【Q&A】脱保湿はアトピーに有効?(1)

乾燥が続いておるの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
ニュースでは関東地方で1カ月以上、乾燥注意報が出ているということじゃった。
アトピー性皮膚炎の人は、元々、皮膚機能の異常状態から、角質層での水分保持が行えず、乾燥傾向がみられる人が多い。
本来、こういった皮膚の乾燥状態に対しては、スキンケアが有効なのじゃが、一部の脱ステロイドを行っている病院などで「脱保湿」という方法が取られることがある。
今日は、読者からメールでいただいた脱保湿の質問にお答えしたいと思う。

 
●Uさんからのメール

質問があります。
子どもの頃からアトピー性皮膚炎で、ステロイド剤の治療を20年以上受けてきました。
ここ数年は、入退院も繰り返していたのですが、ステロイド剤が効かなくなっていることを感じ、また副作用と思われる状況もあるので、ステロイド剤以外の治療法を探していたところ、脱ステロイド剤を行う病院で脱保湿が必要であることを言われ、1年以上、実践しています。
ただ、明らかにカサカサした状態から痒みもあり、これを乗り越えないとだめだといわれていますが、脱保湿を始めてから症状が良くなったようには感じません。
脱保湿という方法はアトピー性皮膚炎に有効なのでしょうか?
また、どれくらいの期間続ければ、効果がみられるものなのでしょうか?
最初に病院から聞いた説明では、数か月で効果が現れ始める、ということを聞いていましたが、最近では自分の体が保湿できるようになるまで、何年かかかるかわからないこともある、と話が違ってきているので、不安です。
アドバイスしてください。

 
Uさん、こんにちは。
まず、脱保湿について考える前に、自分の体が行っておる「保湿」とはどのようなものか、また保湿がアトピー性皮膚炎にとってなぜ必要なのかを考えてみたいと思う。

まず、なぜアトピー性皮膚炎の方の場合、保湿が必要なのかと言うと、「バリア機能の問題」そして「痒みを知覚する神経線維の問題」の二つが考えられるじゃろう。

最初に「バリア機能の問題」から見ていきたい。

 

●バリア機能の問題

皮膚は、「最大の臓器」と言われておるぐらい、体にとって大切な器官じゃ。
大まかには、体液の流出を防ぐこと、体温の維持などの働きがあるが、アトピー性皮膚炎の考えた場合には、外部からの異物の侵入を防ぐことが大きな目的と言えるじゃろう。
体液の流出については、表皮と真皮の両方が関わる問題じゃが、外部からの異物の侵入という点については、表皮がある程度、ダメージを受けた段階で生じてくる問題になる。
表皮の中の角質層は、簡単なイメージで言うと、レンガを積み重ねてような状態じゃ。
このレンガがきちんと、積み重なっている状況の場合は、外部からの異物の侵入をある程度防げているのじゃが、一部の「レンガ」が壊れたり、レンガとレンガをつなぎあわせている部分が壊れたりすると、「隙間」が生じて、異物の侵入を許しやすくなる。

一部の研究では、アトピー性皮膚炎のヒトの皮膚はセラミドが足りない、という報告があるが、セラミドは、レンガとレンガをつなぎとめている部分に関わる脂質(細胞間脂質)じゃ。
このセラミドが足りないことで、隙間を作りやすい、また、角質層内の水分を蒸発させてしまう、ということが生じる。

外部から異物の侵入を許しやすい=異物による炎症反応が生じる、あるいは異物による刺激で痒みを知覚する、といった状況が生まれる。
このように、健全な皮膚の状況を保つには、まずは健全な「角質層」の状態を保つことが必要、ということになるじゃろう。
そして、健全な「角質層」の状態を保つことが、バリア機能を健全に保つ、ということにつながる、逆に言えば、バリア機能に異常状態が生じている=健全な角質層が保たれていない、ということでもある。

ちなみに、バリア機能の異常状態をもたらす原因は、セラミドだけにあるのではない。
アトピー性皮膚炎による痒みから、皮膚を掻き壊してしまえば、当然、角質層にダメージを受ける=バリア機能が低下した状態、ということにつながってくる。

いずれにせよ、バリア機能を健全に保つことが一つ、大切であることが分かるじゃろう。

次は「痒みを知覚する神経線維の問題」について述べたいが、長くなるので、続きは明日じゃ。

 
おまけ★★★★中田のつぶやき

セラミドは、角質層を健全に保つために、大切な成分ですが、ヒトのセラミドを考えた場合、皮膚にセラミド成分を塗布するよりも、セラミドを自らが作り出せるよう摂取することの方が大切であることが分かっています。
これは、皮膚にとって必要なセラミド(細胞間脂質)には、いくつかの種類があり、それらを有効的にかつバランスよく「配置」するためには、体内でセラミドを作り出すことが必要だからです。
よく、セラミド入りのスキンケアアイテムがありますが、もっとも効果的にセラミドを利用するためには、皮膚への塗布より、サプリなどからの摂取が必要だと言えるでしょう。