【Q&A】脱保湿はアトピーに有効?(3)

今日も機能の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 
スキンケアと脱保湿の関わりについて考えてみたい。

まず、なぜ、スキンケアが必要なのか、というと、昨日まで述べてきたように、アトピー性皮膚炎の方の皮膚が失われた状態になっている「バリア機能」そして、痒みの神経線維を真皮内に留めるために「角質層の水分保持」の二つを行わなければらならないからじゃ。

そのためには、

1.角質層内に水分を与える
2.角質層内の水分の蒸散を防ぐ
3.低下したバリア機能を補助する

ということが必要になってくる。
1が保水、2が保湿、3が保護、という考え方じゃな。
角質層内に保水で十分、水分を与え、その水分が蒸散するのを保湿により防ぐ(水分蒸散量の低下)、そしてバリア機能が低下した状態については、その代替えとなる状況を皮膚に作り出す、ということじゃ。
ヒトによっては、これらの状態がいずれも関わってくる方もいれば、一つだけ、二つだけ足りないかたもおる。
そういった場合、その「足りない」部分を、上手に補うことが大切であり、これがアトピー性皮膚炎の方に必要なスキンケア、ということになるじゃろう。

そして、アトピー性皮膚炎でないヒトは、この「スキンケア」を自らの体で通常は行っておる。

ヒトは、皮膚を健全に保つ機能として「皮脂膜」という「天然のスキンケア」とでもいうべき機能を持っておる。
皮脂膜とは、汗腺から出る汗と、皮脂腺から出る皮脂が混じり合ってできたもので、通常は、皮膚の表面全体を覆っておる。
この皮脂膜が、皮膚を覆うことで、水分の蒸散を防ぎ(角質層の水分保持を行い)、抗菌物質などがバリア機能を維持する役割を果たすことになる。

つまり、通常、ヒトは、外からの助けに頼らなくとも、自ら「スキンケア」を行うことができるようになっておる、ということじゃ。

ところが、自らの力で作り出す皮脂膜など「スキンケア」としての機能は、外からスキンケアが行われておると、自らの体がもつ機能は、必要性が少なくなることで働かなくなる、つまり機能が低下してしまうことになる。

また、通常のスキンケアアイテムなどにより、外部から与える「スキンケア」は、ヒトの皮脂膜の成分をまねていたとしても、厳密にいえばやはり「異物」じゃ。
つまり、スキンケアアイテムの成分そのものが、体にとって「刺激」となりうる可能性がある、ということじゃな。

そこで、「外部からの刺激(スキンケアの成分)を極力減らすこと」、そして「自らの力でスキンケアを行うようにする(外からのスキンケアに頼らない)」ことを目的に行われておるのが「脱保湿」(一切のスキンケアアイテムを使わない)ということじゃ。

脱保湿を行うことで、外からの刺激がなくなり、また外からのスキンケアがなければやがて自らスキンケアを行う力が復活してくることで、「通常の皮膚の機能を取り戻せる」ということにつながり、皮膚機能の異常状態に関与するアトピー性皮膚炎については、解消できるという考え方じゃ。

じゃが、この「脱保湿」にはいくつかの問題点がある。

1.皮脂膜を作る条件が整わない場合
2.免疫機能の異常状態がある場合

明日は、この問題点を考えてみたい。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方の場合、後先の問題(痒みから皮膚の機能異常が生じたのか、皮膚の機能異常から痒みが生じたのか)はありますが、結果的に、皮膚そのものにダメージを受けることになります。
そのため、アトピー性皮膚炎=皮膚のダメージ、という病気、と考えがちになりますが、本当は、皮膚そのものに受けたダメージ(皮膚に現れている症状)とは、結果に過ぎず、原因ではありません。
スキンケアは、このダメージそのものに対する「ケア」ですから、アトピー性皮膚炎そのものを解決しているわけではないことは承知しておきましょう。