免疫を活性化させるたんぱく質

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
先日、免疫に関する新たな研究結果の記事がWebでありましたので紹介します。

 
●免疫活性化促すたんぱく質、愛工大教授ら特定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110928-00001339-yom-sci

人など哺乳動物の体内にあるたんぱく質「STING(スティング)」が、細菌が持つ超微量の化合物「c―di―GMP」と結合することで、高い免疫機能を発揮するようになることを、愛知工業大学(愛知県豊田市)の早川芳宏教授(核酸有機化学)らの研究グループが発見した。

結合のメカニズムを詳しく解明できれば、免疫活性化を促し、がんやエイズ、インフルエンザなどにも効く治療薬や予防薬の開発につながる可能性があるという。

研究成果は、英科学誌「ネイチャー(電子版)」に掲載された。

c―di―GMPは、細菌の抗・殺菌剤などへの耐性化を進めたり阻害したりする働きがあり、感染力の強弱を左右する。微量で壊れやすいが、早川教授が2004年に大量合成法を開発。国内外の生物学者らに多量のサンプルを提供し、共同研究を進めてきた。

これまでに、薬が効きにくい薬剤耐性菌に感染したマウスにc―di―GMPを投与し、未投与のマウスと予後を比較する実験などを実施。毒性の強いメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を用いたケースでは、未投与のマウスの7日以内の生存率が33%だったのに対し、投与したマウスは88%となるなど、免疫活性化によって細菌やウイルスへの抵抗力が飛躍的に高まることを確認した。

細胞レベルの実験では、人の大腸がん細胞の増殖を抑える作用も確認できているという。

免疫機能に関わるたんぱく質は、適合する化合物と結合することで初めて機能する。このため、新薬開発などには、c―di―GMPと相互適合するたんぱく質を特定する必要があった。MRSAを使った実験の段階では不明だったが、米・カリフォルニア大学バークレー校のラッセル・バンス博士との共同研究で、STINGだけがc―di―GMPを取り込むことが分かった。

 
アトピー性皮膚炎に直接関わる免疫の話ではありませんが、免疫機能に対してそれぞれ関与するたんぱく質があるということは、アトピー性皮膚炎の方が罹りやすい感染症などに対する適応なども、今後、考えられるかもしれません。
特に、最近は、耐性菌が問題になることも多く、免疫抑制作用を持つ薬剤(ステロイド剤やプロトピック軟膏など)が、主たる治療法となっているアトピー性皮膚炎の場合、こういった感染症の問題は切り離せないものとなりつつあります。

また、アトピー性皮膚炎自体、免疫が関わる疾患でもあるので、そういった点でも、何らか関与するたんぱく質が明らかになることがあるかもしれません。
いずれにせよ、こういった分野の研究が進むことは、これからのアトピー性皮膚炎の治療という分野でも期待したいところです。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎の研究の中には、免疫を活性化させることでのものも一部あるのじゃ。
例えば、ヘルパーT細胞の1型(感染症などに関する免疫)と2型(アレルギーに関する免疫)は、それぞれが相関関係にあることがわかっておるが、1型を活性化させることで2型を抑制させるとされておる。
これに最近は3型も関与していることが明らかになったのじゃが、いずれにせよ、体内の免疫はそれぞれが関与しながらバランスを保っておると言えるから、こういった活性化させる研究は、同時に抑制する研究にもつながるはずじゃから、期待したいの。