ステロイド治療における問題点(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 
先日、Aさんから次のようなメールの相談をいただきました。

 
●Aさんからのメール

最近、両親から無理にステロイドをやめる必要はない、顔がひどいから病院に行った方がいいと言われ続けています。
私が、「ステロイド剤には頼らない」と決めたのに、なかなか受け入れてもらえません。
そのこともあってか、今週に入って凄く辛いです。
九州HRCにもぜひ行って、湯治を行いたいのですが、主人と二人で繰り返し説明しても分かってもらえず・・・・
先週はかなり症状も改善されていましたが、今週はリバウンド症状も、よかったり悪かったりの繰り返しです。
主人は、薬に頼らない、と自分が決めたことだから気にせずに治療したらいい、と言ってくれています。
でも、両親に「ステロイドが効かない体になるまえにやめたい」と説明していますが、「ステロイドが効かない体になるはずがない」と言われ続けています・・・・

  

どうしても、一般の人は、「病気」と「症状」の違い、そして薬物とは、「どの部分に効果をもたらすのか」という部分をそこに重ね合わせて考えません。
風邪をひいて病院で薬をもらって飲んだら風邪が治った場合、「もらった薬が風邪を治した」と考えてしまいます。
でも、風邪のウィルスを「退治」したのは薬の働きではなく、自らの体が持つ自然治癒力です。
仮にAIDSのような体の免疫が失われる疾患の場合、末期になった時にひどい風邪にかかった場合、どんな良い抗生物質を服用しても風邪を治せず、致命傷となることがあります。
これも、薬が風邪を退治してくれるのではないからです。

薬は、体が病気や怪我といった「異常状態」を治癒させるための、「お手伝い」をしているにすぎません。

アトピー性皮膚炎の場合も同じです。
アトピー性皮膚炎は、痒みと言う症状を伴う疾患ですが、痒みを治すことが、アトピー性皮膚炎を治している、という図式は正しくはありません。(逆の、アトピー性皮膚炎が治れば、痒みも治る、という図式は成り立ちます)
ただ、普通のアトピー性皮膚炎の場合、アトピー性皮膚炎という異常状態が軽微な原因からもたらされている場合、痒みという症状を抑えている間に、体自身がその軽微な原因そのものを解消、アトピー性皮膚炎そのものも治癒していた、というケースはありますから、そういった場合に、先ほどの風邪の例と同じく、「薬でアトピーが治った」と考えてしまいがちになります。

もちろん、「結果」が全てではありますから、薬で症状を抑えQOLを維持しながら、自然とアトピー性皮膚炎が治ることにこしたことはないでしょう。
問題は、アトピー性皮膚炎の原因が解消されづらい場合、薬で痒みという症状を抑えても「アトピー性皮膚炎の原因」がある限りは、薬の効果が切れれば、痒みは再び現れる、そしてそれを繰り返しているうちに、気が付くと、薬の長期連用を行っていた、というケースです。

では、ステロイド剤の場合、どのような問題点があるのでしょうか?
いくつか上げてみると、

1.ステロイド剤が効かなくなる
2.ステロイド剤が皮膚に蓄積する
3.感染症を悪化させる

といった問題点があります。
詳しくは、明日から一つずつ、取り上げてみたいと思います。

 
おまけ★★★★大田のつぶやき

今回、Aさんのメールに対して、ステロイド剤の部分で取り上げました。
なおAさんの状況を考えると、こういったケースでは、ご主人が少なくとも周囲の「理解者」としていてくれていますので、ご両親の部分はいったん切り離して、自分でストレスをためすぎないように付き合う方がよいでしょう。
また、ご両親に対しては、明日から説明するステロイド剤の影響のエビデンスを示して、少しずつでも理解を求めることも良いかもしれません。