【Q&A】アトピーは薬で治るの?(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日は、症状を抑えるためにステロイド剤を使い続けることが難しい理由が、皮膚の受容体に関係していることを述べたが、今日は、もう一つの理由を書きたい。
それは、もっと根本的な理由で「ステロイド剤はアトピー性皮膚炎を治している薬剤ではない」ということじゃ。

これまでブログで何度も書いてきたことじゃが、一般の人は「病気」と「症状」を混同していることが多い。

「病気」とは、ある原因から導き出された体の異常状態のことを指す。
そして「症状」とは、体が「病気」に罹ることで示す「反応」のことじゃ。

例えば、「風邪」を例にとってみよう。

「風邪」という病気が何かと言うと、風邪の細菌、インフルエンザのウィルスなどに「感染した」という異常状態のことを指す。
そして「風邪」の症状が何かと言うと、風邪の細菌などに感染した結果、体がその細菌を排除するたために反応している状態じゃ。

細菌やウィルスは、増殖することでその影響を強くしていくが、増殖するためには一定幅の温度帯でないと効率よく行えん。
そこで、体は「熱」を上げて、風邪の細菌やウィルスの増殖を妨げようと「症状」を出すのじゃ。

咳やくしゃみも、気管支が細菌やウィルスを分泌液で捉え、それを体外に排除させるための働きじゃ。
鼻水が出るのも、鼻腔は外部からの細菌やウィルスを防御する砦ともいえる場所で、そこで分泌物を出し、外部からの外敵の侵入を鼻腔で留めるため、鼻水を出すのじゃ。
下痢もそう。
腸内における、細菌やウィルスを素早く体外に排泄させることが目的じゃ。
体がだるくなるのは、横になって体力を維持させ、免疫力を高めることが目的と言える。

では違う疾患も見てみよう。

異常状態、ということで考えれば、「骨折」もそうじゃろう。
この場合、「病気(怪我)」とは「骨が折れた」という異常状態じゃ。
そして「症状」とは、「痛み」「熱」の二つが代表的な症状じゃろう。

まず「痛み」じゃが、折れた部位が痛むのは当たり前じゃが、もし全く痛みがなかったらどうなるじゃろうか?
当然、可能な範囲で動くことができるわけじゃが、折れた部位が動くことは、その部位に負担を与え、場合によっては神経部位に致命傷的なダメージを受ける可能性が考えられる。
そこで、「痛み」という症状を出して、「動かせないように」しているわけじゃ。
「熱」は、骨折した部位は、炎症が生じておることが多い。
炎症をそのまま放置することは、そこに細菌などがいた場合は、増殖を促すことになるし、また骨折した部位を治すためには血液が治すための物質を運ぶ必要がある。
そこで、血流を良くしたり熱を持たせることで、治癒をスムーズに早めようとしているわけじゃ。

どうじゃろう?
「病気」と「怪我」といった「症状」を伴う異常状態を二つ例にとってみたが、ある共通したことがあることに気付いたかの?

そう、「症状」とは、基本的に体が、体に生じた異常状態から回復させるために作り出している「反応」、つまり自然治癒力の一貫である、ということじゃ。
「病気」とは、アレルギーを除き、主に、体外からもたらされることが多い。
アレルギーについても、体が過剰な反応の結果であることを考えると、仮想の外敵に対する反応とも考えられる。
じゃが「症状」については、100%、自らの体が作り出しているもの、ということじゃ。
外部から与えられる「症状」はあり得ない、つまり自らの体が作り出しているものである以上、それをなくすことも自らの体が行える、ということじゃ。

風邪が治れば「熱」「鼻水」「咳」などの症状も消える。
これは、体が必要ないと判断することで、作り出さなくなった結果じゃ。
骨折も、骨がつながれば、動くことが可能になるので痛みがなくなる。また炎症がなくなれば「熱」もなくなる。

このように、「病気」と「症状」は、ある意味、対極の位置にある存在なのじゃが、どうも一般の人は、この二つは同一である、あるいは似た存在であると勘違いしていることが多い。

では、アトピー性皮膚炎の場合、「病気」と「症状」はどのようなものなのか?
詳しくは、長くなったので、また明日じゃ。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

現在の西洋医学においては、基本的に治療自体は、病気に対して行うのではなく、症状に対して行う治療が多い状況です。
それは、症状そのものがヒトにとって不快な状況であることが多く、不快な状況が改善されればヒトは楽になったと感じ、治療の効果を実感しやすい、ということもあるのでしょう。
ただ、症状が治ることは、必ずしも病気が治ることを指し示してはいないことも忘れないようにしましょう。