【Q&A】睡眠がとれない場合の対処とは?(2)

今日は、昨日の続きじゃ。
もう一つの質問について見ていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
2.昼夜逆転の生活を改善するにはどうすればよいか?

 

アトピー性皮膚炎の症状が悪い場合には、この「夜の睡眠をとる」ということは案外に難しいものじゃ。
体内の炎症を抑える働きを持つ副腎皮質ホルモンは、体内では、通常の睡眠をとれている方の場合、明け方に最も多く作られる。
よく、夜、寝れないアトピー性皮膚炎の人が、明け方になるとようやくうとうとできる、というのも、この体内の内分泌の産生によるところが大きい。

明け方に作られた副腎皮質ホルモンは、その日の行動で消費されていき、日中にはあまり作られることはない。
したがって、次に迎えた夜には、体内の副腎皮質ホルモン量は少なくなっておることになる。
通常であれば、夜は「寝ている」状態のため、副腎皮質ホルモンを消費する「機会(糖質の代謝、ストレスへの対応など)」は少ないから、特に問題はないのじゃが、アトピー性皮膚炎の人の場合、痒みつながる「炎症」が起きている場合、少なくなった副腎皮質ホルモンでは十分に対応できず、そのため、夜は痒みが出やすい傾向がみられる。

また日中と違い、夜間は温度も日中よりは下がることになり、気温の下降=湿度の低下、とも言え、乾燥傾向が強い冬などの季節には、夜は乾燥から来る痒みも生じやすい。

このように、さまざまな理由により、夜はアトピー性皮膚炎の人の場合、痒みが生じやすい=眠りにくい、という状況が生まれるわけじゃ。

では、この昼夜逆転の生活はどのように改善すれば良いのか?というと、「夜、眠れるようになることが必要」ということじゃな。

当たり前のことじゃが、ここで矛盾が生じておる。
「痒みがあるから夜、眠れない→、夜、眠れないからアトピー性皮膚炎の改善が進まない」という傾向もあり、夜、眠れるためにはアトピー性皮膚炎の改善が必要となるからじゃ。
じゃが、昨日のおまけに東君が書いておったように、実際のアトピー性皮膚炎の克服者に話を聞くと、アトピー性皮膚炎が良くなって、夜、眠れるようになった、という人より、夜、眠れるようになってからアトピー性皮膚炎の症状が良くなり始めた、という人の方が多い状況にある。

よほど特異的な体質がない限り、ヒトは、一定時間以上、「眠れない」でいることはできない。
何が言いたいかと言うと、もう一つの考え方として、「夜、眠る」という行動を重視するのではなく「昼、眠らない」という行動を重視する、ということじゃ。

昼、眠れないことを徹底すれば、いつかは眠る以上、必然的に、夜は眠れることになる。

ただ、そうなると一昼夜以上、一睡もしない日が出てくるために、体力的な負担も大きく、体調的な悪化も見れやすくなり、それがアトピー性皮膚炎の悪化要因となることもある。
そのため、昼夜逆転を改善できるまでは、ある程度、生活面でのサポート(休職や休学など)も必要になるじゃろう。
中には、睡眠誘導剤などを利用して、夜、眠ろうとする人もおるが、睡眠誘導剤に依存してしまうようでは困るので、そういった場合には、しっかり脱ステに関して経験が多い医師の管理の元、行う必要があるじゃろう。

いずれにせよ、ポイントは、「夜、眠る」ではなく「昼、寝ない」というところを重視する、ということじゃの。

その他、

1.夜は必ず布団に入る(うとうと、できることはあるので、夜は常に「寝れる体制を整える」こと)
2.就寝前に、睡眠を邪魔する行動を行わない(夜食を取る、就寝直前の高温浴での入浴(自律神経を交感神経優位に高めてしまう)、就寝直前の運動など)
3.就寝前は、睡眠をとりやすい環境と整える(暗くする、静かにする、など)

 

などの工夫は同時に行った方が良いじゃろう。
Iさんの場合、最近調子を落としているのであれば、アトピー性皮膚炎の状態が悪いと、いろいろ不安も感じて、余計に眠りにくいことがあるかもしれん。
じゃが、体調に波があるように、アトピー性皮膚炎の状態にも必ず波はある。
波の下だけ見ているのではなく、上も見ることで、状態の良い日を見つけ、自分の体で自分の体をコントロールできていることを自覚できれば、また気持ちも前向きになれるじゃろう。

今は、辛い時期かもしれんが、Iさんが、いち早く回復されることを祈っている。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

今日の博士のブログに補足しておきたいと思います。
リバウンド中の場合には、その状態が一定以上、安定して改善されるまでは、内分泌や自律神経の乱れが大きすぎるため、夜が眠れないことがあります。
こういった時期には、いくら無理して夜眠っても、元々の内分泌や自律神経の状態の改善が見られない以上、その先にある免疫機能の改善に、つながりにくい状態です。
そこで、リバウンド中に限っては、体調の維持を優先して、睡眠は「眠れるときに眠る」ことを心がけるようにしましょう。
なお、リバウンドからの回復が見られたときに、「昼、寝ない」という行動に取りかからないと、いつまでも昼夜逆転が続くことがありますので注意しましょう。