに影響を与えることもある。
したがって、「適切な入浴環境で適切な入浴ができること」が、入浴療法を行う上で大切な条件となるじゃろう。

 
●入浴療法にできないこと

昨日述べたステロイド剤にできること、できないことと比較すれば、一言でいうなら、ステロイド剤の場合できていた痒みという「症状」に対する直接のアプローチができない、と言えるじゃろう。
もちろん、温度による刺激で痒みを緩和させることは可能かもしれんが、あくまで限定的な範囲となるし、その効果も強くはない。
入浴療法の場合は、あくまで自分の体に対して、自律神経や内分泌機能の異常状態の改善を図らせ、それも、入浴が改善するのではなく、入浴により自分の体が改善していく力に働きかけることで、免疫機能の異常状況が「改善されれば」、必然的に痒みが生じなくなる、ということになるわけじゃ。
その働きかけが、人によって上手く「伝わる」人は、比較的早期に状態が改善されることになり、上手く「伝わらない」人は、結果が現れにくいこともある。
さらに、そういった自律神経や内分泌機能の異常状態とは、その人の生活習慣に「原因」が潜んでいることがある。
睡眠不足、運動不足、栄養の過不足など、いろいろあるのじゃが、もしそういった生活面の改善が行われていなければ、仮に入浴療法が上手く体の機能に対してアプローチができたとしても、「新たな異常状態」を生活から引き起こしていることになるため、その結果が上手く体に現れる(痒みが改善される)ことが難しくなる。
このように、入浴療法は、体に生じた異常状態に対するアプローチはできても、その異常状態が生じた原因(睡眠不足など)を直接解消することはできんし、また、症状に対する直接のアプローチも行えない、ということじゃな。
 

昨日、最後の方で、「ステロイド剤によってできることは、症状を抑えることで、できないことはアトピー性皮膚炎を治すこと、ということ、そして何が問題かと言うと、アトピー性皮膚炎を治すためには、ステロイド剤治療以外の「アプローチ」が必要になってくる」ということを述べた。
そして、これは全く逆の立場において、入浴療法も同様のことが言える。
入浴療法は、アトピー性皮膚炎の病気を引き起こしている原因に対するアプローチはできるが、アトピー性皮膚炎により生じた痒みに対するアプローチはできない、また、病気を引き起こしている原因の、「さらに原因」まで直接アプローチすることはできず(入浴で睡眠不足は解消できない、栄養の過不足は解消できない、など)、何らかの大元の原因に対するアプローチが必要になってくる。

では、入浴療法を行っているKさんに何が足りないのじゃろうか?
続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★南のつぶやき

入浴療法を行う場合、「適切な入浴」を考えることは最も大切です。
これは、入浴環境と入浴方法の二つがあります。
どんなに良い入浴環境であっても、入浴方法が間違っていればマイナスの要因となることもあります。
また、適切な入浴方法だったとしても、浴水がマイナス点を抱えていれば、同様です。
自分の入浴方法が自分の今の状況に対して適切なのかどうかについては、最近はフリーダイヤルの相談ダイヤルも設けましたので、お気軽にお問い合わせくださいね。

●アトピー相談室
フリーダイヤル 0120-866-933