【Q&A】放射能とアトピーの対策について

昨日、大田君が、放射性物質とアトピー性皮膚炎のことを、風評被害の視点からブログを書いていたが、読者から質問が来たので、紹介したい。

 

 

 

 

 

 

 

 
●Eさんからのご質問

こんにちは。いつもブログを拝見しています。
今日の、大田さんのブログを見ましたが、私も、今年の春は症状が安定しない日々が続いています。
例年と比較すると、イメージとして「何か足かせがついている」という感じです。
もしかすると、放射能の影響があるのかもしれませんが、一つ質問です。
私は東京に住んでいますが、何か放射能の対策は行った方が良いでしょうか?
また、どういった対策を取ればよいのでしょうか?
ブログにもアトピーと放射能の影響ははっきりしていない、と書いてありましたが、影響があると仮定した上で、お教えいただければと思います。
もし、影響が本当にあるなら、対策が可能なリスクだと思いますので・・・・
よろしくお願いいたします。

 
Eさん、こんにちは。
まず、放射性物質への対策が必要かどうかじゃが、「必要」と考えた方が良いじゃろう。
昨日の大田君のブログにもあったが、今年は春先の状態が悪化している人が多いように見受ける。
もちろん、放射性物質の影響は、その悪化要因として、確定したリスクではないが、可能性あるリスクであることは確かじゃから、アトピー性皮膚炎だけではなく生体のことを考えても、「状況によって」なんらか対策は行った方が良いじゃろう。

そして、ここでいう「状況によって」の判断じゃが、これが難しいかもしれん。
今、国で設けられている「暫定基準」が、安全性を確保しているとは思えない情報が、いくつも出てきておるからじゃ。
暫定基準に対する安全性の問題は、いろいろ難しい側面もあるので、今回は何を考えなければならないのかについて述べたいと思う。

まず、放射性物質の影響とは、「外部被曝」と「内部被曝」の二つを合計して考えなければならん。
外部被曝とは、体外から受ける「放射線」の影響じゃから、空間線量が高い地域を避けることで、被曝量を抑えることができる。
内部被曝とは、体内に取り込んだ「放射性物質」が体内に蓄積、その放射性物質から受ける「放射線」の影響じゃから、放射性物質を「吸い込まない」「食べない」「飲まない」ことで、被曝量を抑えられる。
外部被曝よりも内部被曝が深刻なのは、外部被曝が「場所」により影響を受ける=場所にいる間だけの一時的な影響なのに対し、内部被曝は、体内に放射性物質がある限り影響を受け続ける継続的な影響だからじゃ。
特に今、問題となっているセシウムの種類の半減期は十年単位じゃから、いったん体内に取り込むと、長期にわたり影響を受けてしまうからの。

まず、外部被曝、すなわち空間線量に対する対策じゃが、土壌などの除染は個人レベルで行える話ではないため、空間線量が高い地域は「避ける」ことが対策の一つじゃろう。
次に、内部被曝じゃが、これも放射性物質を体内に取り込まないことが最大の対策じゃ。
放射性物質に汚染された「食品」「水」を摂取しないことじゃの。
ここで問題なのは、「どの程度汚染されているか」ということになる。
その「安全」と考える「基準値」を、今の行政がいう暫定基準値に設けるのかどうかは、個人の考え方、次第じゃ。

放射線の影響は、確率論で考える必要があるとされておる。
つまり、一定の量の被曝をうけると、一定の量の患者が発生してしまう、ということじゃな。
蓄積した被曝量から考えると、安全レベルは、原発事故以前に設けられていた日本の基準値である年間1ミリシーベルトが、より安心できる基準じゃろう。
なぜなら、これまで何十年と生活してきた「状況」じゃからじゃ。
原発事故以降に設けられた年間20ミリシーベルトという暫定基準値は、その基準値で生活した「実例」がなく、これから実証されていくことになり、相応のリスクも想定されておる。
もちろん、年間20ミリシーベルトといっても、年間2ミリシーベルトと19ミリシーベルトでは、同じ基準値でも、その影響、リスクは異なるのじゃが、いずれにせよ、被曝量は少ないに越したことがないことは確かじゃ。

なお、世界中でみると、自然界から高い数値の線量を被曝する地域もあるのじゃが、「自然被曝(自然放射能)」と「人工被曝(人工放射能)」の違いは考えた方が良い。
空間線量の影響は、放射線の影響じゃから、自然被曝も人工被曝も、そう違いはないが、そこに加算されるべき内部被曝は、自然被曝の核種が体内に残りにくいのに対し、人工被曝の核種は体内に蓄積されやすい(筋肉、骨、甲状腺など)ため、長期影響に違いが出やすい、ということじゃな。

ということで、Eさんの質問に対する結論じゃ。

・放射性物質の対策は、取るに越したことはない。
・対策は、外部被曝と内部被曝で異なる。
・空間線量の高い地域は避ける、放射性物質が「高い」ものの摂取は避ける。

ということじゃ。
なお、摂取する放射性物質の基準値を、どのような「値」で考えるかは、将来にわたるリスクをできるだけ軽減したいなら、いろいろ情報を得た上で判断した方が良いかもしれんの。

必要以上に対策することは、昨日の大田君のブログの内容からみると「風評被害」となることもあるかもしれん。
しかし、アトピー性皮膚炎に対するステロイド剤やプロトピック軟膏の影響と同じく(医師が安全だといって使わせても、一定確率で、影響を受ける患者がでてくるのと同じ)、今、安全だとされている暫定基準値が「安全」とは言い切れないことも承知しておいて欲しいの。

Eさんの症状が早期に落ち着くことを祈っておる。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

空間線量については、現在、モニタリングポストなどで公表されているが、実際に私たちが生活する範囲の線量ではなく、モニタリングポストの位置の線量だ。
モニタリングポストは、地上10m~20mに設けられていることも多いため、測定された線量=実際に影響を受ける空間線量とは限らない。
また、水道水中の放射性物質も、一部の自治体では、その自治体が定めた基準値内であれば、計って検出されても「未検出」としているので、注意が必要だろう。
例えば、東京の場合、1リットルあたり20ベクレル以下は例え19ベクレルでも未検出として公表されている。
ちなみに、原発事故以前は、日本の基準値はWHOに準じた1リットルあたり10ベクレルだったのだ。
値による影響の出方は、今後、検証、議論されていくのだろうが、自己防衛の観点からは、こういった情報もしっかり得るようにする必要はあるだろう。