アトピーを考察する(原因は?・3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 
昨日は「免疫機能の異常」について取り上げました。今日は「皮膚機能の異常」について考えてみたいと思います。

皮膚機能の異常、とは一言で言うならば、「保水機能の低下」ということです。
角質層内の水分を保持することが十分に行えないことで、皮膚が乾燥します。
角質層が乾燥すると、本来、真皮内まででとどまっているはずの痒みを知覚する神経線維が、角質層内に伸びてきて、皮膚の刺激を直接、痒みとして知覚しやすくなります。
さらに、角質層内の水分が保持できない状態=皮膚のバリア機能の低下した状態、ともいえ、大気中のさまざまな異物(アレルゲン、細菌など)が、皮膚から侵入することで、免疫機能の異常状態がある方の場合、アレルギー症状を引き起こしやすくなります。

では、なぜ皮膚の保水機能が低下しやすくなったのでしょうか?

最近、アトピー性皮膚炎の方を調べて分かっていることとして「角質層内のセラミドが不足している人が多い」「TGFβに関与するフィラグリンの遺伝子の影響」などが挙げられます。
しかし、いずれの原因も、「全てのアトピー性皮膚炎」の人に共通するファクターではありません。
あくまで、一部のアトピー性皮膚炎の人に見られる状況、ということなのですが、ここにも、一昨日に述べた「アトピー性皮膚炎は、いくつかの異常状況の集合体(症候群)と考えれる」という要因にもなっています。

遺伝的要因が、主要因ならば、遺伝子の改変自体は、かなりの世代間が必要でもあり、もっと昔から多くのアトピー性皮膚炎の患者がいたはずです。
ということは、この遺伝的要因については「プラスα」の要因が絡むことで、角質層の異常状態を発現している、と考えた方が自然のように思います。

セラミドについても、同様のことが言えます。

では、このプラスαの要因が何か、というと・・・ここが難しいところです。

エアコンの普及によって、四季を通して皮膚が乾燥しやすい状況が生まれている、水道水中に含まれる塩素が皮膚に与えている影響、化学繊維の発達による皮膚への影響、合成洗剤や合成の洗浄剤による皮膚への影響、などさまざまな要因が言われていますが、どれも決め手に欠けた状況です(必ず共通して現れる要因ではないため)。

ただ一つだけ言えることは、ここ最近になって私たちが生活の中に取りいれたものの中に、最大のヒントが隠されている、ということでしょう。
日本という国で考えると、北海道から沖縄まで広い範囲でアトピー性皮膚炎患者はいますので、過去からの増加の状況を加味すると、やはり最近の私たちの生活環境そのものを見つめ直す必要があると思われます。

いずれにせよ、免疫機能の異常とは違い、皮膚機能の異常については、その根本的原因はこれから探っていく必要があると言えます。
そのため、現状の対策として考えるならば、皮膚機能の異常については「スキンケア」が基本となります。
もちろん、「スキンケア」そのものが皮膚に対する影響を与えていた場合、逆効果、ということもありますが、これまでアトピー性皮膚炎を改善してきた人たちを見る限りにおいて、正しいスキンケアを行うことは逆の負荷を与えているリスクは、極めて低いと考えます。

ということで、3日間にわたり、アトピー性皮膚炎の原因とは何かについて考えてみました。
一言で言うならば「私たちを取り巻く生活環境」そのものに原因が深く関わっている、と考えられます。

便利な生活は私たちが求めて「得た」ものです。
健康な生活も私たちが求めて「得られる」ことはできます。
ただ、健康な生活と便利な生活は、相容れない部分もあることを忘れないようにしたいものです。

アトピー性皮膚炎の治療は、「痒み」の治療であれば、病院で受ける「投薬に頼る」ことも一つの方法であると言えます。
しかし、アトピー性皮膚炎という病気そのものを克服していくことを「目指したい」のであれば、アトピー性皮膚炎の原因そのもに深く関わっている「生活」そのものを見直すこと、特に、化学物質、代謝(運動や入浴)を重視することは大切であると言えるでしょう。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今の生活の中で「便利な部分」を失うことは、もはや不可能じゃ。
車がない、電気がない、添加物が含まれない、農薬を使わない、こういった生活を送ることは、現実的ではないし、さまざな弊害すら生まれるじゃろう。
ここで大切なのは、便利な生活の中で、どのような健康な生活を送るか、ということじゃの。