ポリオの予防接種とアトピー

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
ブログで、これまで何度か取り上げた、ポリオの予防接種で「生ワクチン」と「不活性化ワクチン」についてですが、神奈川県で、不活性化ワクチンの接種を、開始したという記事がありました。

 
●ポリオワクチン:不活化輸入へ 来月、接種開始 /神奈川
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111117-00000185-mailo-l14

県は16日、ポリオ(小児まひ)の不活化ワクチンによる予防接種について、11月中に予約を始め、12月中旬にも予防接種を始めると発表した。県内3カ所の保健福祉事務所で接種料金6000円で始める予定で、受け付けの日程は決まり次第公表する。
接種を担当する独立行政法人「県立病院機構」で医師と会場を確保できる見通しが立ったことから同日、輸入の手続きを開始した。ワクチンは仏・サノフィパスツール社製で当面、1カ月分として1200本を輸入し、追加が必要になり次第、その都度輸入するとしている。
対象は県内在住の生後3カ月以上18カ月未満の乳幼児。ぜんそくやアトピーなど、基礎疾患がある場合は接種できない。黒岩祐治知事は「本来は国がやるべきこと」と緊急輸入をしない国の現状に不満をあらわにした上で、補償がないことに触れ、「副作用はほとんどなく、私は不活化ワクチンを打った方がいいと思っている」と話した。

 
国の不活性化ワクチンの承認は来月になる見込みで、神奈川県では承認をまたずに接種を開始する、ということになります(承認はあくまで行政が行う手続き上のプロセスに過ぎず、今回の不活性化ワクチンの諸外国の実績などを踏まえれば、薬の安全性、信頼性を否定する、ということではありません)
このこと自体は、マヒが100万人に1人の割合で起きる恐れがある生ワクチンからの切り替えを、患者のリスク回避のために、国の承認を待たずとも行うことになったということで、一定の評価は受けるべきでしょう。

今回の記事で気になったのは、不活性化ワクチンの接種できない対象に「アトピー性皮膚炎」が明示されていたことです。
ちなみに、生ワクチンの場合には、薬の添付書にはアトピー性皮膚炎は指定されていません。
今回の不活性化ワクチンの添付書が入手できていないため、禁忌事項として指定されているのか、あるいは行政の判断(基礎疾患とひとくくりにした中の一例としてアトピー性皮膚炎を取り上げたのか)なのかはわかりませんが、アトピー性皮膚炎の患者がどうすれば良いのか、気になるところです。

ちなみに、生ワクチンの薬の添付書には、禁忌事項として指定されている中に、相互作用の面から禁止されている薬剤に「副腎皮質ホルモン(ステロイド剤の成分)」「タクロリムス(プロトピック軟膏の成分)」があります。
これは、それらの成分が免疫抑制効果を有するため、生ワクチンのウィルスの感染を増強、あるいは持続させるため、とありますが、現在、それらの薬剤を使用中のアトピー性皮膚炎の方は、少し注意した方が良いかもしれません。

予防接種の可否については、いろいろと意見があるかもしれませんが、接種する場合には少なくとも、子どもにとって最もリスクが軽減された形で行いたいものです。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

予防接種は、受けることの利益、リスク、受けないことの利益、リスクが、社会全体の公益性の問題とも関わってくるため、非常に難しい面があります。
これから冬に入り、インフルエンザが流行すると、その予防接種もいろいろと話題になってくるのでしょうが、効果の問題も加わることで、どのような選択(受ける、受けない)を行えばよいのか、情報をしっかりと得た上で判断して欲しいと思います。