放射線と対策と、これから

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

 
先日、福島原発事故の影響として、ある先生が、ヨウ素129のことについて気になる、という話をされていた。

放射性物質で、「ヨウ素」と言えば、ほとんどの人はヨウ素131を思い浮かべるだろう。

ヨウ素131は半減期が8日間なのに対して、ヨウ素129の場合、半減期はなんと1570万年となる。
しかし、一つの放射性物質が持つ放射線自体のエネルギーは大きく違わないため、見方を変えれば、ヨウ素129が1570万年かけて放出エネルギーをヨウ素131はたった8日間で放出してしまう、つまり放射性物質の影響の強さは、ヨウ素131の方がはるかに高い、とされているようだ。

だが、心配なのは、「低量性被曝」の問題だろう。
急性の放射能障害は、もちろんヨウ素129は、今回の福島原発事故を考えると、ほとんど影響を与えないだろうが、晩発性の障害となると、内部被曝した場合、体内にとどまる限りは同じレベルの影響を受け続けることを考えると、その影響は無視できるものではない、というのが、その先生の考えだった。

テルル129は、約70分でテルル129Mに変わり、その後、約33日間でヨウ素129になるそうだ。
また、ヨウ素129は、同じウランから作られる量は、ヨウ素131よりも少ないといわれているが、それでも約3分の1の量が作られている。

もちろん、どれくらいの影響がみられるのかは、今後、次第ではあるので、問題視する必要のない影響でとどまることもあるだろうし、晩発性の影響が十年後に問題化することもあるかもしれない。
ただ、同時に、放射性物質の対策を心がけるのと心がけないのとでは、こういったリスクの軽重の問題が生じることも確かだ、ということである。

次の記事を見ていただきたい。

 
●“ミスター1ミリシーベルト”が語る、10年後の自分のための被曝対策
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110926-00000305-playboyz-soci

福島第一原発の事故以降、テレビなどで被曝量の限度を定める国際基準「1ミリシーベルト」を厳守することを主張してきた中部大学の武田邦彦教授。旭化成工業でウラン濃縮研究所所長を務めたこともある教授は、放射能の専門家として数々の危険性を指摘してきた。

9月4日に放送されたテレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」では、東北地方の野菜や牛肉を「健康を害するから捨ててもらいたい」と発言。名指しで危険性を言及された一関市が抗議する騒動にまでなった。そんな武田教授に、もはや放射性物質が広く拡散してしまった現在の被曝対策を聞いた。

まず第一に、「放射線量の高い地域から低い別のところに逃げること」が重要という。

「放射性物質は目に見えない、ごく小さいもの。大気中を漂い、雨粒とともに地表に降り注がれたため、地面に近いほど線量が高いんです。だから、4階以上に移ったほうがいい。コンクリートの建物が有効。木造はダメ、放射線を遮断できませんから」

とはいうものの、現在の住居から上記の条件へ引っ越すことがすぐにできる人など、そうそういるものではない。では、今までどおり暮らしながらどんな点に気をつければいいのか。

「キレイに掃除すること。ポイントは床と壁、換気扇、エアコン。ここを掃除しただけで被曝量を3分の1に減らせます。セシウムは水に溶けやすい性質を持っているので、から拭きではなく水拭き。ダニ除去剤を使うとさらに効果的です。掃除のときはビニール手袋とマスクを忘れずに。使った雑巾はビニール袋に密封して捨てる。掃除機だと排気で放射性物質が舞い上がってしまいますから、カーペットは粘着シートでコロコロ。放射性物質は黄砂や花粉と同じなので、家に入る前に払い落とすだけでも随分違います」

また、人間には放射性物質を体内に取り込んでも治癒する力があるという。だが、それには酵素などの修復材が必要。酵素をつくり出すには、バランスのよい食事と十分な休養を取ること、それと朗(ほが)らかに生活することが免疫力を高めるコツとのことだ。

「被曝した後は自然治癒力が最も強くなります。引っ越せなくても放射性物質の少ない場所に移動し、しばらく体を休めるのがいいでしょう。被曝量が減るだけでなく、回復力が働きます」

過剰反応しすぎだと何もしないでいるか、10年後の自分のために今から少しでも被曝量を減らす対策を続けていくか、今が決断の時だ。

 
この記事を読んで、対策が必要と思うか、必要ないと思うかは、読んだ人の考え方次第であるのは確かである。
また、その答えの「正解」は今は不明な現状だ。
ただ、その先生が言っていた言葉で気になるのが、ガンやアレルギーの増加が、大気圏内核実験が行われて以降、増えている、ということだ。

1960年代ころから、世界中で大気圏内での核実験が盛んに行われた。
それによる放射性物質の降下は、気流に乗って、世界中に及んだわけだが、アレルギーやがんなどの免疫系が関わる疾患が、それ以降、明らかに大きな増加傾向を示しているらしい。

もちろん、ガンやアレルギーの原因が、これらの放射性物質の晩発性の影響によるもの、という証明はないし、時期的に偶然重なっただけ、という見方もできる。
だが、もし何らかの影響が考えられた場合、今回の福島原発事故の影響は、アトピー性皮膚炎で考えると、おそらく10年単位の後にみられる恐れがある。

いずれにせよ、潜在するリスクをどのように捉え、対処していくのかは、その人次第にはなるが、少なくとも、こういったリスクが存在するということは知っておいて欲しいし、その方が、万一リスクが顕在化した場合には、素早く行動できるだろう。

アトピー性皮膚炎が、免疫が関わる要素がある以上、免疫に影響を与えるリスクについては、多少なりとも目を向けておいた方が良いのかもしれない。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

原発事故の話題は、ニュースとしてはかなり減っている状況だ。
福島原発の状況も、かなり改善したというイメージを持っている人も多い。
だが、事故以降、「冷温停止」に向けて進んではいるが、約半年以上、放射性物質が出続ける状況に変化がないことも事実だ。
以前、京大の原子力研究所の小出先生を取材した際、メルトダウンして、格納容器の外に燃料が出てい場合、回収することは今の人類の技術では難しい、という話をされていたことが気になる。
もちろん、早急の収集が最も望まれることではあるが、知らしめるべき情報は、直前まで伏せずに、早めに周知して欲しいものだ。
それが、放射性物質に対する「各自の対応」にもつながるだろう。