最近のアトピー治療

今年は、春の訪れが少し遅かったが、ようやく気温も上がり始めたようじゃの。

 

 

 

 

 

 

 
季節の変わり目は、体調を落としやすいし、また、まだ乾燥も続いておるから、十分、注意して欲しいと思う。

さて、3月の31日に名古屋でアトピーのセミナーを行ったのじゃが、参加された方の話をお聞きすると、最近の病院で行うアトピー治療は、患者側が受けた治療で「何を治そうとしているのか?」を医師が十分、伝えておらない状況が垣間見えておったようじゃ。

例えば、同じ家族で子どもと成人のアトピー治療において、同じ種類のステロイド剤が処方され、子どもの説明では弱いステロイド剤だから大丈夫と言い、成人に対する説明では効果が高いステロイド剤だから、という説明を受けたそうじゃ。
なぜ子どもと成人で説明が違うのかを医師に聞いたところ、「納得できないなら、他の病院で治療してください」と言われたそうじゃが、これではとても診療・治療の基本と言える、「インフォームドコンセント(説明と同意)」が十分できておるとはいえない状況じゃろう。

確かに、皮膚科のアトピー性皮膚炎治療におけるガイドラインでは、ステロイド剤やプロトピック軟膏による薬剤治療が基本とされておるが、この治療はあくまで痒みや炎症といった「症状」に対する「対症療法」であって、アトピー性皮膚炎という病気そのものに対する治療ではない。
患者は、もちろんアトピー性皮膚炎の不快な主症状である「痒み」を治したい、と思っておるが、その治療を受ける前提には、「アトピー性皮膚炎を治したい」という病気そのものの治療があるはずじゃ。

痒みは治してもアトピー性皮膚炎が治らない治療を、延々と受け続けることを、多くの患者は望んでおらんはずじゃ。
無論、対症療法を行っている間に、病気そのものが「自然治癒」することはあるから、ステロイド剤によるアトピー性皮膚炎治療そのものが誤っているわけではない。
しかし、多くの患者が望む治療が最終的には「アトピー性皮膚炎を治すこと」にある以上、医師は施す医療が「何を目的に、どのような役割を果たしているのか」を十分に説明しなければならんじゃろう。

ステロイド剤の治療を受ける患者の多くが、その治療によるマイナスの影響を強く受けるわけではない。
じゃが、一部の患者は治療が長引くことで、その影響を受ける「リスク」を高めておるのも確かじゃ。

なぜ、アトピー性皮膚炎に対して薬物治療を行うのか、そしてその治療では何ができて、何ができないのか、またリスクを回避するためには、どういったことに気をつけなければならないのかまでをしっかり患者に伝え、納得してもらうことこそが、アトピー性皮膚炎治療における「インフォームドコンセント」だと思うのじゃがの。

潜在的に長期連用によるリスクが増加しないよう、そして患者が何を望んでいるのかを踏まえた上で、「正しく薬物治療を行う」ことを望みたいと思うの。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー治療における患者側の選択肢は、今の病院での治療においては、極めて少ない状況です。
もちろん、その少ない選択肢が誤っている、ということではありませんが、アトピー治療における問題点の「ほとんど」が、薬物の長期連用により生じていることも忘れてはならないでしょう。