【Q&A】アトピーは遺伝するの?(3)

今日も、昨日の続きで、アトピー性皮膚炎の遺伝を考え、そしてまとめてみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日は、アレルギー反応のことを、下痢や目の下のクマ、花粉症で例にあげたが、アトピー性皮膚炎も同様じゃ。
生後間もない子どものアトピー性皮膚炎の場合、妊娠期間中、そして生後間もない生活環境の負荷が、体が許容しきれなくなった、ということが原因として考えられるし、小学生以降の発症は、毎日の生活習慣の中に原因が潜んでいることが多い。

じゃから、今、生活の負荷を抱えている人は、そういたアレルギーを出す「遺伝子」そのものは持っておるのじゃから、いつ、花粉症やアトピー性皮膚炎になってもおかしくはないし、だからこそ、近年、花粉症やアトピー性皮膚炎が増加しているのじゃ。

アトピー性皮膚炎の遺伝子を持つことは、決して間違いではないし、Nさんにそういう話をした親族の人もアトピー性皮膚炎の遺伝子そのものは持っておるはずじゃ。
じゃが、その遺伝子が強く現れない人は、生活上の負荷を抱えていると(睡眠、食事、運動、ストレスなど)かなりの負荷がたまりきらない限り、そういった症状(アトピー性皮膚炎)を出すことはなく、気が付くと、「生活習慣病(成人病)」の方が先に発症してしまった、ということもあり得るかもしれん。
逆に、アトピー性皮膚炎の遺伝子が強く出ている人は、そういった生命に危険が生じる疾患に至る前に、生活を改善できるチャンスを、アトピー性皮膚炎により「得られた」と言っても過言ではないじゃろう。

今の私たちの生活は、便利にはなった。
じゃが、生体が「健康」でいるために必要な「条件」は少しずつ失っておる。
電車は交通網が発達することで、歩くことは減った。
じゃが、体は本来必要な代謝を得ることはできなくなった。

いつでも、季節を問わずいろいろな食物を食べれるようになった。
その分、添加物や農薬などの負荷を受けることになった。

深夜まで楽しいテレビ番組を行っていて、飽きない生活になった。
その分、睡眠の量が減るようになった。

犯罪が増え、公園で子どもを一人で遊ばせることができず、家でテレビゲームをすることが多くなった。
そして、子どもが幼体の時代に必要な代謝量を得られなくなった。

こういったように、文明は進歩し、生活は豊かになったかもしれんが、健康に関して言えば、「健康弱者」の環境におかれてしまったとも言えるじゃろう。

長々と三日間にわたって書いてきたが、最後にまとめじゃ。
アトピー性皮膚炎の遺伝子は確かに遺伝するかもしれん。
じゃが、Nさんが、生活の中でアトピー性皮膚炎を克服してきているのであれば、その同じ生活環境で過ごすNさんのお子さんが、アトピー性皮膚炎を発症するための条件が整うことは、極めて低いじゃろう。
じゃから、心配することはない。
アトピー性皮膚炎を引き起こす体質は遺伝しても、アトピー性皮膚炎という病気そのものは遺伝せんのじゃから。
そして、万一、アトピー性皮膚炎が現れてきたなら、体が今の生活に対する「警告信号」を発してく
れた(将来、もっと重大な影響を体が受ける前に)わけじゃ。
そういった体の防衛機能を持つこと自体は、これからの私たちの生活環境を考えていった場合、決して無駄ではないし、意味がないこともない。
逆に、アレルギー反応を出す力を持った人が、アレルギー症状を出さない生活を行うことこと、本当の意味での「健康な生活」と言えるじゃろう。

以上じゃ。
Nさんが、素敵な結婚生活を送られることを祈っておる。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎、そのものはここ10年ほどで、社会にある意味「受け入れられるように」なってきたと言えるじゃろう。
それこそ、30年ほど前は、「アトピー性皮膚炎」という言葉も、十分、浸透しておらず、周囲から「痒くて会社を休むなんて・・・」という誤解も実際にあったほどじゃ。
じゃが、病気は知られても、その実態はまだ浸透してはおらん。
花粉症も、「花粉予報」が朝の情報番組で出るようになって、まだ10年もたっておらんが、アトピー性皮膚炎も、「正しく理解」されるには、まだ時間が必要かもしれん。
じゃが、少なくとも、アトピー性皮膚炎を「出せる」人は、体の防衛機能からいえば、そうでない人と比べて、「優秀」な面もあるのじゃ。
もちろん、症状が出ていれば、辛いわけじゃし、そんなことは言っておれんじゃろう。
しかし、決してアトピー性皮膚炎そのものを悲観することはない。
社会が、「正しく」アトピー性皮膚炎を理解してくれるように早くなることを望みたいの。