ポリオワクチンと行政の対応

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

 
国が行う行政は、本来、国民の立場に立ったものでないといけないはずだが、国民の立場からみると、そうとは思えないケースも最近は増えている。
先日、Webでポリオの生ワクチンのニュースが出ていたので紹介したい。

 
●ポリオ予防接種 神奈川・黒岩知事の不活化ワクチン独自導入決定に小宮山厚労相が批判
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20111019-00000810-fnn-soci

ポリオ(小児まひ)の予防接種について、神奈川県の黒岩知事が未承認の不活化ワクチンの導入を独自に決めた。
これに対して、小宮山厚労相は「予防接種の行政上、望ましいことだと思わない」と批判をし、両者の対立姿勢が鮮明になってきている。
18日、小宮山厚労相は「予防接種の行政上、望ましいことだとは思っていません」と述べた。
小宮山厚労相は、18日の会見で、「都道府県が未承認のワクチンを導入すると、結果的に全国的に生ワクチンを控える人が出てきて、免疫を持たない人が増加するおそれがある」などと述べ、国の承認を待たず、独自の導入を決めた神奈川県の対応を批判している。
不活化ワクチンは、2012年度中に承認される見通しだが、承認まで接種を見合わせる、いわゆる「接種控え」が広がっている。
19日朝、神奈川県の黒岩知事は、「不活化ワクチンを使うというのは、世界の常識なんですね。それをいまだに、危険のある生ワクチンを使っていること自体、非常におかしな問題です。望ましくない対応をしているのは、国の方です」と述べ、あらためて不活化ワクチンの早期導入を強く求めた。

 
ポリオの生ワクチンの問題については、摂取した子どもだけではなく、その周囲で未接種の子どもにまで発病させたケースが報告されたように、子を持つ親が生ワクチンを敬遠したい、という状況が生まれていた。
もちろん、こういったマイナスの影響が出る確率は高くはない。
だが、不活性化ワクチンにより、そういったマイナスの影響はさらに低くなる、ということであれば、リスクを少しでも軽減したい、という親の考えも理解できる。

今回の厚労省の対応だが、不活性化ワクチンを決めた神奈川県の知事を批判することで、不活性化ワクチンでないと摂取したくない親の「摂取控え」を多くする可能性があり、結果的に、摂取しない子どもが増える=ポリオのリスクが増加する、という、おかしな自体を生むことにもつながりかねない。

承認の問題があるのは十分に分かるが、「一部の犠牲を出しても予防接種の行政上、生ワクチンを摂取させることが望ましい」のだろうか?

今回の、福島原発の問題でも、かなり浮き彫りになったが、低レベルの放射線の影響は、確率上から低いものではあるが、それを受けることで、逆に一定割合で影響を受ける人が出てくることになる。

その「低い確率」を心配して、極力、我が子へのリスクを軽減すべく、食品や居住地に対する放射線の影響をできるだけ低いものへ、と考える親の考えは、「選択肢」という中で決して誤ってはいないだろう。
万一、今後、低レベルの放射線の影響が実体化してきた場合には、そういった低レベルの放射線を容認してきたこと自体が恐らく責められるだろう。
そして、子どもに何らかの影響がみられた場合、低レベルの放射線を全く気にしなかった親は、どう考えるのだろうか・・・

リスクが生じても、それに対する有益性(ポリオを防ぐなど)、あるいは必要性(放射線による影響で経済に大きな影響を与える恐れがある、など)から、容認しなければならないことはあるだろう。
しかし、それ(リスク)を望まない人が誤り、ということではないわけだし、リスクを軽減できる方法があるのであれば、それを求めるのは、当然こととも言える。

行政が「どこを向いて」、ものごとを行うべきなのか、私たち国民のために、考えて欲しいと思う。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

今回のポリオの問題では、下記のような記事もある。

●「ポリオ生ワクチンでも接種を」厚労省呼びかけ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/530673/

いわゆる、一定確率(100万人で1.4人)で麻痺がおこる恐れがあるが、ワクチンを摂取しないことで、ポリオが流行する恐れがあるので、ワクチンを摂取しましょう、というものだ。
だが、問題は、そのリスクを軽減できる不活性化ワクチンがあり、一部では自費での摂取も行われている、ということだ。
我が子に万一にも、ワクチンを摂取したことによる副作用の「麻痺」を起こさせることがないよう、一定確率のリスクを敬遠する親は、果たして間違っているのだろうか?
麻痺のリスクを考え摂取を見合わせている親は、ポリオが流行することで感染するリスクも同時に負っている、と言える。
今年の年末には承認見込みのワクチンの承認を、数カ月早めることに「法律上の大きな障害」があるのかもしれないが、法律とは本来、国民のためにあることも忘れて欲しくはない。