アトピーを温泉湯治で克服していくための注意点

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
昨年、北海道の豊富町から、九州ホスメック・リカバリーセンターに視察の方が来館されました。
内容は、豊富町で町興しの一環として、温泉を利用した事業を考えており、アトピー性皮膚炎に対する温泉湯治の現状を見たい、というものでした。

そして、先日、豊富町の記事がWebに出ていました。

 
●湯治&移住フェア:北海道・豊富に移住しませんか 皮膚疾患の人対象--29日、竹芝で相談受け付け /東京

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120127-00000030-mailo-l13

自然豊かな日本最北の温泉郷で湯治はいかが--。北海道豊富(とよとみ)町の温泉組合などが29日、アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)など慢性の皮膚疾患に悩む人を対象にした「湯治&移住フェア」をアジュール竹芝(港区海岸1)で開催、湯治や町への移住に関する相談を受け付ける。担当者は「少子高齢化や過疎化に歯止めをかけ、活気ある地域を取り戻すことができれば」とアピールしている。
温泉の魅力を知ってもらい、湯治客や移住者を増やすことで町の活性化を図ろうと、ホテルや旅館を経営する関係者らが企画した。
豊富温泉は近年、油が混じった泉質が「皮膚病に効く」と話題となり、アトピーなどに苦しむ人たちが全国各地から集まるようになった。その半数を占める20~30代の湯治客の中には、ステロイドなど薬物治療に限界を感じ、町に移住しての治療を希望する人も多いという。
ところが、町は高齢・過疎化が進み、職場は酪農業などに限られる。このため実際に町に移住したのは、ここ5年でわずか10人程度にとどまる。今後、空き家となっている住宅を格安で提供したり、若者向けの雇用の場を確保するなどして、移住希望者の受け入れ準備を進めることにしている。

(以下、省略)

 
日本は温泉大国でもありますから、アトピー性皮膚炎に対する温泉湯治が、広がっていくことは、20年以上前から取り組んできたあとぴナビとしては、歓迎すべきことではありますが、注意して欲しいことがいくつかあります。

まず、アトピー性皮膚炎に対して、「どのような効果を期待して温泉湯治を行っているのか?」ということを考えて欲しい、ということです。
記事を見る限り、皮膚に対する直接の効果を期待しているように書かれていますが、温泉の成分で直接、皮膚そのものに影響を与えることができたとしても、それは、ステロイド剤で皮膚表面の炎症を抑えている、ということとあまり、大差がありません。

皮膚表面をケアする、ということだけで考えるならば、スキンケアアイテムでも十分に事足ります。
温泉湯治を行う目的の第一は、アトピー性皮膚炎の一つの原因となりうる、免疫機能の異常状態を改善する、ということにあります。
そのためには、免疫機能に影響を与えている、自律神経と内分泌系の異常状態を改善するということが必要になり、温泉湯治はこの自律神経と内分泌系に影響を与えられる方法でもあるのです。

ここで大切になるのは「入浴方法」です。
適切な温度、適切な時間、適切な回数が行えているかがポイントになります。

そしてもう一つ大切なことは、「アトピー性皮膚炎を引き起こす生活内の要因に対して対処できているか?」ということです。
例えば、睡眠不足でアトピー性皮膚炎が現れた人の場合、温泉湯治で睡眠不足が解消できるのか、というと、これは無理です。
睡眠不足は「睡眠を十分に取る」という行為によってのみ、解消されます。

このように、生活内に潜んでいるアトピー性皮膚炎の原因そのものを解消するようにしないと、いくら温泉湯治で自律神経や内分泌に働きかけても、生活内で悪くしている要素があるのでは「いたちごっこ」のようなものと言えるでしょう。

九州ホスメックリカバリーセンターは、あとぴナビが自宅に温泉を宅配しながら、どういった入浴方法がアトピー性皮膚炎に良いのか、どういった泉質がアトピー性皮膚炎に良いのか、そして入浴以外の生活要因はどのように考えていかなければならないのかを、10年以上かけて積み重ねてきた結果、設けた温泉湯治施設です。

今後、豊富町のようにアトピー性皮膚炎の方に対して温泉湯治を提供していくところが増えていくことは、非常に良いことだと思いますが、温泉施設が余っているから、それをどうアトピー性皮膚炎の方に利用してもらっていくのか、という逆の発想で行う場合、泉質ごとの特徴、入浴方法、そして過不足点が把握できていないと、効果がみられる人、効果が見られない人が明らかに分かれていく恐れがあり(正しい入浴方法ができていない、あるいは入浴以外の必要な事項が対処できていない、など)、そういった利用方法が良くなかったにも関わらず、「温泉がアトピー性皮膚炎には効果がみらないことが多い」といった導き出され方をされることにつながることもあるかもしれません。

アトピー性皮膚炎に対して温泉は「何ができて、何ができないのか」をしっかり把握して、取り組むようにしたいところです。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

ここの温泉は、乾燥型のアトピー性皮膚炎の人には良い泉質のように感じるの。
ただ、今の季節、この地域は気温も極端に低い地域じゃから、そういった気候面のマイナス点をどのように対処していくのかも、考えていく必要はあるじゃろう。
アトピー性皮膚炎は、「皮膚だけ」見てもいかんし、「体の中だけ」見てもだめじゃ。
温泉で行えるメリットを最大限に生かせるように、しっかり研究も行って欲しいところじゃ。