風評被害?

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 
ここ最近、アトピー性皮膚炎の症状の悪化に関する相談が増加しています。
毎年、春先は増える傾向がありますが、今年は、特に多い状況にあります。
東日本大震災や、その後の原発問題などが、心理的に抑制の状況を生み、ストレスなどから悪化している部分も多いのでしょうが、気になるのは放射性物質の影響です。

放射性物質とアトピー性皮膚炎の影響は、過去、エビデンスがなく、全く不明ではありますが、放射線が免疫機能に与える影響から考えると、生体の免疫系への影響が認められる以上、何らかの悪化要因になりうることは、一応、考えておいた方が良いのかもしれません。

仮にアトピー性皮膚炎に対しての影響がない、もしくは軽微であっても、生体そのものへの影響は懸念されるため、いずれにせよ注意が必要でしょう。
そして、放射性物質の影響を避けるためには、まず放射性物質と「接しない」ことが基本ですが、最近、この放射性物質と「接しない」ことに対して、いくつかの問題が最近、生じています。

その一つが「風評被害」です。

最近、原発事故の影響を受けている福島県の野菜を消費者が「風評被害で敬遠している」という報道を目にするようになりました。

風評被害、とは辞書で見ると、

 
【風評被害】(gooの辞書より)

根拠のない噂のために受ける被害。特に、事件や事故が発生した際に、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること(以下、略)

 
とあります。
今回の原発問題の野菜でいえば、「放射性物質が暫定基準値内で安全なのに、危険だと消費者が敬遠していて、農家が損害を受けている」ということです。
先日も、福島県の副知事が「原発による被害は健康被害ではなく、風評被害なので、福島の野菜などを食べて応援してください」という意味合いの報道がされ、Web上で大きな批判を受けていました。

なぜ批判されたのかというと、今回の原発問題による野菜が、健康に対して影響がないことが証明されていない、つまり「風評被害」ではないから、ということを消費者が感じているからです。

原発事故以降、安全とする基準値を「引き上げた」暫定基準が設けられました(厳密にいえば、原発事故以前は、国際基準に照らして判断されていたが、新たに基準が設けられた)。
さらに、測定方法も、それまでの「収穫したそのままの状態で測定」から「収穫後、十分流水で洗い流し、汚染された土を除去した後測定」に変わったのです。

そういった「数値を低くする」測定方法で調べられ、さらに「ゆるくなった」基準値内だから安全、と言われても、その基準値で危険とする意見が、国内外の専門家から発信されている以上、消費者が納得できないのは当然でしょう。

現在心配されている放射性物質の影響は、「皮膚がただれたり、すぐに生命に危険が及ぶ急性障害」ではなく、「10年後、20年後に生じる『晩発(ばんぱつ)障害』『蓄積性』の障害」です。
そして、こういった遅延性の障害は、蓄積することで影響がみられやすくなりますので、放射性物質が「高い」食品を摂取することは決して安全と「証明」されてはいないのです。
そして、現在の「暫定基準」の安全は、これまでのブログで時々、書いたように、明確な根拠が証明されているわけではない以上、「暫定基準値内でも危険」とする認識は、決して「風評被害」とは、消費者の立場からみれば、「風評被害」とは言えない、ということです。

アトピー性皮膚炎への放射性物質の影響は、何度もいうように、明らかになっているわけではありません。
しかし、影響がない、ということが証明されておらず、逆に、影響がみられる「疑い」がありますので、自己防衛の観点からは十分に注意は必要でしょう。

「風評被害で敬遠している」という報道自体が「風評被害」にならないよう、消費者も注意をする必要があるかもしれません。

 
おまけ★★★★西のつぶやき

もしかすると、現在の放射性物質による基準が、「ゆるめられている」のは、「責任」と「補償」を見越しての部分があるのかもしれない。
これまで、採用されていた基準で考えてしまうと、福島県のほとんどが避難対象、また食品もほとんどが摂取制限を受けてしまう可能性があるからだ。
その範囲を考えた場合、国が対応できる「レベル」を超えていると考えしまっても仕方がないかもしれない。
しかし、その「責任」と「補償」が必要になる対象は、「消費者」自身である。
大変残念だが、リスクを最大限に軽減するためには、消費者自身が自己防衛の意識が必要な時代なのかもしれない。