アトピーを考察する(原因は?・1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 
今日は、アトピー性皮膚炎の原因について、考察してみたいと思います。

先日(12/14)、博士が今年度の学校保健統計調査の速報結果について、ブログで書いていました。

 
●23年度学校保健統計調査の結果
http://blog.atopinavi.com/2011/12/14/
 

昨年の統計調査(幼稚園3.28%、小学校3.38%、中学校2.56%、2.23%)と比較すると、わずかに減少しましたが、それでも多くの患者がいることが分かります。
統計調査の最初が、アトピー性皮膚炎に関しては平成18年度からしかありませんが、厚生労働省の調査結果などを見ると、昭和50年代ぐらいから増加の傾向がみられるようです。
では、なぜ、ここ20年ほどでアトピー性皮膚炎の患者が激増したのでしょうか?

アトピー性皮膚炎という疾患自体は、太古の記録では、帝政ローマ時代からみられていたようです。
江戸時代などにも、アトピー性皮膚炎と思われる記述が残されているようで、そのため、「現代病」として認識するのはおかしい、という意見があるようです。

しかし、問題は疾患の「割合」を考えなければなりません。

帝政ローマ時代や江戸時代に、子どもたちの100人に3人もアトピー性皮膚炎で悩んでいたでしょうか?
もし、そうならば、もっと多くの記述が残されているはずでしょう。
もっと、近い時代を考えても、戦前、戦後すぐのころは、そういった記録、記述も多くはありません。
「アトピー性皮膚炎」という疾患名自体が1923年に命名されたと記録がありますが、1930年~1960年代頃は、まだ一般には認知すらされていない状況でした。
アトピー性皮膚炎という言葉自体が、認知されてから、まだ10~20年ほどしかたっていないでしょう。

つまり、太古からみられた疾患ですが、最近になって急増した疾患でもある、と考えられるでしょう。
アトピー性皮膚炎は、これまでブログで述べてきたように、痒みを生じる原因そのものが「免疫機能の異常」「皮膚機能の異常」の二つが関与していると考えられています。
おそらく、それ以外の原因もあるのでしょうが、まだ分母が小さく(稀な原因)、今後、そういった原因を元にした患者が増えてくれば、第三、第四の原因が明らかになってくるかもしれません。

そういった点で考えるならば、アトピー性皮膚炎とは、単一の疾患ではなく、「症候群(シンドローム)」的要素が強いと言えます。
本来ならば、免疫機能、皮膚機能、あるいは何らかの原因が関与することで、「皮膚に炎症、痒みをもたらす」状況を統一して、「アトピーシンドローム」と表現する方が自然なのかもしれません。

例えば、現在、分かっている「免疫機能の異常」と「皮膚機能の異常」も、細かな原因そのものは別にしても、痒みが生じる「機序」そのものも違っており、現在の病院で行われている治療法、ステロイド剤やプロトピック軟膏など免疫抑制効果を持つ薬剤による治療自体が、二つの原因を共通してカバーできていないことが分かるでしょう。

そして、太古の昔からアトピー性皮膚炎そのものが存在したと「仮定」すれば、現在、増加しているアトピー性皮膚炎とはまた違った原因から生じている可能性も十分にあると思われます。

そういった点で、アトピー性皮膚炎の原因そのものは、特定の単一の原因に絞り込むことは難しいことが、まず、言えると考えられます。
そこで、今回は、現在、明らかになっている「免疫機能の異常」そして「皮膚機能の異常」の二つに絞って、原因を考えていきましょう。

続きは明日です。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

今、アトピー性皮膚炎患者が認識しておる「アトピー性皮膚炎という病気」そのものについては「皮膚の痒み」という状態を指しておることが多い。
じゃが、これまでブログで何度も述べてきたように、これは「風邪という病気」を「熱が出る病気」と言っているのと同じじゃ。
もちろん間違いではないが、それが全てではないし、また風邪=熱と考えると、病気の本質を誤るように、アトピー性皮膚炎=痒みと断定してしまうことは、痒みという症状の治療は行えても、アトピー性皮膚炎という病気の治療には至らないこともある。
病気と症状の違いは、しつこいようじゃが、正しく把握しておくようにしたいものじゃ。