【Q&A】アトピーと花粉症(1)

最近のブログは、各スタッフとも花粉症の話題が増えてきておるようじゃの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
先週の月曜日に南君が書いた「花粉症は油断せずに」の記事に質問をいただいたので、お答えしたいと思う。

 
●つるつるさんからの質問

湯治でアトピーが治っても、花粉症は治らないのですか? 病院でお薬を処方された時、ステロイドの入ってないものであれば気にする必要はないのでしょうか?

  
つるつるさん、こんにちは。
まず、アトピー性皮膚炎が治っても花粉症が治らないケースじゃが、いくつかのことが考えられる。

まず、アレルギーのタイプの問題じゃ。
アトピー性皮膚炎と花粉症の共通する部分だけを見てみると、IgEによる抗原抗体反応の結果生じた炎症により、アトピー性皮膚炎でいえば皮膚の痒み、花粉症でいえば鼻水、などが現れてくることになる。
このアトピー性皮膚炎と花粉症の共通した部分で生じる炎症は、その経路は同じような経過をたどって症状が現れるが、最初の「原因」と最後の「結果」は異なってくる。
例えば、鼻腔内においては、粘膜に直接花粉が触れることで炎症が反応が生じるが、皮膚においては皮膚にアレルゲンが直接触れても、炎症が必ず現れるとは限らない。
これは、同じアレルギーであっても、花粉症はどちらかというと「即時型」のタイプのアレルギーに分類されるのに対し、アトピー性皮膚炎は「遅延型」のタイプとしての要因が強いと考えられておるからじゃ。
皮膚症状における「即時型」のアレルギーは、どちらかというと蕁麻疹のようなタイプで現れることになる。
ということで、まず一つ目に考えられることは、そもそもアトピー性皮膚炎と花粉症は、炎症を引き起こす過程が同じでも、対応する免疫そのものが異なることが挙げられる。
分かりやすい例で言えば、今年流行しておるインフルエンザはA型とB型の二つがあるが、A型に対応する免疫と、B型に対応する免疫は別であり、A型にかかって治った人もB型にかかることがあり得る、ということじゃな。
花粉症を生じさせる免疫とアトピー性皮膚炎の免疫は、同じIgEという免疫グループに属していても、抗原そのものが異なれば免疫そのものも別物になるから、ということじゃ。
同じアレルギーという大まかなくくりで見れば同じグループに属する疾患と考えられるが、原因(アレルゲンなど)も結果(症状が現れる部位など)は異なる以上、「違う病気」と考えた方が良い。
一言でまとめるなら、アトピー性皮膚炎と花粉症は全く別の病気であり、アトピー性皮膚炎という病気は治ったが、花粉症という病気は治っていなかった、ということじゃな。

次に考えられるのは、アレルギーを引き起こす体の異常状態の「深さ」の問題じゃ。
アレルギーとは、体に対してある意味、「警告信号」的な役割を果たしていることが多い。
免疫機能の異常状態を、知らしめる手段として、体は何段階かのステップを踏むことになるが、アトピー性皮膚炎を最終的な警告段階と過程してみると、花粉症はそれよりも前に現れる警告段階、と言える。
もちろん、アトピー性皮膚炎の人は必ず前段階で花粉症が現れる、ということではないし、花粉症の人がアレルギーの状態が悪くなればアトピー性皮膚炎が必ず現れる、ということではない。
ただ、アトピー性皮膚炎と花粉症の両方の症状が現れている人の場合、花粉症→アトピー性皮膚炎という順番で、体内の免疫の異常状態が進行しておる、ということが考えられる。
したがって、アトピー性皮膚炎が治ったが花粉症がみられる、という人の場合、体の異常状態はまだくすぶっている状態である、ともいえるじゃろう。
ただ、花粉症の場合、抗原である花粉が周囲からなくなれば、症状が自然となくなるのに対し、アトピー性皮膚炎の場合は、アレルゲンのみが主要な原因ではないため、一年中、症状が現れることが多くなる。
ここでまちがえて欲しくないのは、花粉症の人が「花粉がとんでない季節」は、花粉症が治っていると思うかもしれんが、体的にみれば、花粉症を生じる状態に変わりはなく、症状が現れているかいないか、という違いがあるに過ぎない、つまり、アトピー性皮膚炎と同じように一年中、花粉症であることには違いがない、ということじゃ。
それを明らかにするためには、例えば夏に、花粉に触れるとどうなるかを試してみればわかるじゃろう。
花粉症が治っている状態ならば、花粉に触れても症状は現れることはないが、毎年のように花粉症で春先悩んでいる人の場合、普段は接しない季節に花粉に触れれば、いつでも症状が現れてくるじゃろう。
このように、体の異常状態の深さ(強さ)により、体に現れてくるアレルギーの症状が変化することがある、ということじゃな。

長くなってきたので、続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★南のつぶやき

花粉症は、春だけにかかる一過性の病気、と考えている人が多いようですが、今日、博士が書いていたように、症状が現れていない季節でも、体はいつでも症状を現わす準備ができていると言え、それはつまり、一年中、花粉症という病気そのものは体は抱えたまま、ということが言えるでしょう。
症状が現れていない状況は、あくまで症状を引き起こす要因が足りない(花粉症で言えば季節によって花粉がない)だけです。
花粉症を治すためには、花粉症が現れていない季節にどのような対策を行うかが、本当は大切ではないでしょうか?